平成27年度弁理士の日記念事業 報告書
弁理士の日記念講演会の案内はこちら
日 時 |
平成27年6月27日(土)10:00~17:00 |
会 場 |
松下IMPホール(講演会の部)およびツイン21アトリウム(イベントの部) |
テ ー マ |
知財ふれあいフェスティバル |
概 要 |
講演会とイベント(詳細は各報告内容を参照) |
内 容 |
7月1日の「弁理士の日」を記念して、平成27年6月27日(土)に大阪ビジネスパーク内のIMPホールおよびツイン21アトリウムにおいて「知財ふれあいフェスティバル」を開催しました。前日に大雨が降り、フェスティバル当日の来場者数の減少が心配されましたが、幸いにも当日雨はあがり、丁度よいぐらいの曇り空のおかげで、講演会場のIMPホール、イベント会場のツイン21アトリウム共に多くの方が来場され、大変盛況なフェスティバルとなりました。
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◆講演会の部
日 時 |
平成27年6月27日(土)13:00~17:00
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会 場 |
松下IMPホール |
テ ー マ |
キャラクタービジネスから学ぶ著作権と知財戦略 |
概 要 |
[第1部 基調講演]
・基調講演1:キャラクターの保護と著作権
茶園 成樹 氏(大阪大学大学院高等司法研究科 教授)
・基調講演2:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン®におけるキャラクターライセンス契約の実務
北口 圭介 氏(株式会社ユー・エス・ジェイ法務部 課長)
[第2部 パネルディスカッション]
・ミニ講演1:ライセンシング・ビジネスの概要とその仕組み
谷口 香織 氏(一般社団法人日本ライセンシング・ビジネス協会 理事・ゼネラルマネージャー)
・ミニ講演2:著作権を補強する意匠と商標
松井 宏記 氏(レクシア特許法律事務所・代表パートナー 弁理士)
・パネルディスカッション
モデレーター:松下 正 氏(古谷国際特許事務所 弁理士)
パネリスト:茶園 成樹 氏、北口 圭介 氏、谷口 香織 氏、松井 宏記 氏(順不同)
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聴講者数 |
315名 |
内 容 |
講演会の部は、最初に日本弁理士会近畿支部・支部長 小森久夫氏より開会の挨拶があり、続いて第1部の基調講演を行い、休憩を挟んで第2部のパネルディスカッションを行いました。
第1部の基調講演1では、知的財産権に関する法学者であり、著作権についての第一人者でもある大阪大学大学院高等司法研究科 教授の茶園成樹氏より、「キャラクターの保護と著作権」と題してご講演をいただきました。
本基調講演では、キャラクターに関して、最も重要な法的保護手段であると思われる著作権法による保護の問題として、主として、ポパイ事件やキャンディ・キャンディ事件、ひこにゃん事件等のキャラクターに関する裁判例を紹介していただき、これらの判例を通じてどのようなキャラクターが保護されるか、あるいは誰が権利を有するか、いかなる内容の権利が与えられるか、どのようにして権利を活用することができるか等について解説していただきました。著作権の効力が及ぶ範囲が多岐にわたっており、他の法律によっても保護されている場合があるなど、著作権に馴染みが薄い一般の方々にとっても、大変参考になるお話だったと思います。
第1部の基調講演2では、キャラクタービジネスの第一線でご活躍されている株式会社ユー・エス・ジェイ法務部の北口圭介氏より、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン®におけるキャラクターライセンス契約の実務」と題してご講演をいただきました。
本基調講演では、2014年7月に、ハリー・ポッターのテーマパーク、「The Wizarding World of Harry Potter™」がオープンし、開業以来最高の入場者数を記録するなど、今話題のユニバーサル・スタジオ・ジャパン®の最前線についてご紹介いただくと共に、テーマパークにおいて米国ユニバーサル社をはじめとする様々なコンテンツホルダーから許諾を得て使用されているライセンス財産に係る契約実務を、ライセンシーの立場から解説していただきました。特に米国ユニバーサル社等とのライセンス契約は、その隅々に至るまで契約実務のノウハウが散りばめられており、また本件報告書にも記載することができないようなオフレコの話もご披露していただいたこともあり、著作権や契約実務に携わる方々に限らず、広く一般の方にも興味深い内容だったと思います。
第2部のパネルディスカッションでは、ミニ講演1として、ライセンサーの立場から、キャラクタービジネスのライセンス契約の第一線でご活躍されている一般社団法人日本ライセンシング・ビジネス協会の谷口香織氏より、「ライセンシング・ビジネスの概要とその仕組み」と題して、全世界に20兆円とも言われる巨大市場を持つライセンシング・ビジネスの全体像を俯瞰し、どのような仕組みでこれらの取引が行われているのか等について、知的財産権との関係にも触れながら、図解を用いてわかりやすく解説していただきました。
また、ミニ講演2として、特に意匠、商標の分野で広くご活躍されているレクシア特許法律事務所の松井宏記弁理士からは、「著作権を補強する意匠と商標」と題して、キャラクターを生み出し、そのキャラクターをビジネスに使用していく際に注意すべき点、著作権の弱点を補強するための商標権や意匠権の取得などについて、意匠と商標の活用事例を交えながら、法律家の視点より解説していただきました。
パネルディスカッションでは、著作権分野の専門家でもある古谷国際特許事務所の松下正弁理士をモデレータとし、上記4名の講演者との間で「キャラクタービジネスから学ぶ著作権と知財戦略」という切り口より、キャラクターの法的保護と実務上の問題点、キャラクター保護における著作権の本質と落とし穴、著作権を補強する他の知的財産権、今後の法的保護の課題などについて活発な討論が行われました。特に近年は単なるキャラクターの保護に留まらず、キャラクターに化体した信用を保護する必要性も増大していることから著作権のみでキャラクターの法的保護を求めるには限界があること、そしてそのような著作権を補強する他の法的保護として意匠権、商標権を活用することも有用であることから、キャラクタービジネスにおける弁理士が果たすべき役割が益々増大していると共に、弁理士への期待などについても指摘されました。独自性のある創作物を保護すると同時に、それに化体した信用も保護して行かなければならないというような新しいタイプの知財戦略を考える上で、今回のパネルディスカッションは大変参考になったのではないかと思います。
講演会の部の最後に、日本弁理士会・副会長の楠本高義氏より閉会の挨拶があり、盛況のうちに本講演会を終了することができました。
本年度の講演会の部は、一般の方々にとって極めて身近に存在しながら、実は弁理士にとって実務上ほとんど携わることがない著作権を題材に採り上げて講演会を行いました。その結果、多面的な保護の必要性を示す創作物(保護対象)においても、その保護から活用までの幅広くかつ複雑な知的財産戦略を考える良い機会を提供することができたのではないかと思います。また、長時間の講演会にもかかわらず、聴講者が最後まで熱心に講演に聞き入っていただいた様子からも、本講演会の内容が、皆様に対して有意義なものとなり得たのではないかと考えます。
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会場の様子 |
小森支部長の挨拶 |
五郎丸委員による司会進行 |
茶園氏の講演 |
北口氏の講演 |
谷口氏の講演 |
松井氏の講演 |
モデレーターの松下氏 |
パネルディスカッションの様子 |
楠本副会長の挨拶 |
会場 |
打合せの様子 |
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(講演会の部 執筆者:知財普及・支援委員会委員 赤岡和夫)
◆イベントの部
日 時 |
平成27年6月27日(土)10:00~17:00
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会 場 |
ツイン21アトリウム |
テ ー マ |
身近に楽しむ知的財産 |
概 要 |
[ステージ]
- ・サイエンスショー(1)世界一かんたんブーメラン
- ・君も今日からエジソン(寸劇)
- ・サイエンスショー(2)見える、見えないの不思議
- ・マスコットキャラクターと弁理士によるトークショー
[常設会場]
- ・発明工作教室
- ・クイズコーナー(はっぴょんの弁理士クイズ)
- ・キャラクター撮影会(はっぴょん、浜寺ローズちゃん、ビリケンちゃん)
- ・ブース展示1:知的財産権制度、弁理士の紹介
- ・ブース展示2:全国発明婦人協会による発明品展示
- ・ブース展示3:関西を代表する福の神・ビリケンさんの展示
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参 加 者 |
延べ約1500名 |
内 容 |
大阪ビジネスパーク内のツイン21アトリウムにおいて、「身近に楽しむ知的財産」をテーマとしてイベントを開催しました。「知的財産権」「弁理士」という言葉が一般の方に浸透していないことを知財授業やセミナーの際に感じていることから、今年度は講演会だけでなく「もう少し幅広い層を対象に普及活動をしよう」という趣旨で「家族全員で楽しめるイベント」を企画しました。具体的な内容は以下の通りです。
○サイエンスショー:
大阪市立科学館で行われるサイエンスショーの公演者(弁理士)が、数あるレパートリーの中でも人気のあるテーマを二つ選んで、午前と午後の2回実演しました。その豊富な経験を生かした絶妙なトークが、多くの子どもたちの興味を引きつけていました。ステージ前のイス観覧席よりさらにステージに近いところに子どもたちが直接座れるカーペットスペースを設けたことで、多くの子どもたちが飛んだり跳ねたりしながら楽しそうにショーを見ていました。
○知財授業・工作授業:
知財普及・支援委員会第2事業部会が、毎年小中学校で行っている知財授業と工作授業から、「寸劇(君も今日からエジソン)」と「オリジナル回転台を作ろう」を実施しました。本来は小学校高学年の児童を対象とした発明工作を、より小さな子どもたちにも、ご両親などのおとなと一緒にチャレンジしてもらうことができました。「参加者一人ひとりに個別に説明する」というきめ細やかな対応もあって、順番待ちの行列ができるほどの大変な人気コーナーとなりました。途中で作業のための机を一列増設し、手のあいている委員が講師に加わるなど臨機応変な対応の甲斐もあって、用意していた150セットがなくなるほどの盛況ぶりでした。
○マスコットキャラクター:
日本弁理士会から「はっぴょん」、浜寺ローズカーニバル(堺市)の「浜寺ローズちゃん」、通天閣公認のビリケンさんの着ぐるみが登場しました。「はっぴょん」と「浜寺ローズちゃん」の中には委員が入り、大変暑く視界が悪いにもかかわらず、写真撮影、ステージショー、と会場を大いに盛り上げてくれました。
○クイズコーナーと展示ブース1~3:
第1事業部会は、クイズコーナーとブース展示(知財制度の紹介)を担当しました。まるではっぴょんが問いかけているような楽しいクイズを解きながら、発明や特許制度、弁理士などを知ってもらうというこの企画は、参加者全員に簡単な賞品を用意したこともあって来場者に大人気でした。第3事業部会は、ブース展示2(全国発明婦人協会の会員による発明品の展示)とブース展示3(黄金のビリケン像とパネル展示)を担当しました。発明婦人協会による発明品の中には特許や実用新案を取得した力作も多くあり、来場者の方々も興味深そうに作品を見てまわっていました。一方、足裏をなでるとご利益があるというビリケン像は、100人を超える人たちが触ったそうです(ビリケン担当の警備員さん談)。
会場のツイン21アトリウムはかなり広いスペースでしたが、最初のサイエンスショーが始まる午前から多くの方が集まりました。特に、小学校や幼稚園ぐらいの子どもさんを連れた家族の参加が目立ちました。「お父さん、お母さんと子どもさん」という組合せはもちろん、お祖父さん又はお祖母さんとお孫さんなど、家族一緒にこのイベントを「身近に」楽しんでいただけたのではないでしょうか。
当委員会の第2事業部会では、近畿の小中学校・高校へ知財授業を年間40校以上行っていますが、それらの関係先の学校を中心にこのフェスティバルを紹介するチラシを配布しました。筆者の友人で家族を連れて参加した方が「学校からもらってきたチラシを見て、子どもが『こんな(発明)工作がしたい!』と言ったので連れてきました。やってみると、大人でも簡単ではないけれどとても面白かったです」と話してくれました。
さらに、はっぴょんの図柄のついた風船が、当日子どもたちに大人気でした。この風船欲しさに会場に立ち寄ってくれた親子連れも多かったと思います。色とりどりの風船が並んでいる様子が会場を華やかに際立たせ、遠目にも「何をやっているんだろう?」と来場者の興味を引いたことと思います。その結果、通行人を含む多くの方に参加していただくことができ、フェスティバルの成功につながりました。
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会場の様子 |
キャラクター撮影会の様子 |
会場の様子 |
サイエンスショー(1) |
サイエンスショー(2) |
君も今日からエジソン (寸劇) |
マスコットキャラクターと弁理士によるトークショー |
発明工作教室 |
ブース展示1 (知的財産権制度) |
ブース展示2 (全国発明婦人協会) |
ブース展示3 (ビリケンさん) |
クイズコーナー |
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(全体&イベントの部 執筆者:知財普及・支援委員会委員 立川伸子)
※「ユー・エス・ジェイ」及び「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」は
ユニバーサル シティスタジオズ エルエルシーの登録商標です。
「ビリケン」は田村駒株式会社の登録商標です。
「はっぴょん」は日本弁理士会の登録商標です。
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