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三会による専門家講座報告書「神戸大学工学部」

日 時 平成26年6月12日(木)8:50~10:20(1時限目)
場 所 神戸大学 工学部
名 称 三士業(弁護士・公認会計士・弁理士)による実務家講座
~キヤノン事例を題材として~
内 容 日本において早くから知的財産の重要性を認識し、知財戦略を実行してきた「キヤノン株式会社の事例」を取り上げ、事業戦略に沿った①権利化、②権利の活用、③収益化について、その概要を説明した。
主 催 日本弁理士会近畿支部、大阪弁護士会、日本公認会計士協会近畿会
担当部署 日本弁理士会近畿支部 知財普及・支援委員会
対 象 工学部 学部生 3年生 80名
講 師 小野 敦史 氏(北辰特許事務所 弁理士) 
細井 大輔 氏(あらた法律事務所 弁護士)
海崎 雅子 氏(海崎雅子事務所 公認会計士・税理士)
報 告  今回の専門家講座は、神戸大学工学部における「工業所有権法」の授業の一コマにおいて開催したもので、知財の形成、活用、収益構造などについて、公認会計士・税理士の海崎氏、弁理士の小野氏、弁護士の細井氏にそれぞれの立場から解説していただいた。
 まず、海崎氏が、キヤノンの経営環境について、解説された上で、キヤノンの利益の推移と分析などを通して、消耗品の独占的販売を堅持する消耗品ビジネスモデルについて解説された。
 続いて、小野氏が、消尽論についてシャチハタ(登録商標)スタンプを例に挙げて、キャップの修理、インクのしみ出すゴムの修理が特許権の侵害になるかなどを解説された上で、キヤノンのインクカートリッジの特許に関して、インクの再充填の特許権侵害成立性について解説された。
 次に、細井氏が、インクタンク事件の概要、民事訴訟の流れ、原告被告の主張、裁判所の判断について解説された。
 今回の専門家講座について、学生にとっては身近なインクカートリッジの具体例を挙げた説明がわかりやすかったようであり、また、活発な質疑応答があり、アンケート結果も好評だった。大学側からも学部生の知財の重要性について認識が深まり、知的財産に係わる基礎的講義と事例研究を通じて、研究成果の社会的活用とイノベーションについての意欲の涵養を図るのに有意義であったとの評価をいただいた。

講座風景(海崎雅子氏)



講座風景(小野敦史氏)



講座風景(細井大輔氏)






    


報告者:知財普及・支援委員会 佐原隆一

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