知財フェスタ in おおさかの報告
日 時 | 平成19年11月10日(土) 午後1時~5時15分 |
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場 所 | たかつガーデン 8階 たかつの間 |
主 催 | 日本弁理士会、日本弁理士会近畿支部 |
後 援 | 特許庁、近畿経済産業局、大阪府、中小企業基盤整備機構、他 |
テーマ | 「石油エネルギーに代わる人工光合成技術の未来」 |
内 容 | 講演・パネルディスカッション 講 師 小夫家芳明 氏(京都大学エネルギー理工学研究所 講師) 田中 晃二 氏(自然科学研究機構 分子科学研究所教授) 荒川 裕則 氏(東京理科大学工学部第一部 工業化学科教授) パネリスト 小夫家芳明 氏(学者) 田中 晃二 氏(学者) 荒川 裕則 氏(学者) 吉田 悟 氏(中小企業アドバイザー) コーディネータ 矢野 壽一郎(弁理士・近畿支部長) |
聴講者数 | 171名 |
コメント | 現在、次に目指すべき開発目標が存在しなくなっている産業界において、世界が開発競走に邁進することが明瞭で、未だ開発がなされていない技術として、植物の葉の葉緑素が行う『炭酸ガスの固定化技術』である『人工光合成』の技術がある。 今般、我が国の技術者が一斉にこの技術の開発に向かうことができる、基礎的な開発内容を広く提供することを願い、人工光合成技術に関わる学者による講演会と、この夢の技術を中小・ベンチャー企業の事業化に生かす道を探るパネルディスカッションを柱とする『知財フェスタ in おおさか』を開催した。 当日は、中小企業者や大学関係者など多方面から、171名の参加者があった。このテーマはまだ一般には未知の技術であり、実際どの程度人が集まるものかとの懸念はあったが、当日、遠くは北海道、仙台、熊本から、朝一番の飛行機で来たという参加者もあり、その関心の高さに驚いた。 プログラムとして、大学共同利用機関法人分子科学研究所の田中晃二先生が「エネルギーサイクルと人工光合成とについて」、京都大学エネルギー理工学研究所の小夫家 芳明先生が「人工光合成の解決すべき問題点について」、東京理科大学の荒川裕則先生が「水の太陽光分解による水素製造」と、講師各位が異なる切り口での講演をいただき、その後に中小企業アドバイザーである吉田 悟氏に入っていただいてパネルディスカッションを行なった。 関心のある参加者が多かったためか、各講演やパネルディスカッション毎に設けた質問時間には多くの質問が出され、講演会終了後に開催した交流会にもその雰囲気は持ち越されたようで、なごやかな中にも非常に活発な意見交換と交流が行われた。 次世代の大きな開発テーマである『人工光合成』についてシンポジウムを開催し、成功裡に終わりましたことは、近畿支部の活動としてひとつの大きな成果であったと考えている。今後も機会があれば取り上げていくべきテーマである。 |

文責 矢野 壽一郎