セミナー報告書 「平成26年度中小企業向け知財支援セミナー」
日 時 | 平成27年2月27日(金)午前9時30分~午後5時 |
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会 場 | 梅田阪急ビルオフィスタワー26階 会議室 |
主 催 | 日本弁理士会近畿支部 |
対象者 | 一般、中小企業経営者など |
テーマ | 「会社を知財で盛り上げよう!~権利行使だけじゃない知財の使い方~」 |
講 師 | 第1講座 伊藤世子 会員 第2講座 中田洋二 会員 第3講座 植田吉伸 会員 第4講座 山崎理恵 会員 |
内容 |
1)第1講座(担当:伊藤 世子 会員) ・テーマ:「身近なヒット商品から学ぶ特許の活用~対外活動を盛り上げる~」 1.特許の基礎知識:特許制度と実用新案制度の概要説明 ①権利行使による活用例 ・コメント: スーパーなどで広く売られている商品を例に挙げて、その商品に含まれている特許について具体的に話をした。用途発明、選択発明などの説明は、知財実務の経験が少ない方には難しい内容だったかもしれませんが、具体的な商品や特許を例に挙げて説明したので、比較的とっつきやすかったのではないかと思う。ただ、受講者が、当初の申込み人数より減ってしまったことが残念だった。
【第1講座 講演風景】
![]() 2)第2講座(担当:中田洋二 会員) ・テーマ:「見直そう知財活動~社内を盛り上げる~」 1.知財活動とは ・講義及びグループワーク形式 企業内における知財活動は、日々の仕事と密接に関係しており、活動によって得られる効果を考えて実行していくことが大事であることを説明した。具体的には、アイデア等の掘り起し、特許等の調査、特許庁への出願に至る知財活動を通じてグループによる活動を展開することで、社員のコミュニケーションの活性化、技術・ブランド意識の共有、及び技術力の維持等の効果を得ることができる点を説明した。グループワークでは、予め準備したシンプルな建物模型を紙片によって補強し、更により改善できるアイデアについて議論して頂いた。 ・コメント: 知財活動は、仕事の一部として企業内で着実に取り組んでいくことが重要であり、この点について受講者にも共感を持って頂けた。また、グループワークでは、いろいろなアイデアを出し合って活発に議論して頂いたことで、課題等の共有や、コミュニケーションの活性化について体験して頂く良い機会となったのではないかと思われる。 ・次回以降の検討事項 第2講座のグループワークは、6グループ(各グループ4~5人程度)構成で行うことを想定していたが、今回は受講者数が8名で2グループの構成となった。グループ毎に様々なアイデアが出てくることを知っていただく上でも、受講者の確保を確実に行う必要があると思われる。
【第2講座 講演風景】
![]() 3)第3講座(担当:植田吉伸 会員) ・テーマ:「知財で取引先との関係をプラス方向に向ける戦略 1.知手財産権の使い方(ライセンス) ・競合企業からライセンス収入で稼ぐのは難しい 2.知的財産権の使い方(権利行使) ・日本企業による知財訴訟も増えつつある 3.取引先との関係を強化する ・顧客との境界部分に関する発明の特許をおさえる 4.中小企業の成功事例 ・ハードロック工業の事例 ・コメント: 具体的事例を用いて説明を行ったため、比較的熱心に耳を傾けてくださっている様子が見えた。
【第3講座 講演風景】
![]() 4)第4講座(担当:山崎理恵 会員) ・テーマ:「特許と意匠による知財戦略~権利化活動を盛り上げる~」 1.意匠とは? – 特許出願を考える ・コメント: ワークは、3名X3グループで行いました。他の講師の皆様が各グループに付いて一緒に議論してくださったおかげで、盛り上がって充実した内容になったと考える。時間的には、特許または意匠の一方だけでも十分であった。少し時間が足りなかった。
【第4講座 講演風景】
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総括コメント |
各講師ともに具体例を交え、理論に傾倒しすぎず、わかりやすいセミナーを実施していた。 特にグループワークは各グループとも積極的な議論がなされ、良い刺激になっていたかと考える。 また、昨年度実施した同様のセミナーの参加者や定期的に開催している知的財産権に関するセミナー in MOBIO Cafeの参加者とも異なる参加者が大半であった。さらなる知財支援活動のためにも今後も定期的に開催されることが望まれる。 ただし、参加者が昨年度より減少してしまっている一方で、当日キャンセル者も昨年度と同程度おり、告知方法をどうするか、当日キャンセルをどのように防ぐかが重要であると考える。 また、来年度以降もワンデーで行うのであれば、(年度末等を避けるなど)時期的な要件を考慮する、 キャンセル数も考慮に入れて募集者を募る等の対策も必要であると感じた。 |
(執筆者:知財普及・支援委員会 柳野嘉秀)