パテントセミナー2016 滋賀 午前の部 報告書
日 時 | 平成28年11月12日(土)午前10時~12時30分 | ||
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場 所 | コラボしが21 | ||
テーマ | 外国で賢く権利を獲得するテクニック! ~各国制度を徹底的に使いまくり低コストで効率的に特許を獲得する~ |
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講 師 | 弁理士 後 利彦氏 | ||
受講生 | 59名 | ||
コメント | パテントセミナー2016の滋賀午前の部では、弁理士の後利彦氏をお招きして「外国で賢く権利を獲得するテクニック!~各国制度を徹底的に使いまくり低コストで効率的に特許を獲得する~」というテーマでご講義いただきました。 講義ではまず、外国特許の必要性及び国内外の出願動向について各種統計資料に基づく説明がありました。日本から外国への出願件数は増えているものの、グローバル出願率は欧米と比較してまだまだ低く、グローバル化における日本の遅れがよく分かりました。特許査定率については米日中では差異がないものの、欧州が依然として厳しいことがわかりました。 次に、米欧中における特有の制度と留意点について話がありました。米国については、BRIや限定要求、選択要求、継続出願の種類等についての説明があり、限定要求時等における応答テクニックについては日常業務において役立ちそうでした。欧州については、1カテゴリ1独立クレームの原則や補正時における予備的請求等についての説明がありました。また、Brexitが欧州単一効特許について与える影響やEPCとEU、UPC協定の関係を整理して話され、中国については、誤訳の問題を考えるとPCTの利用価値が高いことが理解できました。 最後に、米欧中における審査対応実務テクニックについての説明がありました。米国についてはインタビューを有効利用することの重要性の説明があり、Examiner Ninja等の活用方法は特に興味深く、現在継続中の案件について調べてみようと思いました。欧中については、我が国よりも厳しい補正制限や自己衝突についての説明があり、理解し難いpoisonous divisionについても分かり易く説明して頂きました。 冒頭で「教科書に書いていてあることはお話しません」と言われていたとおり、実務者目線でのレベルの高い講義内容であり、受講者にとって非常に参考になったと思われます。 執筆者: 岸本 忠昭
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