近畿支部設立30周年 パテントセミナー2014 滋賀 午後の部 報告書
日 時 | 平成26年11月9日(日)14:00~16:30 | ||
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場 所 | コラボしが21 | ||
テーマ | 特許庁で10年間特許の審査をしてきたプロが教える賢い特許のとり方 | ||
講 師 | 弁理士 奥村 一正氏 | ||
受講生 | 89名 | ||
コメント | 今年で8回目を迎える滋賀でのパテントセミナー、午後の部では奥村一正先生をお招きして「特許庁で10年間特許の審査をしてきたプロが教える賢い特許のとり方」というテーマでご講義を頂きました。休日であるにも関わらず、空席が見当たらないほど多数の参加者にご来場を頂きました。 ご講義を頂いた奥村先生は、25年近く大手電機メーカーでご勤務され、その後10年間、審査官として特許庁にご勤務されたという、異色のご経歴の持ち主です。今回のご講義では、審査官としてのご経験に裏付けされた賢い特許の取り方を包み隠さずご伝授頂けました。出願する側と出願を審査する側、両方をご経験された専門家のお話を聞ける機会はそうそうなく、参加者にとり貴重な体験になったものと思います。 講義では、審査官も人間であることを奥村先生が繰り返し強調されていたことが印象的でした。審査官が属する組織やノルマなど、審査官の業務の実態を解き明かすことに始まり、審査官はどのように明細書を読み、先行文献調査を行うのか、また、審査官はどのように査定への道筋をつけるのか、ご自身のご体験も交えて詳しくお話を頂きました。審査の手順を知り、審査官の心理を知ることが明細書・請求項の強化や意見書等対応に、ひいては賢い特許に直結することが改めて強く感じられる、非常に密度の濃い内容の講義であったと思います。面接審査は審査官との意思疎通を図る有効な手段であるがゆえに、積極的に利用すべきであるとのご助言も、審査官をご経験された方の実体験に基づくものであるがゆえに、参加者も改めてその重要性を認識されたことと思います。 加えて、請求項の立て方次第で担当審査室が変わる可能性があること、審査官は三行クレームの特許査定に慎重であること、明細書に生じる誤字脱字の問題など、審査官をご経験されたが故の本音のお話も飛び出し、会場は驚きの空気に包まれていました。 奥村先生の参加者に語りかけるような穏やかな口調に参加者はぐいぐいと講義に引き込まれ、会場の熱気が冷める間もなく、気がつけば終盤の質問時間になっていました。講義終了後も挙手質問が多く飛び出し、時間を少々オーバーしても丁寧にお答えされる奥村先生の熱意がとても印象的でした。講義資料を余分に欲しいとの申し出が多かったことからも、今回の講義が参加者の心に残るものになったであろうことは想像に難くありません。 執筆者:近畿支部知財普及・支援委員会 大野 義也
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