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実用新案 : 全6件
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無審査登録制度について
Q.実用新案法の無審査登録制度とはなんですか。
A.

平成6年以降に実用新案登録出願された考案を対象とする現行の実用新案制度においては、方式審査及び一定の基礎的要件についてのみ審査を行い、実体審査(新規性・進歩性等に関する審査)を行うことなく、実用新案権の登録がなされます。基礎的要件とは、具体的には、
・物品の形状、構造、組み合わせに係るものであること
・公序良俗、公衆の衛生に反しないこと
・記載要件及び出願の単一性を満たすこと
明細書及び図面に必要な事項が記載されており、その記載が明確であること
です。ライフサイクルの短い技術を早期に権利化して適切に保護するために、実体審査を行わないこととしました。なお、上記の基礎的要件を満たしていない出願については、補正命令がなされますので、内容によっては手続補正書を提出することにより対処することができる場合があります。

実用新案権の登録後、実用新案権者、実用新案登録請求の範囲及び図面の内容等が掲載された登録実用新案公報が発行されます。なお、第1年~第3年の登録料は、出願時に納付しなければなりません。

このように無審査で実用新案権の登録がなされるため、実用新案権者が侵害者に対して権利行使を行う場合には、一定の要件が課されています。(「実用新案権の効力・存続期間について」のQ&Aをご参照下さい。)

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技術評価書について
Q.実用新案技術評価書とはどのようなものですか。
A.

実用新案法では新規性・進歩性等に関する実体審査がなされないまま考案が登録されることから、本来的に実体的登録要件を備えない権利が行使され、第三者が不測の損害を受けるおそれがあります。
そこで、権利の有効性につき客観的な判断を下すための資料を権利者(実用新案権者)及び第三者に提供すべく、登録された考案の新規性や進歩性等の有無について特許庁審査官が評価する「実用新案技術評価書制度」が設けられました。

評価書の請求は、出願後であれば何人も請求することができます。また、請求回数に制限はありません。権利者は、実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、侵害者に対して権利を行使することはできません。また、行使した権利が無効になった場合は、実用新案技術評価書が否定的でなかったときや弁理士の肯定的な鑑定書を得たとき等の相当な注意をもって権利行使をしたケースを除き、相手方に与えた損害を賠償する責任が権利者に生じます。

このように、権利者は侵害者に対して無条件に権利を行使するのではなく、実用新案技術評価書により権利の有効性について肯定的な判断を得た後に権利を行使することが重要です。また、他人の実用新案権を侵害するおそれのある第三者にとっても、ただ考案の実施をあきらめるのではなく、実用新案技術評価書により登録性について否定的な判断を得ることで、考案の自由な実施が可能となる場合があります。

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Q.登録性につき肯定的な実用新案技術評価書が作成された場合、これに対して第三者はどのように対処することができますか。
A.

登録性につき肯定的な実用新案技術評価書が作成された場合、実用新案登録請求の範囲に含まれる考案を実施している第三者は、かかる評価を覆す必要があります。ただし、実用新案技術評価書に対して、請求者及び第三者が意見を申し述べる機会は与えられていません。そこで、他の方法により、審査官や審判官に考案の登録性を否定する証拠を提示する方策を講じることが必要です。

考案の登録性を否定する証拠が、考案の新規性・進歩性を否定するための刊行物である場合は、その刊行物を添えて、再び実用新案技術評価書を請求すれば、当該刊行物に基づいて登録性につき否定的な見解が示されるはずです。一方、考案の登録性を否定する証拠が、いわゆる公知・公用の技術であれば、実用新案技術評価書の判断資料となりません。
このような場合は、実用新案の登録後に無効審判を請求し、実用新案権を消滅させる必要があります。

刊行物記載を理由として実用新案権を無効審判で無効にすることも可能です。しかし、第三者にとって、権利者の権利行使を阻止できれば十分な場合も多く、したがって、手続の簡易さや費用の低廉さの点から、できるだけ実用新案技術評価書を活用することが得策です。

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実用新案の効力・存続期間について
Q.実用新案権の効力・存続期間について説明して下さい。
A.

実用新案権の効力とは、「業として登録実用新案を実施する権利を占有する」ことをいいます。
したがって、権利者は自ら実用新案にかかる物品を製造したり、販売したりできますし、第三者に実施権を許諾することもできます。一方、第三者が正当な理由もなく、登録実用新案を実施する場合には、実用新案権の侵害になりますので、これらを排除するために差止請求や損害賠償請求等の権利行使ができます。
このような実用新案権の効力は、制限される場合があります。他人の権利と利用・抵触の関係にある場合や、専用実施権を設定した場合には、実用新案権者自らの実施が制限されます。また、他人の実施が試験・研究のための実施である場合や、他人が通常実施権を有している場合等は、実用新案権の効力は及ばず他人の実施を容認せざるを得ない場合があります。

実用新案権は無審査登録制度の下で発生しますので、第三者の不測の不利益を防止するため、権利行使に際し、特許権の権利行使に比べ条件が加わります。例えば、特許庁が作成した実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、実用新案権に基づく権利行使をすることができません。また、損害賠償請求等に当たり、実用新案権の侵害者には過失が推定されませんので、権利者が侵害者の故意または過失を立証しなければなりません。さらに、相当の注意を払うことなく権利を行使したのちに、登録が無効になると、実用新案権の行使によって相手側に与えた損害を賠償する責任を負うことになります。権利者に充分な注意義務を課して、権利の濫用を防止するためです。

実用新案権の存続期間は、出願の日から10年で終了します。特許権の存続期間が20年であるのに対し10年としているのは、保護の対象となる製品のライフタイムが短縮化しており、これらを簡易に保護するためです。また、特許権の存続期間は延長されることがありますが、実用新案権のそれは延長されることがありません。存続期間が終了すると、実用新案権が消滅しますので、第三者は自由に実施することができるようになります。

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Q.他社の製品に実用新案登録の表示がある場合、何に注意すればよいですか?
A.

他社の製品のうち実用新案権に関係している部分を模倣することはできないことに注意しなければなりません。従って、まず実用新案登録の内容を確認する必要があります。

他社の製品に実用新案登録番号が書かれている場合には、その番号から関連する公報を入手することによって、実用新案登録の内容を確認することができます。公報は、特許庁が提供している特許情報プラットフォーム(下記サイト)から無料で入手することができます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

他社の製品に実用新案登録番号が書かれていない場合には、会社名などから、その会社が保有している実用新案権を検索し、関連する実用新案権を特定することができます。

実用新案技術評価書を請求することを考えてみてもよいかもしれません。権利の有効性について否定的な見解が得られた場合には、登録実用新案の自由な実施が可能となることがあるからです。(「実用新案技術評価書とはどのようなものですか。」のQ&Aをご参照下さい。)

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Q.侵害者に対する損害賠償請求においては特許権の方が実用新案権よりも高額な請求ができますか?
A.

特許権も実用新案権も他人の実施を排除する権利である点では同じですので、損害賠償請求できる額は異なりません。また、特許法と実用新案法のどちらにも、権利侵害による損害額の立証を容易にする規定がありますので、立証の点でも、特許権と実用新案権は異なりません。但し、実用新案権は存続期間が10年であり、特許権の20年より短いので、侵害者が侵害を行なっている間に存続期間が満了して、結果的に損害賠償請求額が少なくなることは考えられます。

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