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たとえば、このようなQ&A があります!



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著作権について
Q.著作権とはどのような権利ですか?
A.

 著作物を創作することによって獲得した権利を著作権と言います。そして、著作物を創作した人を著作者といいます。
 著作権法では、著作物を「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術美術または音楽の範囲に属するもの」と定義しています。
そして、著作物として、
1)小説、脚本、論文、講演、その他の言語の著作物
2)音楽の著作物
3)舞踏などの著作物
4)絵画、彫刻などの美術の著作物
5)建築の著作物
6)地図などの学術的図面の著作物
7)映画の著作物
8)写真の著作物
9)プログラム
 の著作物という9つの分野に分けて例示しています。
しかし、この定義や例示に関わらず著作物かどうかの判定は難しいものです。例えば、著作権法では、もっぱら鑑賞を目的とする美の表現である純粋美術のみに著作権は適用され、一般に、この純粋美術の技法や感覚を実用品に応用した、いわゆる応用美術には適用がないものとされています。すなわち、一品制作の「美術工芸品」は、著作権法による保護の対象となりますが、実用品の模様、デザインなどに用いられることのみを目的として用いられるものは著作権の保護対象にはならず、本来工業上利用できるものを対象とする、「意匠」として「意匠法」によって保護されるものとして扱われています。
 著作権で大切なことは、その保護の対象が思想(アイデア)そのものではなく、その表現であるということです。例えば、ある技術論文(例えば、物の製造方法)を書いてこれを出版した場合、この論文を第三者がまねた論文を発表すれば、これはその論文の著作権侵害になります。しかし、その論文に記載されている 技術を利用する(物を製造する)ことは著作権の侵害にはなりません。この場合、アイデアである技術自体は、特許法や実用新案法などにより保護されます。したがって、アイデアである技術自体を第三者にまねされたくないのであれば、特許法や実用新案法などによる保護を求めるべきです。
 また、著作権は著作物の創作によって自動的に成立する点で、特許庁への登録によって初めて成立する特許権、実用新案権、意匠権商標権などと異なります。
 なお、著作権は、著作物創作時に発生し、その存続期間は原則として著作者の死後50年までです。

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Q.著作権といっても、その作品の作者に発生する著作権だけでなく、その作品に携わったいろいろな人に発生する権利が含まれていると聞いたことがありますが、著作権に含まれる権利にはどのようなものがありますか?
A.

 世間的にはひとくくりに著作権と呼ばれているものには、著作者に発生する狭義の著作権と著作者人格権、さらには著作物を伝達するのに創作的に関与した者に発生する著作隣接権などが含まれています。
 まず、著作者(作品の作者)に発生するのが、狭義の著作権と著作人格権です。狭義の著作権は財産としての著作権です。つまりその権利を他人に譲渡、つまり売却して代金を得ることもできます。一方、著作者にとって著作物は自分の思想・感情の表れです。例えば日記などを想起してください。これを無断で他人に公表されたり、他人名義にされたり、勝手に内容を変えられたりしたら自分自身の人格が傷つけられることになります。このようなことを防ぐ権利として認められるのが著作者人格権です。このため著作者人格権は一身専属性の(他人に譲渡することができない)権利です。
 次に著作者以外の者に発生する権利が著作隣接権です。これはその著作物を一般の人にまで伝達するのに創作的に関与した者に発生する権利です。「著作物を伝達するのに創作的に関与した者」は著作権法上、次の4者とされています。
(1)実演家:具体的には歌手、俳優、ダンサーなどです。
(2)レコード製作者
(3)放送事業者
(4)有線放送事業者
 これらの者は著作物自体を作り出した訳ではないですが、その著作物を広めるために自らの創意・工夫を行っているので、その著作に隣接する権利、つまり著作隣接権が発生します。
 例えば、作詞者A,作曲家Bの曲を歌手Cが歌唱して、これをレコード会社D社がCDとして販売し、また放送局Eが制作する音楽番組で歌手Cが生歌を披露した場合、作詞者Aと作曲家Bにはそれぞれ狭義の著作権と著作者人格権が発生し、一方、歌手C,レコード会社D,放送局Eには著作隣接権が発生します。
 一方、例えばCDショップなども著作物の伝達に関与する者ではありますが、CDショップではそのCDをそのまま販売するだけで創作的関与ではなく、著作隣接権は発生しません。
 またこれら以外の権利として、著作権法には、文学や漫画の著作者が出版社に許諾を与えることによって発生する出版権が規定されています。

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著作権表示について
Q.自己の著作物であることを示す「c」表示は勝手につけてもよいのですか?
A.

はい。 表示は自分の著作物に自由につけることができます。
・C表示とは
国境を越えて利用される著作物は、ベルヌ条約と万国著作権条約により国際的な保護が行われています。表示は、万国著作権条約に根拠がある制度で、登録を要件に著作物を保護する国(方式主義国:かつての米国)において、日本などの登録なしで保護される国(無方式主義国)の著作物が保護されるためにマークの表示が使用されます。
国内でのみ利用する著作物については 表示の有無による違いは全くありません。
かつては米国で保護されるためには表示が必要であるといわれていました。しかし、現在は米国のベルヌ条約加盟と同時に国内法も改正され、 表示がなくとも保護されることになりました。
・C表示を見かけたら
最近は、著作権者が著作権を主張していることを知らせる手段として利用されているようです。表示がある著作物については、むやみにコピーするなどの著作権を侵害するおそれのある行為は特に慎むようにしましょう。
・ほかのマーク
「自由利用マーク」
著作権者が自由に利用できる著作物であることを示すために表示することができます。
利用方法など、詳細は文化庁のホームページをご覧下さい。
http://www.bunka.go.jp/jiyuriyo/

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ソフトウェアの著作権について
Q.私Aが独自に開発したゲームソフトに対して、B社がライセンスを希望してきました。このゲームソフトの特許出願はしていませんが、それでもライセンスができるのでしょうか?もしできるのであれば、以前から別のソフトウェアについての特許出願やその特許権のライセンス契約について代理人をお願いしているC弁理士に、今回のライセンス契約についての代理人もお願いしたいのですが、引き受けてもらうことは可能でしょうか?
A.

 Aさんは、ゲームソフトの著作権についてB社にライセンスすることができます。またC弁理士がライセンス契約の代理人を引き受けることもできます。

 著作権法では、プログラムが著作物であることが規定されていることから、ゲームソフトのプログラムは著作物に該当します。また判例によれば、ゲームソフトを作動させたときに画面に映し出される影像が映画の著作物として認められると考えられます。Aさんはゲームソフトを独自に開発したということですので、Aさんにはそのゲームソフト(著作物)についての著作権が発生しています。
 著作権は、特許権などと異なって、その著作物(今回はゲームソフト)を完成させるだけで、関係官庁などへ出願申請をしなくても自動的に発生する権利です。したがって、AさんはB社に対してそのゲームソフトの著作権に基づくライセンス契約を行うことができます。

 弁理士への依頼に関して、弁理士として行える業務は弁理士法に定めがあります。例えば弁理士の業務として、特許庁に対して特許権や商標権などを取得する代理手続業務があることは、わりと知られていると思います。ただし弁理士として行える業務はこれらだけではありません。弁理士法には著作物に関する権利についての譲渡や許諾の契約の代理もできると規定されています。したがって、C弁理士はAさんからのライセンス契約の代理業務の依頼を引き受けることができます。
 仮にC弁理士が著作権分野をあまり得意にされていなかったとしてもC弁理士のネットワークで、適任の専門家を紹介してもらうことができるでしょう。

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Q.当社Aはパソコン用の画像処理ソフトを開発して販売したのですが、B社から、当社のソフトがB社製品(同じく画像処理ソフト)の著作権を侵害しているから販売を中止するようにとの警告を受けました。当社ソフトの開発にあたっては、B社の製品を参考にしたことはありませんが、画面レイアウトは似ているようにも思います。B社に対してどのような対応をとることができますか?
A.

 貴社(A社)は、状況を十分確認した上で、B社の警告に対して「B社製品の著作権は侵害していない」旨の回答を行うことが好ましいでしょう。

 画像処理ソフトのプログラムは著作物です。したがって、B社はB社製品(画像処理ソフト)のプログラムについて著作権を有していると考えられます。B社からの警告書に、どのような理由によって著作権侵害だと書かれているのかは不明ですが、おそらくB社製品である画像処理ソフトのプログラムについての著作権侵害を主張しているものと思われます。

 ただし貴社がB社製品の著作権を侵害したというためには、貴社製品の開発にあたって、B社製品のプログラムを参考にした、つまり依拠した事実がなければ、著作権侵害を問われることはありません。貴社は、担当プログラマーがB社製品を参考にしていないことを十分確認する必要があります。
 しかしながら、貴社製品が本当にB社製品のプログラムを参考にしていないとしても、そのことを主張するだけではB社側は納得しないだろうし、裁判などの場で争うことになっても、水掛け論に終始する恐れがあります。このため、貴社がB社のプログラムを参考にしていない間接的な証拠を保有しておくことが望ましいです。具体的には貴社製品のプログラムとB社製品のプログラムを対比して、命令文やその並びの順番がどの程度一致するかを調べておくことが挙げられます。一般にコンピューターに何らかの処理をさせるための命令文の記述方法は幾通りもあります。このため命令文の集積としてのプログラムどおしが完全に一致することは、プログラムを参照したのでない限りあり得ません。したがって、貴社としては貴社製品のプログラムとB社製品のプログラムを対比して、命令文やその並びにおいて一致する箇所がほとんどないことを確認しましょう。そのような確認結果が得られれば、たとえ画像レイアウトが同じようなものだったとしても、貴社製品はB社製品に依拠していない有力な証拠になります。この場合、B社の警告に対して貴社は「B社製品の著作権侵害はない」旨の回答をすればよいでしょう。

 なお、警告書やりとりの段階で、もし貴社が不適当な対応をしてしまうと、本当は必要のない著作権侵害の責任を負わされる恐れもあります。このため著作権侵害の警告書を受けた場合には、弁理士などの専門家に相談されることを強くお勧めします。

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ネット上の著作権について
Q.我が社Aのホームページにおいて他社Bのホームページへのリンクを張っておいたところ、B社から「無断でリンクを張ることは著作権法違反だ」という抗議がありました。そのようなことがあるのでしょうか?
A.

 ホームページ(以下、HPとします)のURLは、そのHPのアドレス(存在場所の情報)にすぎず、そのHPの内容を複写したり改変したりするものではないので、著作権の侵害ではありません。
HPの著作者はそのHPの内容を公表するか否かを決定する権利(これを、公表権といいます)を持ちますが、いったんインターネット上にそのHPを公開した後は、誰でも自由にそれを閲覧することが可能であり、著作者はそれを制限できません。このため、他人がリンクを張ることも自由に行うことができます。
 「当HPにリンクを張る場合は事前に連絡ください」という表示を見かけますね。これは、ネットワーク上の礼儀についての「お願い」と見てよいでしょう。
 ただし、下記のようなリンクは、法的な問題が生じる場合があります。
(1)相手先のHPの全部または一部を、自己のHPの一部と組合せて表示させる場合
 フレーム分割などを用いるとこのようなことが可能ですが、これは、相手先のHPを自己のHP内に組み込むことになりますので、複製権などを侵害する可能性があります。
(2)相手先のHPの一部が自己のHPの一部であるかのようにユーザ(閲覧者)に誤解させるような場合。
 例えば、
A社のHPの中で、B社のHPの一部のページに(外部リンクであることがわかりにくい態様で)リンクを張ると、あたかもそのページもA社が提供しているHPの一部であるかのような誤解をユーザに生じさせることになり、B社のHPの著作権を侵害する可能性があります。
(3)不当な複写とともに行う場合
 B社のHPの内容を適正な引用の範囲を超えて自己A社のHP上に複写して公開し、その内容がB社のものであることを明記してリンクを設けておいても、著作権法違反となります。これは、リンクの部分が問題なのではなく、引用の適正な範囲を超えていることが問題なのです。リンクを設けたとしても、その違法性が消えるわけではありません。
 上記の他、他人のHPの閲覧が、その他人が意図しない態様で行われる可能性が高い態様でのリンクは著作権上の問題が生じる可能性があります。
 なお、他人のHPの内容を批判することは、その内容や態様によっては、名誉毀損や不正競争の問題が生じることもありますが、著作権法上の問題ではありません。

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二次使用について
Q.私は漫画家で、今話題の小説を題材にして漫画を描きたいと思っています。この場合、小説の原作者に許可を得なければなりませんか?
A.

ある著作物を翻訳その他翻案等することによりできた新たな著作物を二次的著作物といいます。著作権法第27条では、「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。」とされており、二次的著作物に関する規定があります。
「著作者は、その著作物を翻訳等その他翻案する権利を専有する」ということは、原著作物を無断で翻訳その他翻案等してはダメですよ、原著作物から二次的著作物を創作する場合には、権利者の許諾が必要ですよ、ということです。
ご質問のケースでは、小説(原著作物)を題材にして漫画を描く(翻案して二次的著作物を創作する)ということですから、原著作物の小説の原作者の許諾を得なければなりません。
なお、許諾を得なければならない権利者(著作権法第27条の権利を有する人)は原著作物の著作者とは限らないことに注意が必要です。この著作権法第27条の権利は独立して他人に譲渡することができ(著作権法第61条)、許諾を得るべき権利者が原著作物の著作者ではないこともあるからです。小説の原作者が権利を他人に譲渡していれば、原著作物の小説について著作権法第27条の権利を譲り受けた人の許諾を得なければなりません。許諾を得る際には、誰が著作権法第27条の権利を有している人なのか確認することに留意してください。

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写り込みについて
Q.旅行に行ったときの写真を撮影してブログにアップしたら、写真の隅の方にたまたま写り込んでいた人形の製作者だという人から、「勝手に作品をネットにアップされて著作権の侵害だ」と言われました。意図的にそれを撮影していないのですが、著作権の侵害になりますか?
A.

 自分が撮影した写真等に他人の著作物が写り込むことは多々あります。撮影した行為はその他人の著作物の「複製」(著作権法第21条)、撮った写真をブログにアップ等する行為は「公衆送信」(著作権法第23条)となり、著作権の侵害に問われるかもしれません。とはいえ、意図的に撮ったわけでなく、他人の著作物がたまたま写り込んだだけで著作権侵害が成立してしまうというのは、あまりにも窮屈過ぎるといえるでしょう。
平成24年の著作権法改正では、いわゆる「写り込み」(付随対象著作物の利用)等への対応がなされました。他人の著作物が写り込んだ写真や映像を撮影等する行為や、撮影した写真等を利用する行為(ブログへアップする等)について、その著作者の許諾を必要としない(著作権侵害とならない)場合について新しい規定ができたのです(著作権法第30条の2)。
著作権侵害にならない場合とはどういうものか。まず、撮影した写真から写り込んだ他人の著作物を分離することが困難である必要があります。「分離が困難」というのは、例えば写真を撮影したときに、他人の著作物を除いて撮影することが一般的に考えて難しい場合です。写真を撮るとき、含まれそうな著作物はすべて撤去してから撮影するというのは非現実的です。意図的に撮ったわけでなく、たまたま写り込んだというのは「分離が困難」といえるでしょう。
 次に、写り込んだ他人の著作物が撮影写真へ及ぼす影響が軽微であることも必要です。たまたま写り込んだとはいえ、写真の大半を占めるほど他人の著作物が大きく写っている場合は影響が軽微とはいえません。隅っこに小さく写り込んでいる場合なら影響は軽微といえるでしょう。
このほか、著作権者の利益を不当に害することにならないという条件もありますが、この条件についての判断はケースバイケースとなります。
 ご質問によると、旅行へ行ったときの写真であり、人形(他人の著作物)を意図的に撮影したわけでなく写真に人形がたまたま写り込んでいたということですので、「分離が困難」といえます。また、人形は写真の隅の方に写り込んでいる程度ですから、写真に与える影響も軽微といえます。ブログにアップする行為が人形の製作者の利益を不当に害するとは考えにくいので、人形の製作者の許諾を必要としない、つまり、著作権侵害にはならないと考えられます。

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著作権の存続期間
Q.「TPPで著作権の保護期間が延びる」というニュースを見ましたが、どういうことなのでしょうか?具体的にどのような影響があるのでしょうか?
A.

 我が国の著作権法では、著作権は、著作物の創作と同時に発生し、著作者の死後50年(映画の著作物は70年)まで存続するとされています(著作物の公表後50年という場合もあります。)。つまり、日本における著作権の保護期間は、原則として著作者が著作物を創作した時から著作者の死後50年までとなります。日本と同様に50年を採用している国もありますが、70年を採用している国も多く70年が国際的に主流であるとも言われています。
TPPで著作権の保護期間が延びるというのは、著作権の保護期間延長に積極的なTPP加盟国の主張を採り入れることに合意したということです。TPPは様々な分野における多国間交渉であり、各国には自国の国益に照らして譲れない分野と多少譲ってもよい分野が存在するでしょう。著作権の保護期間についてどのようなせめぎあいがあったのかは知る由もありませんが、他国に歩調を合わせてもよいと判断されたから著作権の保護期間の延長について合意したと考えられます。
 では、著作権の保護期間延長は具体的にどのような影響を及ぼすでしょうか。
 著作権の保護期間が切れると、その著作物はパブリックドメイン(公共財産)となって誰もが自由に利用することができるようになります。保護期間の延長はパブリックドメインになった著作物について著作権が復活し、再び利用不可となるといった混乱を招くかもしれません(※あまりにも影響が大きいため著作権を復活させるような遡及的な延長はしないと言われています。)。
著作権は著作者が亡くなった後も存続するわけですから、著作者の死後は相続人が著作権を有することになります。現行の50年でも著作権の相続人が分からなくなって、著作物利用の許諾を受ける場合の権利者捜索に苦労することがあります。70年まで延長すれば著作者の孫・曾孫の代まで権利が存続するため権利関係がさらに錯綜することもあるでしょう。権利の所在が分からない著作物を「孤児著作物」といい、権利者が不明で許諾を得られないために著作物利用の機会が阻害される等の問題があります。著作権の保護期間延長はこのような孤児著作物問題を助長しかねません。
もっともマイナスの影響だけではなく、保護期間延長という保護強化により著作者の創作意欲を刺激するといったプラスの影響もあります。
著作権の保護期間の規定(著作権法第51条等)にある「50」の数字を「70」に書き換えるだけで済む話ではありません。著作物の円滑な利用にも配慮した法整備が求められることになるでしょう。
 なお、この回答は「TPP協定交渉の大筋合意」という首相官邸の発表直後に書かれたものです。保護期間の延長についてどのような改正が行われるか不透明な状況における回答であり、実際の改正後の内容と整合しない場合がありますので、ご了承ください。

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周知・著名な商品表示の保護について
Q.不正競争防止法では「周知」な商品表示や「著名」の商品表示が保護されるそうですが、「周知」「著名」とはどの程度まで知られている必要があるのでしょうか?
A.

 不正競争防止法には同一または類似の商品等表示を第三者が使用することによって、事業者の営業上の利益が損なわれることを防止するための規定として、商品等表示(商品についての表示に限らず、営業主体についての表示も対象として含まれます)の保護を目的とする「混同惹起行為」の防止が規定されています(同法2条1項1号)。「混同惹起行為」とは、周知な商品等表示との出所の混同が生じるような行為のことです。
 では、「周知」とは、どの程度まで知られている必要があるのでしょうか。裁判例などから、地域的範囲は、一地方(都道府県レベル)でよく、都道府県よりもさらに狭い地域であっても、その地域で広く知られている場合には、周知であると認められる場合があります。これは、周知な商品等表示を使用している事業者には、その地域において保護に値する業務上の信用が存在するからです。
 次に、需要者に関しては、その商品や営業の内容によって、周知性を認定する対象が異なる場合があります。例えば、スーパーマーケットで販売されているような商品についての表示では、一般的な消費者に周知かどうかが判断基準となります。これに対して、一般的な消費者にはそれほど知られていないものの、卸売段階で取引業者によく知られている商品等表示は周知であると判断される場合があります。また、消費者層が特定の年齢および性別に偏っているような商品について、その消費者層において広く知られていることで周知性を認定された裁判例もあります。

 また、「著名」な商品等表示の保護を目的とする「著名表示冒用行為」(同2号)があります。この場合の「著名」は、「周知」よりもさらに広範囲(全国的範囲)でその商品等表示が知られている必要があります。
 その一方で、「混同惹起行為」のように、混同を生じさせることは要件となっていません。これは、周知な範囲を超えてより広く知られている商品等表示には、「周知」な商品等表示よりもさらに大きな業務上の信用が備わっていると考えられ、この大きな業務上の信用を保護することを目的として規定されているからです。すなわち、全国的によく知られている商品等表示に類似する商品等表示を他人が使用している場合には、その著名な商品等表示が持つブランドイメージにその他人がただ乗りして不正な利益を得ることや、そのブランドイメージが弱められる(希釈化される)ことになりますが、混同が生じているかを判断するまでもなく、そうした他人の使用は不正競争行為として規制されることになります。

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品質誤認表示について
Q.品質を誤認させるような表示を商品に付すことは不正競争になるとのことですが、「高級」や「美味」などを付した商標を使用したときにこれらの表示が不正競争と判断されることがあるのでしょうか?
A.

 不正競争防止法は、他人の周知の商標を無断で使用して商品などの混同を生じさせる場合のように、特定の競業相手との関係での不正競争行為を禁止しているほか、商品の原産地や品質などにつき需用者に誤認を生じさせるような表示をする行為も禁じています。このような行為は需用者に不利益を生じさせるだけでなく、公正な競争を阻害するからです。
その商品には実際には使用していない原材料を「使用している」と表示している場合のように、それが虚偽表示であることを客観的に証明できる場合とは異なり、ご質問のような「高級」や「美味」などの表示が事実かどうかは主観的になってしまいます。
 また需要者としても、商品の宣伝販売などにおいてはある程度の美化が行われることを承知しており、「高級」と表示されていることのみをもって、特別な付加価値を持つ商品であるとは認識せず、多少は表示の内容を差し引いて判断するのが通例ですので、一般的優位性を主張するためによく使用される修飾語としての「高級」「美味」などの表示は、不正競争には該当しない場合が多いでしょう。
 もっとも、その商品の性質上で通常は使用しないような修飾語の場合はこの限りではありません。例えば、「掃除機」に「強力」という表示をするのは慣用であって不正競争とはいえないでしょうが、「時計」に「強力」という修飾語はあまり使いませんので、なんらかの特別なショック対策を講じている時計であるかのような誤認を生じる可能性があります。
 また、同じ会社の同種の製品に複数のグレードがある場合に、それら相互を混同させるような表示の場合は不正競争となる場合もあり得ます。例えば、「最高級」、「高級」、「お徳用」と表示した3種類の商品を販売しているが、実際には「最高級」と「高級」とは全く同じ品質であり、表示と価格だけ違うというような場合です。
 このように、「高級」、「美味」などの修飾語は原則的には不正競争ではないものの、それを使用している商品やサービスなどとの関係で何らかの誤認が生じるような特別の事情がある場合には不正競争とされることになります。

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商品のパッケージの模倣について
Q.我が社Aが以前から商品に使用しているパッケージと似ているものが、最近、他社Bの類似商品のパッケージに使われているようです。その使用を止めさせることはできないのでしょうか?
A.

 A社の商品のパッケージが形や色づかいなど見た目上の特徴があり、そのパッケージが使われている商品がA社のものであることが、消費者に知られている場合、その商品がA社によって製造・販売されていることを示す機能(出所表示機能)が、その商品のパッケージに備わっているといえます。このようなA社の商品に対し、B社がよく似たパッケージを使用して類似商品を販売していると、A社品を購入するつもりだった消費者が誤ってB社品を購入してしまう虞や、B社品の品質がA社品よりも劣っているような場合、購入したのがB社品であるにも関わらず、消費者が、A社品の品質が悪いという誤った認識を持つかもしれません。
 このような他社による紛らわしい商品パッケージの使用が、以下に示す行為に該当すれば、A社は不正競争防止法による保護を受けることができます。
 <混同惹起行為>
 A社品の商品パッケージが周知であって、B社品がA社品と出所の混同を生じさせるものであれば、「混同惹起行為」(不競法2条1項1号)に該当すると考えられます。
<著名表示冒用行為>
 A社品の商品パッケージが日本全国において広く知られていて、A社品のブランドイメージが大きい場合、B社の使用は、「著名表示冒用行為」(同2号)に該当する可能性も考えられます。

 <A社の対応>
B社の使用が、いずれかの不正競争行為に該当することが立証できれば、A社は、B社に対して使用の中止を求めることができ、それでもB社が使用を中止しない場合には、不正競争防止法に基づいて、A社は、B社の使用の差し止めを請求する(同法3条)訴えを、裁判所に提起することができます。また、B社の使用によってA社に損害が生じていれば、損害賠償を請求する(同法4条)ことも可能となります。
ただし、A社のパッケージが周知または著名となる以前から、B社の使用が不正の目的なく行われていた場合には、B社には、一定の保護を受けます。この場合は使用を止めさせることは出来ません。ただし、混同惹起行為に該当する場合には、A社はB社に対して、混同を防止するための表示を行うことを求めることができます。

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営業秘密について
Q.私Aが友人Bから聞いた情報を私Aのホームページに掲載して公開したところ、その情報はX社の営業機密であり、友人Bが不正に入手したものであったことが後にわかりました。私AがX社から訴えられることがあるのでしょうか?
A.

 あなた(Aさん)は、ホームページに掲載して公開した時点でその情報が営業秘密(「営業機密」と同じ)であり、不正に入手されたということを知らなかったわけですので、法律用語で言うところの「善意」(事情を知らないこと)に該当し、法律上の責任を問われることはありません。
 ただし、不正入手の事実を知った後には、あなたのホームページからその情報をすみやかに削除する方がよいでしょう。理由は次の通りです。
 不正競争防止法第2条第1項第9号では、「あなたAが営業秘密を不正取得した友人Bからその情報を得た時点では善意であっても、それが友人Bの不正取得によるものであるという事実をあなたAが知った後にあなたAがその情報を開示することは違法である」としています。ホームページの場合には継続的に公開状態とされるため、あなたAがホームページにその情報を掲載したままにしておくと営業秘密を知る第三者がどんどん増えてゆくことになり、それによってX社の被害が拡大する可能性があります。あなたAは既に「不正取得があったという事実」を知ってしまったのですからそのような被害の拡大を防止する責任があると言えます。
 情報はいったん開示されてしまえば、2回目に同じ情報を開示しても新たな内容を公開するわけではないため、1回目の開示だけが問題であるという考え方もありますが、実際には1回目の開示ですべての人がその情報を知ってしまうわけではなく、2回目以後の(ないしは継続的な)開示によってその情報を知る人が生じる可能性があります。このため、そのような継続的なホームページ掲載とX社の被害拡大との間に因果関係があると認められれば、あなたAは法的な責任を負う必要が生じることになります。
 なお、友人Bの行為は、その営業秘密を不正に取得して他人(あなたA)にそれを開示する行為ですので、不正競争防止法第2条第1項第4号によって違法とされます。

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Q.営業秘密を盗まれて公開されてしまうと、たとえ裁判で勝っても再び秘密状態に戻すことは物理的に不可能と思いますが、何らかの救済策はあるのでしょうか?
A.

 公開されてしまった営業秘密を「回収」することはできませんので、
(1)営業秘密の公開によって生じる不利益の拡大を防止すること、
(2)過去の被害を賠償させること(金銭賠償)、
による救済にとどまります。
 このうち(1)については、営業秘密の公開媒体がまだ流通しているときにはそれを回収して廃棄することや、営業秘密の使用によって製造した商品を廃棄させるなどの法的手段をとることになります。当然ながら、(営業秘密を不正取得した)人間の頭の中に記憶 された情報までは消去できません。
 原理的にはいったん公開されれば世界中にその情報は流布される可能性がありますが、現実には営業秘密を世間一般に対して公開するようなことはほとんどなく、営業秘密を不正に入手した者は、ごく限られた者にそれを公開(限定公開)する場合がほとんどです。このため、いったん公開された後でも情報のさらなる拡散を防止できることも多く、法的手続によって営業秘密を記録した媒体を廃棄させることにより、被害の 拡大を防ぐことも可能です。
 営業秘密が顧客名簿のような場合には、不正取得された情報であることを知ってその顧客名簿を利用した者(A)が得た利益を、営業秘密の本来の所有者(B)の損害額と推定する規定(不正競争防止法第5条第2項)などもありますが、Aがその顧客名簿を用いることによって商品を販売できたのか、それともA本来の正当な営業活動だけで商品を販売できたのかということを区別しなければなりません。
 不正競争防止法で規制されている行為のうち、営業秘密関係は「情報の流出」がその本質であるために「原状回復」が難しい部類に入ります。特に近年はデジタル技術が発達していますので、営業秘密が記録された媒体を物理的に動かさずに情報を複写することが可能となっており、その防衛がむ難しくなってきています。
その一方で、営業秘密関係の不正競争は、自社の情報防衛努力によって相手側の不正競争行為を防止できるという点で、商品形態の模倣等のような相手方による単独行為とは異なる特徴があり、「予防」こそが最大の対策ということになります。

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比較広告について
Q.いわゆる比較広告は不正競争には該当しないのですか?
A.

 自社の商品と他社の商品とにつき、スペックその他を比較した結果を示して自社の商品が優れていることを需用者に示すような広告を「比較広告」と呼びます。サービスの場合も同様です(以下同じ)。
 このような比較広告が適法とされるのは、(1)客観的に実証できる要素について、(2)正確な比較結果を、(3)公正な方法で(いわば紳士的な方法で)掲載する場合です。
このため、たとえば自動車の比較広告において「全長」「排気量」などは客観的数値として比較できますが、「乗り心地」などは客観的な数値で比較しない限り、「優」「良」…、「A」「B」…など主観が入りやすい形式で比較表示することは適当ではありません。
 また、他社製品の欠点については数値で比較表示すること自身は可能ですが、ことさらそれをあげつらうような文章を記載することは、信用毀損行為(不正競争防止法第2条第1項第14号)となります。
 なお、「比較広告」の制限は自社商品と他社商品との比較において生じるものであり、たとえば自動車評論家が自動車の「乗り心地」を主観的に「A」「B」…のように評価して自動車専門雑誌に掲載することは、「自社商品の宣伝」が目的ではありませんので、不正競争防止法違反とはなりません

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刑事裁判での営業秘密の秘匿
Q.自社の営業秘密を他人に侵害される被害を受けました。刑事事件の裁判で被害者として証拠を提出したり証人尋問を受けたりすることになりそうですが、それによって営業秘密が外部に公開されてしまうのではないかと心配です。
A.

平成27年度の不正競争防止法の改正で、営業秘密侵害罪は非親告罪となり、告訴がなくても控訴が可能となりました。公判手続等において営業秘密の漏えいが懸念されますが、その対策として営業秘密の秘匿決定や、公判期日外の証人尋問等において漏えい防止の措置が講じられています。
具体的には、営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続で、証拠として提出する証拠に公開されると自社の事業活動に著しい支障を生じる営業秘密が含まれている場合、裁判所は当事者からの申出を受けて、営業秘密の内容を法廷で明らかにしない旨の「秘匿決定」をすることができます。
申出は、あらかじめ検察官にしなければなりません。秘匿決定の実効性を考えると、起訴後第一回公判期日までに行うのが望まれます。また、申出は営業秘密を構成する情報を具体的に挙げるとともに、秘匿決定される範囲が明確となるように説明することが望まれます。
営業秘密の漏えいが懸念されるのは、被告人等においても同様です。被告人等の保有する営業秘密についても、犯罪の証明や被告人の防御のため等の一定要件下で秘匿決定される場合があります。このように、営業秘密侵害罪の刑事訴訟では、被害者及び被告人双方の営業秘密保護に対する配慮がなされた上で、手続が進行されることとなります。
「秘匿決定」されれば、裁判所は、秘密情報が含まれる特定の事項に仮の名前を付けてその内容が明らかにならないようにしたり、一定の場合には証人尋問の際の尋問内容を制限したり、公開の公判期日以外の日に証人尋問又は被告人の供述を求める手続をしたりするなどの配慮がなされます。
営業秘密として保護されるためには、非公知性、有用性、秘密管理性が必要です。上述の営業秘密を構成する情報の特定を含め文書化して記述し、公証人の確定日付やタイムスタンプを取得しておく日常の努力が望まれます。

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アクセスコントロール等の回避装置に対する規制強化(2012/2新規)
Q.当店で販売している電子機器は様々機能を有しており、悪用すれば「不正アクセス」や「コピーガード破り」もできますが、決して不正な製品ではありません。他の機能も備えていれば「不正行為専用機」ではないので、販売しても問題はないですよね?
A.

上記販売行為は問題があると考えられます。平成23年度の不正競争防止法の改正で、アクセスコントロールやコピーガード等を回避する機能以外の機能を有する装置やソフトウェアであったとしても、実質的にそれらコピーガード等を回避するために用いられている場合についても規制対象となりました。従前はアクセスコントロール、コピーコントロールのような「技術的制限手段」を回避する機能「のみ」を有する装置等の提供行為が規制対象でした。しかし、「回避機能」以外の機能を備えた装置により、コンテンツ提供者の利益が害されていることから、これを禁ずる趣旨で不正競争行為として規定されました。
 上記規制は、「影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能にする用途に供するために行うものに限る」とされています。したがって、電子機器等の販売における広告宣伝の方法や内容、ユーザーの一般的な利用態様等を総合的に判断することとなります。すなわち、コピーガード等を回避できるとの旨を宣伝で強調したり、ユーザーのコミュニティや販売サイトにおける製品の評価でコピーガード回避の旨の良好な評価がなされていれば、規制の対象となるおそれが大きいと考えられます。
一方、コピーガード信号等を検知しない機器やこれを内蔵する機器(いわゆる無反応器)については、規制の対象とならないと考えられています。
電子機器の販売行為が不正競争行為に該当する場合には、営業上の利益を侵害された者等から販売行為の差し止めを受けたり、損害賠償を請求される場合があります。加えて、不正の利益を得る目的や、コピーコントロール等を施したコンテンツ提供者に損害を与える目的(いわゆる図利加害目的)がある場合は、刑事罰の対象となる場合があるので、注意が必要です。

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訴訟について
Q.特許・実用新案・意匠・商標に関して提起される訴訟について説明して下さい。
A.

特許・実用新案・意匠・商標に関して提起される訴訟は大きく次の2つに分かれます。
(1)審決等取消訴訟
特許庁審判官のした審決・決定の取消を求める行政訴訟で、知的財産高等裁判所(東京)だけが取扱っている訴訟です。そのなかには、 1.取消決定・審決に対する訴訟、2.登録異議申立書・審判・再審の請求書の却下決定に対する訴訟が含まれます。代表的なものをあげると、特許等の出願が 特許庁で拒絶査定になり、拒絶査定不服審判を請求したが、拒絶審決を受けたとき、無効審判の審決に対し不服があるとき、登録異議申立の結果、登録取消決定 を受けたとき等です。この訴訟では、弁理士が単独で代理人となることができます。

(2)侵害訴訟
特許権者等が、第三者を相手取って、特許権等を侵害したとして、管轄地方裁判所に提起する訴訟です。管轄権をもつのは、被告の住所地・不法行為地等の地方裁判所、又は東京地方裁判所(東日本)、若しくは大阪地方裁判所(西日本)です。訴訟では現に行われている侵害のほか、将来生ずるおそれのある侵害の差止、それに侵害行為によって生じた損害の賠償を請求します。この訴訟では、弁理士は弁護士と共同し、代理人または補佐人となることができます。

その他、差止等請求権不存在確認訴訟等があります。

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知的財産権の侵害について
Q.どのような場合に特許権の侵害となりますか?
A.

 特許権者以外の第三者が実施権(ライセンス)などの権利なしに事業として特許発明を実施している場合に、特許権の侵害となります。個人的又は家庭内での特許発明の実施は、事業としての実施とは言えず、特許権の侵害とはなりません。

 第三者が実施している物又は方法が特許発明該当するか否かは、特許公報における【特許請求の範囲】の記載に基づいて判断されます。【特許請求の範囲】には、1つ又は複数の請求項が記載されています。第三者が実施している物(以下、「対象物」という)が、各請求項において文言で表された構成要件を全て充足する場合は、特許権の侵害(この侵害態様を「直接侵害」といいます)となります。構成要件の一部でも充足しない場合は、特許権の侵害とは原則なりません。

 例えば、1つの請求項に記載された特許発明がAとBとCの3つの構成要件を備えている場合において、対象物がAとBとCを備えていれば特許権の侵害となり、AとBしか備えていなければ特許権の侵害とはなりません。対象物がAとBとCの3つの構成要件を備えている限りは、さらにDを備えていても特許権の侵害となります。

なお、特許発明の構成要件を全て充足しない場合であっても、直接侵害を誘発する可能性が高い行為は、「間接侵害」となる場合があります。詳しくは、間接侵害についての回答をご参照ください。

 また、均等論という考え方があり、構成要件の一部を充足しない場合でも例外的に特許権の侵害となる場合があります。つまり、少し構成が異なる場合でも特許権の侵害となる場合があります。詳しくは、均等論についての回答をご参照ください。

 特許権を侵害しているか否かの判断は、高度な専門知識を必要としますので、弁理士にご相談ください。

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均等論について
Q.特許権侵害の判断において適用される均等論とは何ですか。
A.

 均等論とは、被侵害品が特許発明と同じでなくても、均等と評価できる場合には特許権の効力が及ぶとする考え方です。
 特許権の内容及び範囲は、特許公報における【特許請求の範囲】の記載に基づいて判断されます。(特許権の内容及び範囲は、公開・公表特許公報ではなく、必ず特許公報を確認してください。)
 原則として、特許権の範囲に入るか否かの判断の対象となる製品が、【特許請求の範囲】に記載されている構成要素をすべて含んでいれば、その製品は特許権の範囲に含まれる、すなわち特許権侵害と判断されます。一方、【特許請求の範囲】に記載された構成中にその製品と異なる部分が存在する場合、その製品は特許権の範囲に含まれないことになります(非侵害)。
 しかし、前述のようにその製品が文言上では【特許請求の範囲】の中に入らない場合であっても、後述の5つの要件を満たせば、その製品は特許発明と均等である(均等論が適用できる)と判断されて、特許権の範囲のものである、すなわち侵害と判断されます。

 ここで説明する均等論は、平成10年2月24日の最高裁判決(無限摺動用ボールスプライン軸受け事件上告審判決)によるものですが、他の事例にも広く適用されます。
上述の均等論を適用するためには5つの要件を満たす必要がありますが、その5つの要件とは、【特許請求の範囲】に記載された構成中に判断の対象となる製品と相違する部分が存在する場合に、

1. その相違部分が特許発明の本質的部分ではないこと(非本質的部分)
2. その相違部分をその製品におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達成することができ、同じ作用効果を奏すること(置換可能性)
3. その製品の製造時点において、当業者がそのような置き換えを容易に想到できたものであること(侵害時の置換容易性)
4. その製品が、特許発明の特許出願時点における公知技術と同一ではなく、また当業者がその公知技術から出願時に容易に推考できたものではないこと(出願時公知技術からの容易推考困難性)
5. その製品が発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情もないこと(意識的除外)

です。これら5つの要件を満たせば、その製品は、【特許請求の範囲】に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に入るものと判断されます。方法の発明についても同様に判断されます。

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