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講師派遣報告書 和歌山県高等学校教育研究会工業部会「工業高校における知的財産について」

執筆者:原 晶子

日  時 令和3年8月20日(金)午後1時~2時30分
場  所 和歌山県立和歌山工業高等学校(和歌山市西浜3-6-1)
主 催 和歌山県高等学校教育研究会工業部会
対象者 工業科教員30名
テーマ 工業高校における知的財産について
講 師 原 晶子 会員(登録番号18163)
内 容  知財の基本知識が少ない初級者向けに、知的財産の概要、知的財産に関する事件、知的財産に関する動向、及び、工業高校の出願について話して欲しいということでした。
 初めに、知的財産の基本的な事項について、知的財産・知的財産権とは何か、特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権で何が保護できるのか、各権利はどのようにして権利が発生するのか、各権利はどのくらいの期間存続するのかを実例を挙げて説明しました。また、特許権と実用新案権の違いについて説明しました。
 続けて、知的財産に関する最近の動向について、出願件数、登録件数、登録率について説明しました。また、特許に関しては、近年の第4次産業革命により、AI・IoT関連発明の特許出願が増えていることを説明し、どのような技術的アイデアがAI・IoT関連発明として特許出願されているのかを事例を挙げて説明しました。意匠に関しては、建築物の意匠や内装の意匠が新たに意匠登録出願できるようになったことを説明しました。商標に関しては、色彩のみからなる商標や音商標が新たに商標登録出願できるようになったことを説明し、実際に商標登録されている事例を紹介しました。
 続けて、知的財産に関する訴訟の実態について、訴訟に至る流れ、訴訟件数、及び、実際の訴訟の事例について説明しました。また、学校においては、著作権侵害について気を付けた方がよいことを、事例を挙げて説明しました。
 最後に、工業高校の出願について、パテントコンテスト・デザインパテントコンテストの紹介とともに、各コンテストで選考されて工業高校の生徒によって実際に特許出願及び意匠登録出願が行われたアイデアを紹介しました。
 質疑応答では、著作権に関して、最近流行りのSNSを利用する際にどのような点に注意すべきかといった質問が出ました。著作権の話も含めたことで、知財を身近に感じて興味を持って聞いていただけたと思います。これを機に、知財に関して関心を深めていただければと思いました。