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パテントセミナー2012 姫路パテントセミナー 報告書

日  時 平成24年2月18日(土)午後2時~午後4時30分
場  所 姫路商工会議所
テーマ 医療特許と最近の話題
~iPS細胞関連特許の進展について~
講  師 弁理士 越智 豊 氏
受講生 13名
コメント  姫路パテントセミナーは、JR姫路駅から1km程の姫路商工会議所で行われました。当日の天気予報は「晴れのち曇り」だったのですが、開始直前に吹雪のような状態になり、外は非常に寒い一日でしたが、会場の中は熱い議論で盛り上がりました。
 ご講演は、まずiPS細胞とは何かから始まり、成人の皮膚細胞に4つの遺伝子を入れるだけで細胞増殖を繰り返し、さまざまな臓器や組織の細胞に変化する「多能性」を持った細胞であるiPS細胞について丁寧に解説いただきました。さらに、その研究の歴史、iPS細胞の特性、利点等について、京都大学の山中教授の研究を中心に紹介されました。
 次に、iPS研究の特許出願について、まず、京都大学の出願および権利化状況を請求項の内容まで詳しく説明いただきました。その上で、京都大学以外の大学や企業でのiPS研究や出願状況もふまえて、日本、欧州、米国での予想される権利範囲や今後の問題点について解説されました。現在のように新技術が日々生みだされ、特許出願が活発に行われている状況においては、京大特許のみですべてをカバーできるわけではなく、クロスライセンスやパテントプールも視野に入れた特許戦略が必要とのことでした。
 後半では、「iPS研究から派生する再生医療について、特許法上の問題点が再燃する可能性あり」とのことから、医療特許の問題点について解説いただきました。医療特許については、各国間でその基準が統一されているわけではなく、日本の特許法上でもまだまだ判断されるべき難しい問題があることをご指摘いただきました。医薬品や医療機器など国際的な競争が激しい分野において、日本の産業の発展が阻害されることがないよう、医療特許について今一度議論が必要との意見は大変説得力がありました。
 医師でもあり、かつ弁理士としてのご活躍もされている越智先生のご講演は、iPS研究という医療専門分野についてわかり易く解説されるだけに留まらず、医療現場に携わる医師の視点と、特許制度に深い見識を有する弁理士としての視点の両方から、医療特許という大きな問題にまで踏み込んだ大変有意義なものでした。講演の後半開始すぐの時間や講演終了後には出席者からさまざまな質問があり、その質疑応答もまた示唆に富む時間でした。宇治委員長が最後に述べられたとおり、まさに、外の寒さを忘れる「白熱教室」となり、参加された方たちから、「大変勉強になりました」「日本の医療産業で働く者としてがんばります」等の声をいただきました。




講師:越智 豊 氏


会場の様子

執筆者: 近畿支部知財制度普及委員会 立川 伸子


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