− 京都大学知的財産論講義の報告 −
平成22年度
   


■第1回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年4月20日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「知的財産権概論 (1)」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 森川 淳
受講生
約30名
概要・コメント

 第1回の講義内容は、知的財産権のうち、いわゆる創作保護法に関する範囲でしたが、初回であることから、前半は知的財産権の総論を簡単に説明しました。
 総論の冒頭では、わが国が知的財産立国をめざすに至った経緯を説明し、知的財産を保護する目的が、政治や経済に強く関連していることを説明しました。
 各論の説明では、制度の抽象的な内容を駆け足で紹介する部分が多かったため、学生の興味が薄れた様子が見受けられましたが、職務発明に関する事例として青色LEDの特許権の話題を取り上げたところ、興味を感じてもらえたようです。具体的な事例を織り交ぜることが、講義の魅力を高める秘訣であると実感しました。

■第2回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年4月27日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「知的財産権概論 (2)」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員
受講生
約30名
概要・コメント

 知的財産概論(2)として、知財全体と商標法、著作権法、不正競争防止法の概要を添付の資料を用いて説明しました。
 天候が悪かったこともあってか、出席していた学生の数は30名程度でした。
 最初に、弁理士を知っているか質問したところ十数名が挙手していました。
 あまり深入りせず、試験のポイントとなる点をはっきりと説明するように心がけました。
 思ったよりも、学生が真剣に筆記していたように感じました。
 最後の質疑応答では手が挙がりませんでしたが、あとで1人の学生から中国の著作物模倣について質問を受けました。

■第3回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年5月11日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「特許制度について」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 竹添 忠
受講生
約30名
概要・コメント

 特許法及び実用新案法について説明致しました。具体的には、(1)特許権及び実用新案権のビジネス上での活用事例、(2)特許法の趣旨、(3)特許を取得するまでの手続きの流れ、(4)特許要件(特に、新規性及び進歩性について)、(5)特許権と実用新案権との違い、を説明しました。
 特許法及び実用新案法に興味を持ってもらえるように、事例を挙げて説明するように心がけました。
 受講生は30名程度でした。講義の最後に質疑応答の時間を設けました。特許法に関して2点ほど質問がありました。受講生の中には、弁理士の仕事に興味を持たれた方もおられ、弁理士の仕事内容に関する質問も受けました。

■第4回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年5月18日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「特許出願書類について」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 山内 哲文
受講生
約30名
概要・コメント

 今回は、特許出願書類について説明しました。
 特許出願書類の内容や役割について説明したあと、特許書類の記載が、審査および裁判でどのように扱われるのかについて、実際にあった事例を挙げて説明しました。
 事例を通して、クレームや明細書の記載の役割、補正要件、権利化までの流れ等を理解してもらうことがねらいでした。
 大半の学生の方々は、実際のクレームの文言、拒絶理由通知、意見書、判決文などを見るのは初めてだと思うので、これらの説明を丁寧にするよう心がけました。
 途中で寝だした方は2名だけでしたので、皆さんまったくついて来られないということはなかったのではないかと推測しています。

■第5回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年5月25日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「意匠制度について」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 石津 義則
受講生
約30名
概要・コメント

 22年ぶりの母校は、当時のままのグランドや中央食道など、懐かしいものもありましたが、講義室は新しい校舎で勝手がわからず北棟から西棟へ行くのに一苦労しました。
 講義は、まず最初に私の略歴を説明し、製薬企業における知的財産部の役割を簡単に述べてから、本論の意匠法の説明を始めました。説明は、特有の制度や保護対象など、意匠法の特徴にポイントを置いて話しました。
 講義の途中、特許庁から借りた意匠権のDVDを見てもらいました。時間の関係で、基本編の一部「便利な制度でガッチリ守る」の10分程度でしたが、講義にアクセントがついてよかったと思います。
 説明は10分前に終え、質疑応答時間を設けました。その時に質問はありませんでしたが、ペットボトルの形状にも意匠権はあるのかなど、後で二人から個別質問を受けました。
 私の学生時代と比べて、皆さん真面目に講義を受けておられるとの印象を受けました。


■第6回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年6月1日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「商標制度について」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 仲谷 實男
受講生
約30名
概要・コメント

 私は、昨年度も「商標制度について」というテーマで話をさせていただきました。昨年度は、1限目という早い時間にもかかわらず、本年度よりも受講生が多かったように思います。
 さて、本年度の授業ですが、最初から眠りを決め込む学生もいるにはいましたが、その学生を除いて受講生は私語をする事もなく、熱心に講義を聴いてくれました。
 私は企業に属する弁理士なので、商標制度の基本的事項だけではなく、企業におけるブランド戦略や模倣品対策についても講義させていただきました。他のところで講義したときは、後者のブランド戦略や模倣品対策の方に興味を持ってもらったのですが、この日の講義ではどうだったのでしょうか。学生の反応からはここのところは読み取れませんでした。
 昨年の資料からパワーポイントの数を増やしたため、講義は時間一杯かかりました。講義時間後、1人の学生がたくさんの質問を持ってきてくれました。細かなところまで突っ込んだ質問で、熱心に講義を聴いてくれていたのだなと感じました。


■第7回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年6月8日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「不正競争防止法」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 太田 誠治
受講生
約30名
概要・コメント

 最初に松坂教授より私自身のことをご紹介頂き、その後講義に入りました。受講学生は25人程度でした。
  授業ではできるだけ重要なポイント(試験問題のポイント)を明確にするように心掛けました。例えば、ゆっくりと話したり、繰り返し話したり、具体的な事例で説明したりする等しました。
 他の方も言われていることではありますが、具体的な事例や実務的な身近な話をしたときは、学生の反応が良かったと思います。
 全体的にまじめな学生が多く、たくさんメモをとっていました。
 最後の5分間、質疑応答の時間を設けましたが、特に質問はありませんでした。

■第8回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年6月15日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「諸外国の知財制度」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 森住 憲一
受講生
約30名
概要・コメント

 本テーマでは、外国での権利取得を中心に説明しましたが、権利解釈にも触れました。各国法制の相違と調和、重要な国際条約について重点的に説明しました。
 講義に先だって、松坂教授から講師の紹介と共に、本テーマの導入的なお話がありました。
 講義内容は盛り沢山でしたが、学生が興味を失わないように、穴埋め形式を用いて説明し、また京都大学が関係する特許も題材に取り入れる等の工夫をしました。
 受講生は30人程度でしたが、多くの学生がまじめにノートを取っていた姿が印象的でした。時に弁理士の仕事について触れ、国際的な仕事が多い点にも言及しましたが、学生はとても興味深く聞いている様子でした。
 約5分間の質疑応答の時間を設けましたが、特に質問はなく、終了後に講義内容と弁理士業務における外国語の重要性について、2件の個別質問を受けました。

■第9回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年6月22日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「先行特許(商標)情報調査」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 中川 淳子
受講生
約30名
概要・コメント

 あいにくの雨でしたが、30人弱集まっていました。(講義中に入ってきた学生も2、3人いました)
 先行技術文献調査は、知的財産論の中ではかなり異色な内容であると思いますが、今後社会に出た際に、他人の権利を侵害する恐れがないかどうか、自己の出願が新規か否か、調べることは、経済活動を行う上で欠かせない、非常に重要であるということを述べ、学ぶことの意義をまず説明しました。
 細かいサーチ方法については、テクニックとしてOJTで身につけるものですので、その前提となる、特許情報の整理方法(分類等)、発明の捉え方(対象の特定)、等、応用の利く基本内容を話しました。
 また、審査官の考え方に沿った、新規性・進歩性の判断について触れ、具体的にどういう文献を探すのかということにも少し触れました。このあたりは、サーチを仕事とする方々にもお話する内容なので、学生さんにはちょっと難しかったかもしれません。
 しかし、前を向いて真剣に聞いている学生も多く、興味はあるようでした。
 商標の分類、検索にも若干触れました。
 最後に、IPDLをその場で動かし、Fタームを用いた検索と、商標の称呼検索を実演しました。
 途中、後ろで寝ていた学生さんも、このときには起きていました。
 最後に質疑応答の時間も設けましたが、特に質問はありませんでした。

■第10回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年6月29日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「特許マップと知財戦略」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 西村 竜平
受講生
約30名
概要・コメント

 教室が既に別授業で使われており、教室の前で学生達と、どうしたらええねん、と話しながら松坂教授を待っていました。しかし、誰も現れず、しびれを切らして、京大の産学官連携本部に連絡したところ、よくわからないから京大の事務局の方に連絡してくれと言われ、そこに連絡すると、手違いで教室がダブルブッキングされていたことが判明しました。
 何がどうなっているのかよくわからないまま、さらに待たされて、結局、別の教室に案内されて約40分遅れの授業となりました。セッティング時間の関係からパワーポイントも使えず、全て板書で講義を行いました。受講学生は25人程度でした。なお、松坂教授は別のお仕事が入っておられたらしく、この日はお見えになりませんでした。
  
 当初は、具体的な周辺条件のみを与えて、学生に自分なりの知財戦略を立案させた後、皆でディスカッションしながら、知財戦略の中での特許マップの使い方などをポイント的に説明しようと思っておりました。
 しかしながら、時間が短縮されたこともあり、結局、知財の重要性や、知財戦略の中で特許マップ等をどのように用いるのか、といった説明を、まさしくセミナーといった感じで一方方向的に講義しました。学生にできるだけ考えさせ、発言させて、理解力や表現力をみたかっただけに、この点は少々残念でした。なお、講義にあたっては、特許の専門用語をできるだけ使わないように留意しました。
 学生は、全体的にみて真面目であり、中にはとても興味深げに聞いている者もいて、大変講義しやすかったです。また、授業が40分遅れたにもかかわらず、暑い廊下でずっと待っていてくれたので、とても好印象でした。質問の時間はほとんどとれませんでしたが、終了後、1人だけ全く授業とは別のことで質問がありました。

■第11回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年7月6日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「知的財産権侵害訴訟」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 三山 峻司
受講生
約30名
概要・コメント

 松坂教授の講師紹介により定刻どおり授業を開始しました。授業途中で2、3名の学生が入室してきましたが、全員で30名前後の学生の参加がありました。
 なお、事前に授業準備室へ立ち寄り、当日のレジュメとプロジェクター使用のための鍵をもらって教室に向かいましたが、準備室でおききした場所が正確でなかった為に迷いましたが、相当早く到着していましたので余裕をもって対応できました。

 学年も学部も異なる学生が対象でしたので、90分という極めて短い時間の中で知的財産権侵害訴訟、特に特許権侵害訴訟の大きな枠組みを理解してもらうと同時に興味をもってもらう具体的な事例を組み合わせて授業を行いました。
 時間的にはタイトでしたが、これまでの各授業の内容を踏まえた復習的な面と現実の訴訟の組み立てと流れの要点(対世的な特許庁ルートと対人的な侵害ルートのちがい。文言侵害と均等侵害など)を説明できたと思います。ただ、間接侵害や損害賠償などについては時間が不足したと感じます。

 学生は総じて真面目に聴いてくれていました。しかし、やはり、具体例には興味深く耳を傾けてくれたように感じました。ただ、一般的な学生の傾向なのでしょうが、前の方に座る余裕があるにも拘らず、後の方に座る学生が多く、単発の授業でなければ、もう少し前へ前へ座ってもらい学生に質問をなげかける等して、もう少し双方向的な形で授業が進行できればと感じました。
 授業終了後に学生が一人質問に来ました。

■第12回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年7月13日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「国法中に占める知的財産権法の地位」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 村林隆一
受講生
約30名
概要・コメント

 松阪教授の講師紹介の後に、時間通り授業を開始しました。全員で30名前後です。
 私の最初のテーマは「知的財産権重要判例紹介」でしたが、それは、私が通常通り3年生の単位であると勘違いしたことによります。結局、1年生の教養科目であるので、私は以前の講師の講演内容を前提とし、これらを前提する意味で表題の通りお話しをしました。
 学生は真面目に聞いておりましたが、どこまで理解をしておられたかどうかが全く解かりません。私は来年なら「ソクラテス・メソット」で講義をするのですが、短時間でこのような大きなテーマで説明するのですから、質問をしていると時間がありませんので、専ら、一方的な講義をしました。
 10分前に質問のことを言いましたが、全く質問はなく、授業終了後に学生が一人質問に来ました。

■第13回 京都大学「知的財産論講義」
日  時
平成22年7月20日(火曜日)10時30分〜12時00分
主 催
京都大学
場  所
京都大学 吉田キャンパス
内 容
京都大学 知的財産論講義「著作権法」
講 師
日本弁理士会近畿支部会員 三山峻司
受講生
約30名
概要・コメント

 定刻どおり授業を開始しました。全員で30名前後の学生の参加がありました。
 授業に当たっては、前半をレジュメに基づいて基本的な著作権のフレームワークについての解説をしました。後半では著作権侵害訴訟で問題となった原告側と被告側の表現物を比較しつつ裁判例の傾向を個別の建築物・文字・写真・応用美術・実用品等々の著作物について具体的に見ていきました。これ自体は資料にはつけていませんが、学生たちは大変興味を持って話に耳を傾けていたようです。やはり具体的な事案に当てはめて具体的に結論がどのようになったかを考えてもらう方法は非常に効果的だと感じました。

 時間的にも、前半部分を30分、後半部分を60分とし、全体として基本的な考え方や著作権法の要点は要領よく伝わったのではないかと思います。

 学生は総じて真面目に聴いてくれていました。具体的な表現物の比較においては類似・非類似の結論がどうであったか学生に問いかけつつ、時には挙手を求めて、一方的にはならずかみ合った形の授業ができたと思います。
 授業終了後に学生が一人熱心に幾つもの質問事項を持って質問に来ました。

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