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平成22年度弁理士の日 記念講演会 報告書

 

- 平成22年度 弁理士の日 記念講演会 報告書 -

 
「環境技術が創る未来」

 

  

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開催日時 平成22年6月26日(土)午後1時~午後4時30分(開場 午後0時)
会  場 松下IMPホール
開催内容 第1部 基調講演 午後1時~午後2時45分
【講演1】
 「ハイブリッド車「インサイト」の開発-Insight(先見性)という名に託したHondaの夢-」
 関 康成 氏((株)本田技術研究所四輪R&Dセンター インサイトLPL 上席研究員)【講演2】
 「知的財産による環境技術の保護と活用~京セラの太陽光発電事業と知財戦略~」
 竹宮 啓介 氏(京セラ(株)法務知的財産本部部品知的財産部長)
 
第2部 パネルディスカッション 午後3時~午後4時30分
【講演3】「低炭素社会構築に向けた今後の施策方向について」
 竹中 篤 氏(近畿経済産業局資源エネルギー環境部次長)
  パネリスト
    関  康成 氏
    竹宮 啓介 氏
    竹中 篤  氏
  コーディネーター
    上羽 秀敏 氏(弁理士 インテリクス国際特許事務所)
  講演者:伊藤 市太郎 氏
     (三好内外国特許事務所 所長代理 / 弁理士)
来場者数 532名
報 告  平成22年度弁理士の日記念講演会は、「環境技術が創る未来」というテーマで開催されました。講演者に、(株)本田技術研究所のインサイト開発責任者の関康成様、京セラ(株)の部品知的財産部長の竹宮啓介様、および近畿経済産業局資源エネルギー環境部次長の竹中 篤様をお迎えしました。また、コーディネーターに上羽秀敏弁理士をお迎えしました。雨天にも拘わらず、532名もの大勢の方々にご参加いただき、会場である松下IMPホールが参加者で埋め尽くされました。
 日本弁理士会近畿支部支部長 板谷康夫の開会挨拶の後、2つの基調講演がありました。1つ目の基調講演では、関様に、ホンダの環境への取り組み、ハイブリッドシステムの内容、インサイト開発のエピソードなどをご披露いただきました。そのご講演は、動画を用いたわかり易いものであり、インサイト開発への熱い想いが窺える内容でした。
 また、2つ目の基調講演では、竹宮様に、京セラ(株)の太陽光発電事業の内容、および太陽光発電事業の知財戦略についてご披露いただきました。太陽電池の種類・原理・変遷などを丁寧にご説明いただくとともに、京セラ(株)独自のコア技術の知財保護についても詳しくご説明いただきました。
 2つの基調講演の終了後、休憩を挟んでパネルディスカッションに移りました。竹中様、関様および竹宮様にパネラーとしてご参加いただきました。討議に先立って、竹中様から、低炭素社会、新エネルギー、今後の施策方向などについてご講演いただきました。約30枚のスライドを用いた大変充実した内容でした。このご講演の内容をベースとして、上羽弁理士のコーディネートの下、討議が行われました。
 前半では、環境技術の将来像について、具体的には、電気自動車開発の課題、「家電メーカーが自動車を作る時代が来るか否か」などについて議論が交わされました。また、後半では、環境技術の保護について、具体的には、環境技術における特許とオープンイノベーションの関係、環境技術の標準化などについて議論が交わされました。開発・知財・行政それぞれの視点から多彩な意見が出され、広がりのある活発な議論が展開されました。これらの議論は、参加者にとって聴き応えのある内容であったと思います。
 パネルディスカッションの終了後、日本弁理士会副会長 稲岡耕作の閉会挨拶があり、講演会は盛況のうちに終了しました。
 今年度の講演会で特筆すべき点は、参加者に占める学生の割合が高かった点です。それは実に10%を超えておりました。これは例年にはない傾向です。若い学生の方々に、知財制度および弁理士をアピールすることができたと思います。
 講演会終了後のアンケートでは、「タイムリーな講演内容で有用だった」、「技術視点を主としつつそれに知財を絡ませた内容でよかった」などの回答が寄せられ、参加者にとって有意義な講演会であったことが窺えました。
 
 

執筆者:知財制度普及委員会委員 五郎丸正巳


    

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