パテントセミナー2013 神戸パテントセミナー(午後の部) 報告書
日 時 | 平成25年10月19日(土)午後2時~午後4時30分 | ||
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場 所 | 神戸市産業振興センター | ||
テーマ | 「特許は事業の役に立つか?~失敗事例から学ぶ、特許の事業への役立て方~」 |
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講 師 | 弁理士 長谷部 政男氏 | ||
受講生 | 86名 | ||
コメント | 2013年度の神戸パテントセミナーの午後の部では、弁理士の長谷部政男先生をお招きして、「特許は事業の役に立つか?」というテーマでご講義いただきました。午前の部から続けて参加されている方も多く、大勢の方に受講していただきました。今回のテーマは、知財に携わる者としてはとても興味深いものであり、私自身とても参考になりました。 講義の前半では、まず、特許権の本質が、他社による特許発明の実施を排除する排他権であることについて解説いただきました。その後、ビジネス(事業)での特許権の活用方法及び特許権の種々の活用目的について、具体的な請求項と事例とを用いながら分かりやすく説明していただきました。特に、5つの失敗事例を用いて、各事例においてどのように対処すべきであったか等について解説いただきました。 講義の後半では、前半の講義を踏まえつつ、事業における戦略的なものの考え方についてのご講義でした。特に、部品メーカー・セットメーカー・ユーザ間において複数の企業が入り組んでいる産業構造の中で、企業業態に適した戦略的なものの考え方を具体的に説明していただきました。講義の最後では、事業のライフサイクル(研究段階、立ち上げ段階、成熟段階)における知財戦略について熱くご講義していただきました。 講義全体を通して、具体的な事例を用いて説明して頂きましたので、受講者は飽きることなく講義に集中することができたと思います。また、受講者の知財レベルには幅があったように感じますが、どのレベルの方にも興味のわく内容であり、かつ、理解しやすいものであったと思います。受講者の皆さんそれぞれが、事業と特許との関係について考えさせられるとともに一層深みのある知識を習得できたのではいかと思います。そういう意味でも、本講義は、非常に有益かつ聞き応えのあるものであったと思います。
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執筆者: 近畿支部知財普及・支援委員会 道坂 伸一