平成25年度 弁理士の日記念行事 (兵庫地区) 報告
日 時 | 平成25年7月7日(日) 午後2時10分~4時 |
---|---|
場 所 | 神戸酒心館ホール(兵庫県神戸市東灘区御影塚町1-8-17) |
運 営 | 兵庫地区会運営委員 是枝洋介、越智豊、羽柴拓司、河上哲也、西野卓嗣、山田晃、 佐原哲也、永井道彰、市川友啓、森定勇二、本間政憲、 明田佳久、山本岳美、長谷部政男 |
講演会 | 意外と身近な弁理士さん 知的財産の専門家の上手な活用法 第1部:創作・知財落語 第2部:商標の活用事例 第3部:きき酒会 |
講 師 | 犬飼 新平氏(犬飼特許事務所 所長弁理士) 安福 幸雄氏(株式会社神戸酒心館 代表取締役会長) 大谷 静夫氏(株式会社神戸酒心館) |
参加人数 | 60名 |
報告
弁理士の日 記念講演会(兵庫地区)
今年は、兵庫地区として、より個性的なイベントを開催しようということで、知的財産を題材とした落語(知財落語)を行いました。知財落語の演者は、天満家 志ん平氏でした。「天満家 志ん平」というのは、京都の弁理士 犬飼 新平氏(犬飼特許事務所 所長弁理士)の芸名です。犬飼氏は、弁理士業の傍ら、アマチュア落語会に所属し、自らの知的財産の知識や経験を元にして創作した知財落語を、定席や、各地の出前寄席でお話されております。今回は、犬飼氏の数ある創作落語の中から2席を本講演会でお話していただきました。

天満家 志ん平氏の高座
落語で知的財産を扱うというのも、非常に珍しいですが、現役の弁理士が、知財落語を創作し、話されたという点も、非常に珍しかったと思います。日曜日にもかかわらず、60名様にお越しいただきました。

会場全体の様子
1席目の知財落語は、切り餅事件を題材にして読点の有無が権利解釈に与えた影響を、弁理士と事務員が語り合う、というものでした。身近な食材である切り餅にも特許があり、読点という些細なことが権利解釈に大きな影響を与えることもある、そして、そのような特許や事件に弁理士がかかわっているということを、落語で面白おかしく伝えることができたのではないかと思います。
2席目の知財落語は、健康マッサージ器具メーカの社長が特許事務所を訪れ、ネーミングや商標登録出願について弁理士に相談する、というものでした。ネーミングの難しさや大切さだけでなく、弁理士は商標でも頼れる存在であることを、落語を通じて伝えることができたのではないかと思います。
弁理士の認知度を向上させる手法の1つとして、知財落語は、非常に有効であると感じました。

酒心館ホール
今回は、兵庫らしさ、という点にも着目し、日本酒の名産地の1つである灘五郷で、江戸時代から蔵元をされている株式会社神戸酒心館様のホールをお借りして、本講演会を開催いたしました。このホールは、酒蔵として使われていた建物を多目的ホールに改修したもので、都心の無機質な講演会場とは異なり、かつての酒蔵を彷彿とさせる古い大きな梁をはじめとして木材に包まれた優しい雰囲気の会場でした。

安福 幸雄氏の講演
今回は、株式会社神戸酒心館様に会場をお借りするだけでなく、株式会社神戸酒心館様の商標戦略について、代表取締役会長の安福 幸雄氏にお話をしていただきました。株式会社神戸酒心館様は、自社ブランド「福寿」のお酒を海外に輸出されています。安福氏には、「福寿」を海外で商標登録しようとした際の苦労話や、ノーベル賞の晩餐会で愛飲されるようになった経緯などをお話していただきました。
「福寿」を海外で商標登録しようとした際に、特許業務法人有古特許事務所の弁理士 小野正明氏が、実務を担当されました。今回は、弁理士の知名度向上や、弁理士を身近に感じていただくこともテーマの1つとなっていましたので、小野氏にも壇上に上がっていただき、安福氏のお話に合いの手を入れていただきました。講演者に淡々と話していただくよりも、講演内容がより理解しやすくなったと思いますし、弁理士の役割なども併せて理解していただけたと思います。
講演会の最後には、きき酒会を開催しました。参加者の皆様には、第2部で登場した「福寿」を3種類、味わっていただきました。お酒の解説を、株式会社神戸酒心館の大谷静夫氏にしていただきました。

大谷静夫氏の解説
お酒を飲みながら、兵庫地区会の運営委員らと、参加者との間で交流を図ることもできました。参加者の皆様には、知財を学んでいただいただけでなく、弁理士の身近さを感じていただけたと確信しております。
報告文作成者: 日本弁理士会近畿支部兵庫地区会運営委員
特許業務法人つばさ国際特許事務所 弁理士 長谷部政男