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意匠の国際登録制度について

Q意匠の国際登録制度(2015.5.13~)について説明してください。
A

 意匠の国際制度とは、我が国で2015年5月13日にジュネーブ改正協定が発効し、各国別に行っていた出願手続きを一元化して、WIPO国際事務局への1つの出願手続きにより、協定に加盟している国の内、指定した国にそれぞれ出願した場合と同等の効果を得ることができる意匠の国際出願及び国際登録システムです。
 所定様式の書面若しくはE-Filing(インターネットによるオンライン出願)によって、WIPO国際事務局に対して出願を行うだけで良いため、各国別への出願が不要となる点で手続き的にメリットがあり、基本的に現地代理人を介さずに出願を行える点でコスト的にもメリットがあります。
 国際出願を行うとWIPO国際事務局によって方式審査が行われ、出願書類に不備がなければ国際登録され、国際出願日が国際登録日となります。国際登録日から原則6ヵ月が経過すると、WIPOのウェブサイト(Hague Express)において出願した内容が公表され(国際公表)、その後、指定した各国で方式審査(書面等の形式審査)、実体審査(新規性等の審査)が行われます。
 実体審査がない国の場合、国際公表から6ヵ月以内に拒絶通報(我が国でいう拒絶理由)がなければ、国際登録日から指定した国で登録の効果が発生します。実体審査がある国の場合、国際公表から12ヵ月以内に拒絶通報がなければ、国際登録日から指定した締約国において登録の効果が発生します(実際には、国際公表後に実体審査が開始され、12ヵ月以内に拒絶通報があると指定した国の官庁に対して反論を行い、拒絶が解消すれば登録されて権利が発生することになります。)。
 登録後は5年ごとの更新で、指定した国が許容する存続期間(日本であれば登録から20年、アメリカであれば登録から15年)、権利を維持することができます。
 ただし、世界共通の意匠権が発生するわけではありませんので、権利の効力範囲等については、各国の法律に基づくことになる点は注意して下さい。

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