ホームページ(以下、HPとします)のURLは、そのHPのアドレス(存在場所の情報)にすぎず、そのHPの内容を複写したり改変したりするものではないので、著作権の侵害ではありません。
HPの著作者はそのHPの内容を公表するか否かを決定する権利(これを、公表権といいます)を持ちますが、いったんインターネット上にそのHPを公開した後は、誰でも自由にそれを閲覧することが可能であり、著作者はそれを制限できません。このため、他人がリンクを張ることも自由に行うことができます。
「当HPにリンクを張る場合は事前に連絡ください」という表示を見かけますね。これは、ネットワーク上の礼儀についての「お願い」と見てよいでしょう。
ただし、下記のようなリンクは、法的な問題が生じる場合があります。
(1)相手先のHPの全部または一部を、自己のHPの一部と組合せて表示させる場合
フレーム分割などを用いるとこのようなことが可能ですが、これは、相手先のHPを自己のHP内に組み込むことになりますので、複製権などを侵害する可能性があります。
(2)相手先のHPの一部が自己のHPの一部であるかのようにユーザ(閲覧者)に誤解させるような場合。
例えば、
A社のHPの中で、B社のHPの一部のページに(外部リンクであることがわかりにくい態様で)リンクを張ると、あたかもそのページもA社が提供しているHPの一部であるかのような誤解をユーザに生じさせることになり、B社のHPの著作権を侵害する可能性があります。
(3)不当な複写とともに行う場合
B社のHPの内容を適正な引用の範囲を超えて自己A社のHP上に複写して公開し、その内容がB社のものであることを明記してリンクを設けておいても、著作権法違反となります。これは、リンクの部分が問題なのではなく、引用の適正な範囲を超えていることが問題なのです。リンクを設けたとしても、その違法性が消えるわけではありません。
上記の他、他人のHPの閲覧が、その他人が意図しない態様で行われる可能性が高い態様でのリンクは著作権上の問題が生じる可能性があります。
なお、他人のHPの内容を批判することは、その内容や態様によっては、名誉毀損や不正競争の問題が生じることもありますが、著作権法上の問題ではありません。
関連
|