意匠法上、工業上利用することができる意匠で、所定の登録要件を満たすものが意匠登録の対象となります。よって意匠登録を受けるためには意匠法上の意匠を構成するものであることが必須となります。
ここで「意匠」とは、簡単に言えば物品の形態であって目で見た時に「美しいな」と感じるものをいいますが、物品と言えるためには有体物でかつ市場で流通する動産である必要があります。従って不動産/電気、光などの無体物/粉状物/ひとつの物品の一部分などは原則として物品と認められず意匠登録の対象とはなりません。ただしひとつの物品の一部分については、その部分についてのデザイン創作を保護すべきという観点から平成10年の法改正にて部分意匠として登録の対象となりました。また形態とはその物品自体の形状、模様、色彩又はそれらの組合せをいい、物品そのものが有する特徴、性質から生じる形態である必要があります。従って例えばハンカチという物品を販売展示目的で折りたたんでできた花の形態はハンカチという物品自体の形態とは認められず意匠登録の対象とはなりません。
次にタイプフェースや携帯電話の液晶表示、アイコンなどが意匠登録の対象となるかどうかについてですが、原則としてタイプフェースやアイコン自体では物品を特定できないため意匠登録の対象とはなりません。しかし携帯電話の液晶表示についてはその液晶画面に表示されている画像が携帯電話という物品の形態であるため部分意匠として意匠登録の対象となりえます。実際に意匠登録が認められています(登録第1075910号)。
さらに、平成19年4月1日から、物品がその機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像で、物品に表示されるもの(例えばメニュー画面や初期画面)も、部分意匠として登録が受けられるようになりました。
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