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「知財授業報告書」奈良県智辯学園奈良カレッジ中学部

日  時 平成23年5月14日(土) 10:00-11:30
場  所 奈良県智辯学園奈良カレッジ中学部
名  称 「知的財産特別授業」
内  容 『“豊富な発泡”へのこだわり ~「きき湯」の知的財産権~』
『世界を変える最新技術
~「天然ガス採掘を支える油井管(ゆせいかん)」の知的財産権~』
対  象 3学年19名
担当部署 日本弁理士会近畿支部 知財制度普及委員会
コメント  智辯学園奈良カレッジは、金剛生駒紀泉国定公園の中に建てられた小中高一貫教育の学校です。このたびは、中学部で、色々な分野の専門家による特別授業を集めた「土曜講座」を開くので、その中の1講座として知的財産および弁理士をテーマとする授業をしてほしいというご依頼があり、千原弁理士、吉岡弁理士、私(小石川)の3名で出向きました。
 「土曜講座」は、生徒達が興味のある授業を1つ選択して受講するようになっていました。魅力的なテーマを掲げた授業がたくさんある中で、「知的財産」というテーマに関心をもって集まってくれた生徒達だったのですが、冒頭の「弁理士を知っている人?」の問いかけに手をあげてくれた生徒は、なんとゼロ・・・まずは、講師一人一人の自己紹介がてら、弁理士という職業を簡単に説明するところから授業は始まりました。
 つぎに、千原弁理士が、知的財産にどのようなものがあるかを、具体例をあげながら紹介しました。続いて、私の方から、生徒達にも身近なものと思われる鉄道用のICカードに関する技術を紹介し、開発により生み出されたアイデアを特許により守ろうという取り組みがたくさんの企業で行われている、という話をしました。
 その後、知的財産支援センターで新しく製作された知財授業コンテンツの『きき湯』と『油井管』とによる話を順に行いました。
 『きき湯』は株式会社バスクリンが開発した炭酸ガス系の入浴剤を取り上げたもので、『油井管』は、住友金属株式会社が開発した天然ガス採掘用のパイプ(「超高強度耐サワー低合金鋼油井管(ゆせいかん)」という名称のもの)を取り上げたものです。2つのコンテンツは、いずれも、開発に至った動機、実用化にこぎつけるまでの苦労、その苦労の末に生まれた発明の内容、そして知的財産権を取得する取り組みなどを紹介した上で、知的財産権を取得する必要性をわかりやすい言葉で説明するように構成されています。
 コンテンツ作りに関わった千原弁理士と吉岡弁理士がそれぞれ『油井管』『きき湯』を担当し、製作に取り組む過程での苦労や知財授業への想いを結実させた素晴らしい語りをしてくれました。
 このほか、特許の出願をするには発明を文章で表現しなければならないこと、価値の高い権利をとるにはこの文章化での工夫が必要であること、弁理士の日常の仕事はどのようなものか、などの話をしました。「発明の文章化」については、イメージしやすいように、実際の特許公報のサンプルも見てもらいました。
 90分という中学生には長丁場の授業でしたが、生徒達は、授業を楽しんでくれたようでした。背筋を伸ばし、真剣な眼差しを講師に向けながら聴いている子や、うなずきながら一心に聴いてくれる子がこんなにいようとは・・・嬉しき想定外でした。授業後のアンケートにも、殆どの生徒が「知的財産権のこと、弁理士のことが良くわかった。」と答えてくれ、余白にもたくさんのメッセージを書いてくれました。
 豊かな自然の中に佇む円形校舎の美しさと共に、心に残る授業でした。



興味津々の生徒達に講義を行う講師陣
(左写真左から 小石川 由紀乃、吉岡 亜紀子、千原 清誠 各弁理士)

※「きき湯」「バスクリン」は株式会社バスクリンの登録商標です。



近畿支部知財授業担当 小石川 由紀乃


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