パテントセミナー2015 和歌山 報告書
日 時 | 平成27年10月3日(土)午後2時~午後4時30分 | ||
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場 所 | 和歌山商工会議所 | ||
テーマ | 新しい商標及び、ハーグ協定のジュネーブ改正協定 | ||
講 師 | 弁理士 岡田 充浩氏 | ||
受講生 | 10名 | ||
コメント | パテントセミナー2015の和歌山パテントセミナーは、ご当地和歌山で商標・意匠についての実務を行っておられる、弁理士の岡田充浩先生を講師としてお迎えして、「新しい商標及び、ハーグ協定のジュネーブ改正協定」というテーマで、ご講演頂きました。 一次・二次産業の多い和歌山では商標登録が活発とのことで、新しいタイプの商標(以下、「新しい商標」といいます)が和歌山産業の活性化につながるのではないか、との期待が膨らみます。 岡田先生のご講演では、前半において、新しい商標の出願状況およびその内容を、タイプ別にご説明いただきました。今まで商標として取り扱われていなかったものを「商標」として取り扱う新しい商標の出願の可否については、各担当者が頭を悩ませているところですが、新しい商標が受付開始されてから数ヶ月経過した現段階で新しい商標の出願状況をご紹介いただけたことは、今後の新しい商標の出願の際の大きな指標になるものと思われます。 また、ご講演の前半部分では、それだけでなく、多数のグラフを用いて「和歌山の意匠・商標の現状の解説」についてご解説いただきました。和歌山向けのお話をふんだんに入れられたことでご講演内容に親近感が生まれ、受講生の理解度も高まったように感じます。 ご講演の後半部分では、新しい商標についての具体的な出願方法や、新しい商標についての審査基準の内容をご解説いただきました。「位置の商標と色彩の商標とを組み合せる」とのご提案や、位置の商標を、「部分意匠を商標に展開するツール」として用いるとのご提案は大変説得力がありました。新しい商標の実際の出願経験を踏まえ、審査基準等に非記載の留意点を多数含めたご講演は、大変有意義であったと思われます。また、ご講演の後半部分では、ジュネーブ改正協定についてポイント部分を中心にご解説いただきました。 ご講演の主要部分を前半にもってこられ、ご講演の後半はそれらの具体的な解説とされたことで、後半を気楽な気持ちで聴くことができました。このようなご講演の組立てとしていただけたことにより、受講生全員最後まで集中してご講演を聴くことができたように思われます。 今年も例年同様受講生の数は10名程度でしたが、受講生の皆さんからの質問も活発で、また、ご講演終了後は岡田先生の前に5名ほどの列ができました。アンケートでも、「とても満足している」にチェックをされた方が最も多く、受講生の満足度は非常に高かったものと思われます。 ご講演中に、岡田先生は、「新しい商標の審査結果はまだ出ていないので、それらの審査結果が一通り出た段階で続編(シーズン2)をやりたいですね」と仰せられていました。岡田先生の理路整然としたお話は、聴いている者を惹き付けます。続編を、今から楽しみにしています。 執筆者:五郎丸 正巳
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