平成21年度の弁理士の日記念講演会は「知財リスクマネジメント〜侵害訴訟の現場から〜」というタイトルで、昨年と同じく大阪ビジネスパーク円形ホールで開催されました。
基調講演には、東京から三村量一東京高等裁判所判事をお迎えし、パネリストに茶園成樹大阪大学大学院教授、樋口佳成大塚製薬顧問、青木潤パナソニック・チームリーダーという判事・大学の教授・民間企業の知財担当者というユニークな組み合わせで行われました。また、パネルディスカッションのコーディネーターは、杉本勝徳弁理士が努めました。
当日は、朝からの好天にも恵まれ、また、青色発光ダイオードに関する職務発明訴訟を担当した三村判事が大阪で講演をされるということもあって、574名という過去最大(昨年に比べて約25%増)の参加者となりました。これは、このホールの最大収容人数に迫るもので、並べた椅子に空席がないのはもちろん、急遽後に席を追加する盛況振りでした。
講演は、まず三村判事から、「特許侵害訴訟の現状と対策」という侵害訴訟を見据えた企業活動の基本的な考え方について話がありました。
休憩後のパネルディスカッションでは、茶園教授の「権利侵害警告と不正競争防止法2条1項14号の関係について」、樋口大塚製薬顧問から同社における「侵害予防対策について」、青木パナソニック・チームリーダーから「カーオーディオの具体的な訴訟を踏まえての侵害予防対策について」それぞれプレゼンがあった後、杉本弁理士のコーディネートの下、パネルディスカッションが始まりました。
パネルディスカッションは、杉本弁理士の巧みなコーディネート振りもあって、訴訟の際に問題となる特許明細書上の問題点、訴訟における弁理士の役割、職務発明、特許法104条の2の具体的態様の明示義務とノウハウ開示の問題、同法104条の3の無効論のダブル・トラックの問題、さらには訴訟における和解について等多岐にわたるディスカッションが行われました。三村判事は、自身の経験を元に、わかりやすくいろいろな経験談をお話しされましたので、聴講者も非常に参考になったものと思われます。また、弁理士に対しても、明細書作成についてわざと難しく書かないようにとか、弁護士とよく連携して訴訟対応してほしいとか、訴訟の際に技術論にこだわり過ぎないようにという具体的な要望事項が出され、聴講者として多く参加されている弁理士にとっても有意義な講演であったと思われます。
最後に会場からの質問にもお答えいただき、盛況のうちに講演会を終了しました。
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