支部長あいさつ

平成30年度　日本弁理士会　近畿支部　支部長　吉田　稔

　平成３０年４月１日より、昨年度に引き続き、日本弁理士会近畿支部の支部長を務めさせていただきます、吉田　稔と申します。就任にあたり、ご挨拶を申し上げます。
　
　日本弁理士会近畿支部は、日本弁理士会の地域組織として、近畿２府４県で活動する全ての弁理士（約2,600名）で構成されており、会員の品位保持・資質向上のための活動を行うほか、組織としてのソフト・パワーを活かし、近畿地域の知的財産を通じた活性化にこれまで以上に貢献したいと考えております。

　弁理士は、特許、意匠、商標等の知的財産に関する専門家として、唯一、国から資格を与えられております。それ故に、弁理士は、国民の皆様の信頼・負託に応える責任があります。日本弁理士会近畿支部は、これまで以上に、近畿圏のユーザの皆様に信頼され、ご要望にお応えすることができるよう、会員の品位保持・資質向上のため各種事業を継続・発展させて参ります。

　近畿地方は、「ものづくり」を支える中小・ベンチャー企業が多く集積しています。近畿地方の産業・経済が発達し、我が国の発展につなげていくためには、これら中小・ベンチャー企業に元気になっていただくことが必要です。一説によりますと、知的財産を保有する企業は、そうでない企業と比較して相対的に業績が優れることが明らか、とのことです。ところで、昨今の特許出願件数の推移をみますと、ここ１０年は減少傾向にありますが、地方創生や、地域知財活性化の掛け声の下での様々な施策の効果により、最近は、中小・ベンチャー企業の出願件数は増加に転じてきております。この傾向を確かなものとするために、「知財のすそ野」をさらに広めることが必要です。

　このことに鑑み、日本弁理士会近畿支部は、（１）知的財産コンサルティングが可能な弁理士の育成・増員、（２）知財総合支援窓口への常駐弁理士の派遣、（３）常設無料相談室の運営、（４）海外知財情報や海外出願費用援助情報等のセミナーによる提供、その他各種イベントを通じ、また、昨年７月にグランフロント大阪内に開設された「ＩＮＰＩＴ（独立行政法人　工業所有権情報・研修館）近畿統括本部（ＩＮＰＩＴ－ＫＡＮＳＡＩ）」を中心とする知財関連団体・組織が行う各種事業ヘの協力を通じ、これまでにも増して、「知財のすそ野」を広げるべく努力をして参りたいと存じます。

　どうぞ、よろしくお願い申し上げます。