米国特許基礎セミナー 報告書 第3回
日 時 | 平成23年3月15日(金)午後3時~5時30分 | ||
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会 場 | 学校法人常翔学園大阪センター 毎日インテシオ3階 301・302会議室 | ||
テーマ | 112条(開示要件・実施可能要件等)とIDS制度 | ||
講 師 | 米国ニューヨーク州弁護士 矢部 達雄 氏 | ||
コメント | 米国ニューヨーク州弁護士の矢部達雄先生を講師に迎えて、全4回シリーズの「米国 特許基礎セミナー」を1月から開催しております。今回は第3回目として、米国特許法 第112条の規定とIDS制度についてご講演を頂きました。 具体的な内容は以下の通りです。 1.米国特許法第112条第1項~第6項 2.IDS制度について 1.では、第112条第1項の開示要件、実施可能要件およびベストモード開示要件について、最近の判例紹介を含めて懇切な解説を頂きました。特に、2010年のCAFC大法廷におけるAriad判決が開示要件の解釈に大きく影響していることを強調されました。 第2項(明瞭性)では、新しい用語の使用、相対的な表現、Product-by-Process クレー ム、Use クレームについて、具体的な説明を頂きました。Product-by-Process クレーム では、CAFC大法廷のAbbott判決の紹介がありました。 第3項~第5項については、簡単な説明がありました。 第112条第6項のMeans-plus-Function クレームの権利範囲については、均等物と の関係を含めて詳しく解説して頂きました。 USPTOが、今年の2月9日に発令した「112条の要件に対する補足ガイドライン」 の原文と矢部先生が作成された要部の和訳が追加資料として配布されました。第2項と第 6項との相互関係の整理などが解説されています。 2.では、IDSの制度趣旨の説明から始まり、出願から特許証発行までの4つのステージにおいて、どのようなIDS手続を取るべきかについて、実務的な説明を頂きました。 今回のセミナーも、前2回のセミナーと同様に、会場はほぼ満席でした。矢部先生の講義は、豊富な実務経験と緻密な調査活動に裏付けられており、聴講者にはきわめて有意義なものであったと思われます。次回は非自明性(進歩性)についての講義が予定されています。
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(書記:櫻井雄三)