− パテントセミナー2009の報告 −
大阪(基礎編)
大阪(応用編)
 
滋賀
京都
兵庫
和歌山


■第1回大阪パテントセミナー(基礎編)
日  時
平成21年1月16日(金) 午後6時30分〜8時30分
場  所
経営支援プラザUMEDA
テーマ
特許・実用新案入門 〜出願から権利取得まで〜
講  師
弁理士 宇治 美知子
受講生
110名
コメント
大阪でのパテントセミナー基礎編第1回では、宇治美知子先生による「特許・実用新案入門」についての講義が行なわれました。セミナーが始まる1時間以上前から参加者が数人来られて、期待の大きさが伺われました。講義が始まる頃には、会場の後ろに予備で並べた座席まで満席になり、参加者の熱気が伝わってくるようでした。
講義が始まると、宇治先生は落ち着いた語り口で、ゆっくりと説明を進められました。このセミナーで初めて特許制度に触れる参加者も安心して聴いていられるだろうなと感じました。
出願や特許庁への対応などの詳細についてだけではなく、無体財産の権利範囲を決めることの難しさといった、特許制度の根幹に関わる話題もあれば、特許制度の歴史として特許第1号の発明を紹介されたり、また後半には、特殊な出願や統計資料についても説明があり、充実した内容でした。
講義終了後には、参加者が宇治先生を取り囲んで質問をし、宇治先生に話しかけられない参加者は受付で待機している運営担当の委員にも質問をするなどしていました。多くの参加者が、お帰りになるときにはにこにこと笑顔で挨拶してくださって、きっと有意義な2時間であったのだなとうれしく感じました。


講師:宇治美知子 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 吉岡 亜紀子
■第2回大阪パテントセミナー(基礎編)
日  時
平成21年1月26日(月) 午後6時30分〜8時30分
場  所
経営支援プラザUMEDA
テーマ
意匠制度の活用テクニック 〜出願戦略から侵害回避まで〜
講  師
弁理士 野村 慎一
受講生
103名
コメント
大阪でのパテントセミナー基礎編第2回では、野村慎一先生による「意匠制度の活用テクニック」についての講義が行なわれました。大阪基礎編第1回の特許・実用新案入門と同様、今回も、空席が見当たらないほど多数の参加者にご来場いただきました。
昨年度もパテントセミナーの講師をされ、また、他の会合や研修でも意匠についてすでに何度も講演を行なっていらっしゃる野村先生ですが、今回のパテントセミナーでは、昨年にはなかった「意匠の出願戦略」「侵害の回避」についての解説を加えた新しいレジュメを用意して臨んでくださいました。
講義は具体的な意匠の例を多数、示しながら進められました。突然、最前列の参加者に「このみっつの意匠、類似だと思いますか?どうですか?」などと問いを投げかけられる場面もあり、参加者の皆さんにはよりいっそう、興味をもって聴いていただけたのではないかと思います。
意匠法の特有の制度や出願時の留意点だけでなく、類否の判断にも言及され、また、近年、話題に上ることの多い関税法、不正競争防止法にも触れられ、多様な内容のセミナーでありました。質疑応答の時間には参加者から積極的に具体的な質問がだされ、講義終了後にも個別に質問する参加者が見られました。意匠に対する関心の高さが伺われます。
参加者がお帰りになる際、受付に立っておりましたら、たくさん書き込まれたアンケートを「ありがとう」という言葉とともに手渡してくださる参加者がたくさんいらっしゃいました。大阪基礎編第2回のパテントセミナーも成功であったのだなとうれしく感じています。


講師:野村慎一 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 吉岡 亜紀子
■第3回大阪パテントセミナー(基礎編)
日  時
平成21年2月9日(月) 午後6時30分〜8時30分
場  所
経営支援プラザUMEDA
テーマ
商標入門  〜出願から権利取得まで〜
講  師
弁理士 大野 義也
受講生
99名
コメント
パテントセミナー2009の大阪基礎編第3回は、大野義也弁理士による商標入門(サブタイトル〜出願から権利取得まで〜)でした。
豊富な商標実務経験をお持ちの大野先生の講義は、「出願から権利取得まで」の業務プロセスの説明だけにとどまらず、商標とは何かから始まり、外国商標保護やブランドの創造・保護・活用まで幅広い範囲に及ぶものであり、非常に充実した内容でした。
資料についても、図を多用し視覚的に工夫されており、商標についての具体的考察や、「商標/商品・役務」の同一・類似の概念等を丁寧にご説明され、受講生にとっても非常にわかりやすかったのではないかと思います。
講義内容が充実したものだった関係で、質問時間が設けられなかったにもかかわらず、講義終了後に何名もの方が列を作って大野先生に熱心に質問をされていたのが、印象的でした。
また、帰り際には、「今日の講義は、これまでに聴いた商標講義の中でも特によかった。」「今日は、来てよかった。」とお褒め頂き、主催者側として非常にうれしい気持ちになりました。


講師: 大野 義也 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会  寺内 伊久郎

■第4回大阪パテントセミナー(基礎編)

日  時
平成21年2月16日(月) 午後6時30分〜8時30分
場  所
経営支援プラザUMEDA
テーマ
あなたにもできる 特許・意匠・商標の調査 〜特許電子図書館(IPDL)入門〜
講  師
弁理士 吉岡 亜紀子
受講生
105名
コメント
大阪のパテントセミナー基礎編第4回では、吉岡亜紀子先生をお招きし、特許電子図書館(IPDL)を用いた特許・意匠・商標の調査についての講義をしていただきました。月曜日の夕刻にも関わらず空席が見当たらないほど多くの方が参加され、大盛況となりました。
今回のセミナーは入門編ということで、IPDLを見たことも聞いたこともない方も多く参加されていました。しかし、吉岡先生は、スライスハム等、商品サンプルを提示しながら実際にその商品の調査を行うなど、色々と工夫してご説明されていたので、全く初めての方でも解り易かったと思います。特に、配布資料がIPDLの表示画面を使った非常に解り易い内容になっていましたので、後日、参加者の方が調査される際にも、きっとその資料が役立つことだと思います。
今回の講義は、2時間という限られた時間の中で特許から意匠、商標の調査までという欲張りな内容でしたが、特許ではキーワード検索の注意点、IPCやFI記号等による検索の仕方、商標では称呼検索や図形商標の検索、意匠ではDターム等の説明まで、調査に関するほぼ一通りの内容について説明がなされ、非常に内容の濃い講義でした。
参加者のほとんどが最後まで熱心に受講され、お帰りの際には「非常に解り易かった。ありがとうございました」とお声をかけてくださる方も多くおられました。参加者の方々が皆満足げなお顔で立ち去るのを拝見し、委員の一人としてうれしく感じました。


講義の様子

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会  上西 信宏

■第5回大阪パテントセミナー(基礎編)

日  時
平成21年2月23日(月) 午後6時30分〜8時30分
場  所
経営支援プラザUMEDA
テーマ

外国への特許・商標出願手続の実務
〜手続の概略・費用・手続書類の作成について〜

講  師
弁理士 村上 太郎
受講生
93名
コメント
パテントセミナー2009の大阪基礎編第5回は、村上太郎弁理士に「外国への特許・商標出願手続の実務」について解説して頂きました。
村上先生は、PCTに基づく国際出願およびマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願という本来であれば、それぞれについて一つのセミナーが開催できるような膨大なテーマについて、様々なご経験談をお話し頂きつつ、簡潔にご説明頂きました。
PCT出願に基づく国際出願の説明においては、国際出願の調査報告、19条補正、移行期限などの概要説明の他、予備審査請求のメリット、代理人費用を含む出願費用など、実務に即した説明をして頂きました。
マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の説明においては、願書の記載様式、国際登録の内容などの他、国際段階で指定商品が抽象的である旨の拒絶理由を受けないためには、国内出願の段階で国際分類表に基づいて指定商品を記載すべきこと(例えば、「被服」という抽象的な指定商品ではなく、「ベスト」、「コート」といった具体的な指定商品を記載すべきこと)、特に、USPTOなどのホームページで、過去に登録されたケースを確認するのが有効であることなどを説明頂きました。
いずれの説明においても、短い講義時間では説明しきれない内容については、聴講者の皆さんが後日確認できるよう、特許庁などのホームページの説明箇所をお示し頂きました。
講義終了後には、分かり易かった、具体例を挙げて頂いたので理解が深まった、などの意見が寄せられました。


講師:村上 太郎 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会  千原 清誠

■第6回大阪パテントセミナー(基礎編)

日  時

平成21年2月27日(金) 午後6時30分〜8時30分

場  所
経営支援プラザUMEDA
テーマ

中小企業の知財活用法 〜特許・商標をうまく利用しよう〜

講  師
弁理士 中塚 雅也
受講生
86名
コメント

大阪パテントセミナー2009の基礎編第6回は、弁理士の中塚先生をお招きして「中小企業の知財活用法」と題する御講義を頂きました。難しいテーマでしたが、独特の語り口調で丁寧に講義を進めて頂き、非常に分かり易い講義になりました。
講義では、中小企業における知財上の問題点を指摘され、知財に関する誤解を解くことで大企業に負けない知財活用が可能であることを熱く説かれました。その後、知財力とは何かを分析し、知財経営・知財戦略のご解説を頂いた後、知財の上手い使い方を実例をもってご解説頂きました。最後に、開発当初から上手に弁理士を活用して欲しいとのアドバイスを頂いて今回の講義は終了致しました。
中小企業の方との実際のお仕事経験に基づく貴重なお話をご披露頂き、来場された方には非常に有意義な講義になったと確信しています。参加者名簿を拝見致しましたところ、大企業の方も多くご来場頂いていたようで、大企業の方にとってはこの講義が知識の整理としてご活用頂けたかと思います。
講義終了後も講師に直接質問される方が多く、中小企業の方の知財活用に関する関心の高さが伺われました。
さて、この講義をもって大阪パテントセミナー2009の基礎編が全て終了したわけですが、ご来場頂いた皆様の知財意識が少しでも高まったなら、このセミナーを企画した我々としても嬉しい限りです。また、今回の講義は締めの講義として最高の講義になったと思います。


講師:中塚 雅也 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会  大野 義也

■第1回大阪パテントセミナー(応用編)
日  時
平成21年1月24日(土) 午後1時30分〜4時
場  所
TKP大阪淀屋橋ビジネスセンター
テーマ
企業における特許戦略 〜特に米国における特許訴訟について〜
講  師
弁理士 則近 憲佑
受講生
104名
コメント

パテントセミナー2009の大阪応用編第1回は、近畿支部知財制度普及委員会副委員長(本報告者の五郎丸正巳)による主催者挨拶に始まり、次いで「企業における特許戦略」について則近憲佑先生による講義がありました。
前半は企業の知的財産戦略、とくに出願戦略・特許活用戦略についてご説明頂きました。特許活用戦略では、積極的ライセンスおよびクロスライセンスの内容およびそのメリット・デメリットをご説明頂きました。
後半は、米国における特許訴訟についての講義でした。この講義では、企業(東芝(株))ご勤務時代に、実際にご自身がご担当された米国訴訟を例にとって詳しくご説明頂きました。また、講義の最後には、その米国訴訟から得た教訓などをお話されていました。
講義の途中および終了後に、何人もの受講生から質問がありました。今回の受講生は企業で知的財産をご担当されている方が多く、則近先生と受講生との間で活発な議論が交わされていました。則近先生には、多くの質問に一つ一つ丁寧に答えて頂きました。
今回、TKP大阪淀屋橋ビジネスセンターで初めて、本セミナーを開催させて頂きました。その立地の良さのためか、104名もの多数の受講生が出席され、大盛況のうちに大阪応用編第1回を終えることができました。


講師: 則近 憲佑 氏

講義後も受講生から活発な質問があった
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 五郎丸 正巳
■第2回大阪パテントセミナー(応用編)
日  時
平成21年2月7日(土) 午後1時30分〜4時
場  所
TKP大阪淀屋橋ビジネスセンター
テーマ

デジタル・ネットワーク化と著作権等の侵害主体性の問題
〜いわゆるカラオケ法理の展開と限界〜

講  師
弁護士・弁理士 三山 峻司
受講生
69名
コメント
パテントセミナー2009の大阪応用編第2回は、三山峻司先生をお招きして,著作権の侵害主体性に関して御講義を頂きました。
前半では,著作権の保護のあり方に対する最高裁判決として知られる「カラオケ法理」につき,キーワードである「管理支配性」「利益帰属性」を中心とする解説と,併せて,著作権法では「規範的に直接侵害者として評価されるか否か」が侵害主体性の判断に影響を与える点で特許法での間接侵害と異なるとの説明を簡潔明瞭に頂きました。この2点を丁寧に説明して頂いたため,受講者の理解が一層深まったと感じております。
後半では,実際の判例に即して,道具や装置の販売・売り切り型とされる類型では「管理支配性」が論点となる場合があり,「カラオケ法理」型の射程範囲について再検討の時期に来ていること,今後の方向性として日本版フェアユース規定の導入や間接侵害規定の新設が議論されていること,等を御説明頂きました。
御講義後の質問では,「動画投稿・閲覧サイトにおける著作権の管理の実態はどうなっているのか」や「売り切り型の類型でメーカーが保守契約をしていた場合,管理支配性の判断にどのように影響するか」といった実務上の疑問点が呈示され,今回のテーマに対する受講者の関心の高さをうかがい知ることが出来ました。


講師:三山 峻司 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 松成 靖典
■第3回大阪パテントセミナー(応用編)
日  時
平成21年2月14日(土) 午後1時30分〜4時
場  所
TKP大阪淀屋橋ビジネスセンター
テーマ
欧州特許出願、特に米国出願との比較
〜欧州と米国との権利解釈の違い(英文の書き方・考え方)〜
講  師
弁理士 木村 進一
受講生
106名
コメント

今回のパテントセミナー応用編は「欧州特許出願、特に米国出願との比較〜欧州と米国との権利解釈の違い(英文の書き方・考え方)〜」と題して、木村先生が日頃から熱心に研究され、そして得意とされている分野の講義でした。その内容は、EPC 2000から昨年施行されたばかりのロンドンアグリーメントまでの最新情報を含む、極めて広範囲でかつ高度なものです。従って、タイトルや講義資料を目にしただけでは、受け手である受講者さえも緊張してしまうような難しい講義内容だったのですが、木村先生は覚えて置かなければならないポイントを要領よく実際の実務と関連付けて解説して下さったので、解り易く、特に外国向け明細書に携わる実務者にとっては極めて有意義でかつ興味深い講義となったことと思います。
ところで、木村先生は当日体調を崩されており、いつものような覇気のある優しいお声の講義が聞けなかったのが残念です。そして、その2日後にお亡くなりになったと伺い、大変驚いています。
本セミナーにおける外国語明細書に関する講義は、元々木村先生の御提案で始まったものです。そして、最近では、セミナーの中でも1,2の人気を争う看板講座となりつつあっただけに、本当に残念で仕方がありません。
木村先生は、毎回講義の中で、外国特許を扱う者の心構えとして5つ永遠の理念を説かれておりました。私たちは、あらためてこの理念を心に刻んで、故人のこれまでの本セミナーにおける御指導に深く感謝するとともに、心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

外国特許を扱う者の永遠の理念
(1)翻訳には言葉は不要(意味・概念または文脈から起草する)。
(2)すべての翻訳は意訳である(直訳は翻訳者の内輪のメモである)。
(3)英語の基本は読解力、読めなければ書けない(読解体力の養成に努める)
(4)TOEIC 900点だけで知財英語をこなすのは危険(翻訳者は代理人である)。
(5)翻訳者は十からもどる一を学ぶこと(千利休「稽古」の心得より)。
                                       弁理士 木村 進一

執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 赤岡 和夫
■第4回大阪パテントセミナー(応用編)
日  時
平成21年2月28日(土) 午後1時30分〜4時
場  所
TKP大阪淀屋橋ビジネスセンター
テーマ
職務発明対価請求訴訟と判例の傾向
〜発明者性等の争点に関する判例の変化を見る〜
講  師
弁護士・弁理士 小松 陽一郎
受講生
97名
コメント

パテントセミナー2009の大阪応用編第4回は、講師に小松先生をお招きして、職務発明の対価に関して御講義を頂きました。
職務発明の分野では、平成16,17年ごろに、多くの判例が出されました。小松先生の講義では最近の判例を数多く紹介して頂き、聴講者には大変参考になったと思います。テキストに記載された判例のリストは膨大なもので、これだけの判例をリストアップするには、かなりの時間と手間が掛かったと思います。このような貴重な資料をテキストに掲載頂き、運営委員として感謝いたします。
講義の前半は『職務発明総論』と題しまして、特許法35条の内容や裁判管轄についての講義でした。講義の後半は利益額と時効についての講義でした。平成17年の日亜化学工業対価請求訴訟事件の高裁判決以降、「利益額」の算定基準が大きく変わったとのお話でした。
職務発明は、研究・開発に携わる人にも関心が高い分野であり、企業の知的財産部員のみではなく、これら研究・開発に携わる人も多く聴講に来ていたようです。講義終了後、小松先生には多くの質問が寄せられ、一つ一つに丁寧に答えて頂きました。私たち運営委員も聴講者から質問を受けたほどで、関心の高さをうかがい知ることができました。


講師:小松 陽一郎 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 藤本 好信
■第5回大阪パテントセミナー(応用編)
日  時

平成21年3月14日(土) 午後1時30分〜午後4時

場  所
TKP大阪淀屋橋ビジネスセンター
テーマ

中国知的財産権に関する留意点
〜権利取得、権利行使、ライセンスを中心として〜

講  師
弁理士 黒瀬 雅志
受講生
74名
コメント

本年度のパテントセミナーの最後を飾る講演は、東京から弁理士の黒瀬雅志先生をお迎えして、「中国知的財産権に関する留意点」についてお話していただきました。
黒瀬先生は、毎年中国現地においてセミナーを開催されておられ、また、日本でも、東京、高松、福岡等各地でこのようなセミナーの講師をされているそうです。大阪では、久しぶりの講演であると話されていました。
講演の内容は、中国の特許権・意匠権・商標権の取得上の注意事項や無効審判への対応を始め、模倣品に対する権利行使上の注意事項、裁判を起こしたときの問題点、商標の類似判断、ライセンス問題、さらには中国国家知的財産戦略に至るまで多岐にわたるものでした。休憩の時間も惜しんで、盛りだくさんな内容を2時間30分間一気にお話しいただきました。
先生のお話は、最新の中国の法改正を研究された上での問題点、実際に先生が実務として現に体験されている内容を踏まえたもので、聴講者にとっての最新のニュースが盛り込まれた意義深いものでした。
印象に残ったお話としては、特許の無効審判においては、中国語の誤訳に基づく記載不備を理由とされること、それにもかかわらず誤訳の訂正は非常に困難なこと、商標権は取得した権利者が強く、先使用権という考えがないこと、中国の裁判所は三権分立ではなく人民代表大会の下に設けられので、任命権や給与を握られ、裁判委員会制度もあるのでどうしても地方保護主義に陥りやすいこと、知財戦略は中国の3つの重点施策の1つであるが、その中にある「権利の濫用の防止」という考えは他の先進国の権利を制限する方向に動く懸念があること等々が挙げられます。先生のご講義は、具体的な内容に踏み込んだものであり、実務者にとっても非常に参考になるものでした。
セミナーが終了してからも、先生に質問をしたり、名刺交換をされたりする方が多くおられました。先生の知識の深さとご経験の多様さを垣間見ることができたセミナーでした。


講師: 黒瀬 雅志 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 仲谷 實男

滋賀パテントセミナー(午前の部・午後の部)
日  時

平成21年1月17日(土)
午前の部: 午前10時〜午後0時30分
午後の部: 午後1時30分〜4時

場  所
草津市立市民交流プラザ
テーマ
午前の部
  知っておきたい特許明細書 〜特許明細書の見方、書き方、使い方〜
午後の部
  拒絶理由通知に対する応答について 〜進歩性違反を解消するには〜
講  師

午前の部  弁理士 居藤 洋之
午後の部  弁理士 沖中   仁

受講生

午前の部 121名
午後の部 131名

コメント
午前の部は、日本弁理士会近畿支部副支部長(本報告者の宮崎栄二)による主催者挨拶、滋賀地区会副地区会長(櫻井健一会員)による挨拶に始まり、次いで「知っておきたい特許明細書」について居藤洋之先生による講義がありました。この講義では、特許出願の必要書面、特許請求の範囲・明細書・図面・要約書のそれぞれの役割や記載の仕方、さらには技術文献・パテントマップ・無効化資料等としての特許明細書の使い方等の盛り沢山な説明がありました。特許明細書は権利範囲や後願排除等の内容が確定し重要な書面であることに間違いありません。講義では、身近な分かりやすい例を挙げて、特許請求の範囲や明細書を作成するに際して、審査、権利取得、権利主張等のため実務に留意した内容を詳細にかつ分かりやすく説明して頂きました。講義終盤、講義後にも活発に質疑応答され、知財に携わる実務家にとっても有意義な内容であったと思います。
午後の部は、滋賀地区会副地区会長(楠本高義会員)による挨拶に始まり、その後に「拒絶理由通知に対する応答について」について沖中仁先生による講義がありました。この講義では、特許庁で行われている審査の現状、審査に関連する法制度の紹介、及び特許法第29条の内容の説明等があり、休憩後に、複数の事例を挙げて、進歩性違反の反論の手法を詳細にかつ分かりやすく説明して頂きました。進歩性違反の対応として審査官の起案するロジックに反論する必要があること、そして、進歩性違反の解消に有効な主張ポイントを詳しく説明して頂きました。この午後の講義でも、活発な質疑応答がなされ、知財関係者にとって実務上重要な進歩性違反の対策として参考になり、有意義な内容であったと思います。
当日は、午前・午後とも定員を超えて椅子席を設けるほどの盛況ぶりでありましたが、滋賀地区会より浅野能成会員の名司会にて円滑に進行が図られ、また、設営や人員誘導等も円滑に運営できたことは、滋賀地区会より多くの助っ人の協力が得られたことであり、ご協力頂きました滋賀地区会員の方々に感謝を申し上げます。


講師:居藤 洋之 氏

会場の様子
   

講師:沖中 仁 氏

会場の様子
執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会担当副支部長 宮崎栄二

京都パテントセミナー(午前の部・午後の部)
日  時

平成20年1月31日(土)
午前の部: 午前10時〜正午
午後の部: 午後1時00分〜3時00分

場  所
京都商工会議所
テーマ
午前の部
  PCTの制度内容とその利用活用法
  〜企業においてPCTはいかなる場合に利用するのが得策か〜
午後の部
  外国商標出願におけるマドプロの活用 〜その意義と留意点〜
講  師

午前の部  弁理士 喜多 俊文
午後の部  弁理士 向口 浩二

受講生

午前の部 81名
午後の部 57名

コメント

午前の部は、日本弁理士会近畿支部知財制度普及委員による主催者挨拶に始まり、続いて「PCTの制度内容とその利用活用法」について喜多俊文先生による講義がありました。この講義では、「企業においてPCTはいかなる場合に利用するのが得策か」をテーマに、PCTの概要やPCTの制度内容(出願時の手続、国際調査(国際調査報告や国際調査見解書)の内容及びそれに対する出願人の対応、国内移行手続等)について詳しく説明して頂きました。また、PCT出願のメリット、デメリットについてもお話しがあり、知財に携わる実務家には大変興味深い内容だったと思います。
午後の部は、京都地区会地区会長(小林良平会員)による挨拶に始まり、その後に「外国商標出願におけるマドプロの活用」について向口浩二先生による講義がありました。この講義では、マドプロ出願の概要、出願時、出願後の留意点、米国を指定する際の留意点、欧州を指定する際の留意点について事例を挙げて詳しく説明して頂きました。特に、講義テキストの後ろに、WIPOや日本国特許庁等から送られている様々な書面が資料として添付されており、これら資料を示しながら説明して下さったため、マドプロを利用したことがない人にも大変わかりやすいものとなりました。
当日は、あいにくの雨模様で底冷えのする寒さでしたが、大勢の方が参加して下さり、盛況のうちに無事終えることができました。午後の部の司会をも引き受けて頂いた小林地区会長をはじめ、京都地区会のご協力に大変感謝申し上げます。


講師:喜多 俊文 氏

会場の様子
   

講師:向口 浩二 氏

会場の様子
執筆者:近畿支部知財制度普及委員会 市岡 牧子

兵庫パテントセミナー(午前の部・午後の部)
日  時

平成20年2月21日(土)
午前の部: 午前10時〜午後0時30分
午後の部: 午後1時30分〜4時00分

場  所
神戸市産業振興センター
テーマ
午前の部
  模倣品を巡る判例と実務 〜裁判例から学ぶ模倣品対策を中心に〜
午後の部
  医療特許と最近の話題 〜iPSとその知財について〜
講  師

午前の部  弁護士・弁理士 藤川 義人
午後の部  弁理士 越智 豊

受講生

午前の部 49名
午後の部 63名

コメント

午前の部は、日本弁理士会近畿支部知財制度普及委員による主催者挨拶に始まり、続いて「模倣品を巡る判例と実務」について藤川義人先生による講義がありました。この講義の前半では、「たまごっち事件」、「iMacパソコン仮処分事件」、「ギブソン・ギター事件」、「ヌーブラ事件」等の判例の分析を通じて、主に意匠権や不正競争防止法を用いた、形態模倣品への対応策についてお話しいだきました。このお話の中で、藤川先生は、ヒット商品の場合、模倣品に対する迅速な対応を行うことが重要である点や、事前に意匠権を取得しておくことが重要である点を強調されました。また、講義の後半では、商品形態の保護の関連制度に関するいくつかの論点について、説明していただきました。最後の質疑応答の時間には、企業の方々から多くの実務的な質問が出ました。日々模倣品に悩まされている企業の方々にとって非常に有用な講義であったと思います。
午後の部は、兵庫地区会会長(喜多秀樹会員)による挨拶の後、「医療特許と最近の話題」について、現役の医師でもある越智豊先生による講義がありました。越智先生は、講義の前半で、他の多能性(万能)幹細胞に対するiPS細胞の優位性について分かり易く説明された後、iPS関連の特許出願の流れと、現在の京大のiPS関連の基本特許(と言われるもの)についての見解を述べられました。講義の後半では、越智先生は、欧米と比較しながら、日本の医療特許における保護対象の範囲について説明された上で、医師が他人の特許発明を実施した場合における免責条項の必要性について力説されました。最後の質疑応答の時間には、多くの質問が出て、活発な質疑応答が展開されました。大変分かり易く、しかも興味深い講義内容であったため、2時間半の講義時間が非常に短く感じられました。
最後に、喜多地区会長をはじめ、兵庫地区会のご協力に大変感謝申し上げます。


講師:藤川 義人 氏

会場の様子
   

講師:越智 豊 氏

会場の様子
執筆者:近畿支部知財制度普及委員会 水田 愼一

和歌山パテントセミナー
日  時
平成21年2月21日(土) 午後1時30分〜4時
場  所
和歌山商工会議所
テーマ
知的財産権と弁理士の活用 〜弁理士を上手に使って企業の知財活性化を〜
講  師
弁理士 杉本 勝徳
受講生
12名
コメント

和歌山パテントセミナーは、講師に杉本勝徳先生をお招きし、和歌山城を望む和歌山商工会議所で開催されました。開会後、和歌山地区副地区会長の東山香織先生にご挨拶をいただき、その後、杉本勝徳先生から、「知的財産権と弁理士の活用」についてご講義をいただきました。
杉本先生のご講義は、主として、企業(とくに中小企業)における知財マネジメントに関するもので、出願前(開発〜実用化)、出願後、権利化後に分けて細かくご説明頂きました。ご講義は、ご自身の経験や実例、裏話に富んだものであり、分かり易いだけでなく非常に楽しいものでした。また、知財マネジメントだけでなく、弁理士の仕事や企業の知的活動における弁理士の関わり方などもご説明いただきました。
また、一つのテーマが終わる度に質問コーナーが設けられるなど受講生の理解に合わせて講義が進められました。受講生数が12名と比較的少人数であったこともあり、講義の最後までアットホームな雰囲気でした。
今回の受講生の大半は、知財業務とは関係のない一般の方だったのですが、杉本先生のご講義は、知財制度、知財マネジメントおよび弁理士制度への理解につながったと思われます。実際、講義後のアンケートには、「難しい内容であったが、理解できた」「よくわかった」という受講生の声が寄せられていました。
今回、和歌山で初めてパテントセミナーを開催させていただきました。昨年発足した和歌山地区会のご協力も得られました。今回のパテントセミナーが、和歌山での知財活動の活性化につながれることを願っております。また、アンケート結果の中には、「次年度以降も、和歌山でパテントセミナーを開催して欲しい」というものもあり、和歌山におけるパテントセミナーの継続開催に期待がもてるものでした。


講師:杉本 勝徳 氏

会場の様子
執筆者:近畿支部知財制度普及委員会 五郎丸 正巳
 
パテントセミナー2011
パテントセミナー2010
パテントセミナー2009
パテントセミナー2008
パテントセミナー2007
パテントセミナー2006
HOME
知財支援活動MENU