あなた(Aさん)は、ホームページに掲載して公開した時点でその情報が営業秘密(「営業機密」と同じ)であり、不正に入手されたということを知らなかったわけですので、法律用語で言うところの「善意」(事情を知らないこと)に該当し、法律上の責任を問われることはありません。
ただし、不正入手の事実を知った後には、あなたのホームページからその情報をすみやかに削除する方がよいでしょう。理由は次の通りです。
不正競争防止法第2条第1項第9号では、「あなたAが営業秘密を不正取得した友人Bからその情報を得た時点では善意であっても、それが友人Bの不正取得によるものであるという事実をあなたAが知った後にあなたAがその情報を開示することは違法である」としています。ホームページの場合には継続的に公開状態とされるため、あなたAがホームページにその情報を掲載したままにしておくと営業秘密を知る第三者がどんどん増えてゆくことになり、それによってX社の被害が拡大する可能性があります。あなたAは既に「不正取得があったという事実」を知ってしまったのですからそのような被害の拡大を防止する責任があると言えます。
情報はいったん開示されてしまえば、2回目に同じ情報を開示しても新たな内容を公開するわけではないため、1回目の開示だけが問題であるという考え方もありますが、実際には1回目の開示ですべての人がその情報を知ってしまうわけではなく、2回目以後の(ないしは継続的な)開示によってその情報を知る人が生じる可能性があります。このため、そのような継続的なホームページ掲載とX社の被害拡大との間に因果関係があると認められれば、あなたAは法的な責任を負う必要が生じることになります。
なお、友人Bの行為は、その営業秘密を不正に取得して他人(あなたA)にそれを開示する行為ですので、不正競争防止法第2条第1項第4号によって違法とされます。
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