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特許出願手続(出願後)について

Q出願の分割について教えて下さい。
A

(1)出願の分割について
出願の分割とは、二以上の発明を含む特許出願の一部を新たな出願とすることを言います。分割された新たな出願は、所定の要件を満たすことで、原出願(分割の元になる出願)の出願時に出願したものとみなされます。

(2)出願の分割の必要性について
「物」と「その製造方法」等、発明の単一性を満たす一定の関係にある複数の発明は一出願することができます(特許法第37条)。しかし、一旦出願した後になって、やはり別出願にした方が良いと考える場合や、単一性を有さない複数の発明を誤って一出願の特許請求の範囲に記載した場合等、特許出願の一部を分割して新たな出願とすることで不都合を解消できます。拒絶理由の応答として、拒絶理由が解消できる補正(例えば、拒絶理由が指摘されていない従属請求項に請求項1を限定する等)により元出願により確実に権利化を図っておきつつ、権利範囲の広い出願当初の請求項1を分割出願で別途争うということもできます。また、特許請求の範囲を拡大できないような補正の制限がある場合等には、分割出願を行うことでより広い範囲の権利を取得する可能性を残すことができます。

(3)出願の分割の時期的条件
[1]明細書、特許請求の範囲又は図面について補正ができる時又は期間、[2]特許査定謄本送達後30日以内(一部例外有り)、[3]最初の拒絶査定謄本送達後3ヶ月以内に限られます。なお、補正ができる時又は期間についての詳細は、「手続の補正について」の項をご覧下さい。

(4)出願の分割のその他の条件
a. 分割出願の「特許請求の範囲」に記載された発明は、原出願における出願当初の明細書又は図面に記載されていたものでなくてはなりません。したがって、原出願の明細書又は図面に記載されていない発明を分割出願とすることはできません。
b. 原出願の「特許請求の範囲」に記載された発明と分割出願の「特許請求の範囲」に記載された発明とが重複しないようにしなければなりません。そのため、分割出願を行った場合、通常は原出願の明細書又は図面を補正します。この補正は分割出願と同時に行う必要があります。
c. 分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面は原出願について補正できる範囲のものでな くてはなりません。したがって、分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面が、原出願の出願当初の明細書、特許出願の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でないものを含んでないことが必要となります。

(5)分割出願の条件に違反した場合の取扱い
分割出願の条件に違反した場合、その分割出願は原出願時に出願したものとはみなされず、現実に分割出願を行った時に出願されたものとして新規性や進歩性の判断が行われます。その場合、分割出願が原出願の公開より後にされた出願であると、原出願により分割出願が拒絶されることになるので権利化できません。

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