セミナー報告書 「平成29年度 第2回中小企業向け知財支援セミナー」
日 時 |
平成30年2月26日(月) 午前10時30分~午後4時40分 |
場 所 |
日本弁理士会近畿支部 会議室 |
主 催 |
日本弁理士会近畿支部 |
後 援 |
近畿経済産業局、INPIT近畿統括本部、
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 近畿本部 |
テーマ |
知財を組み合わせて事業を発展させよう |
講 師 |
第1講座 南 力
第2講座 松下 正
第3講座 田中 信治
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参加者 |
34名(一般、中小企業経営者) |
内 容 |
(1)第1講座「知財ミックスの基本」
・内容及びコメント:
知財の基礎から説き起こし、知財ミックスとは何かをIPランドスケープの紹介も交えながら説明された後、周知の商品数例を取り、それらが特許、実用新案、意匠、商標のどの権利を取得しているか参加者に考えさせて、知財ミックスが実行されていることを認識させた。次いで、知財ミックスの費用、知財ミックスの検討の仕方、知財ミックスを行って成功した事例12例、業種別の知財ミックス活用の傾向を説明があった。最後に税関での模倣品の排除には特許権よりもむしろ意匠権、商標権が有効であることが紹介され、知財ミックスの重要性が説明された。知財ミックスの基礎として広い範囲の知見が紹介され、興味深く分かりやすい講演であった。
【第1講座 セミナー風景】
(2)第2講座「IoT関連ビジネスの知財ミックス保護」
・参加者数:33名
・内容及びコメント:
IoTとは何か、またIoTビジネスの例から説き起こし、まずIoT特許について説明があった。特に進歩性の有無について、いくつかの架空の発明例を示し、それぞれの例において進歩性が認められるか否かを参加者に考えさせていた。また欧州および米国の進歩性の考え方についても紹介された。次いでIoTの意匠、特に画像の意匠について、関連意匠や部分意匠による権利範囲の拡大手法も交え紹介され、特許と意匠のミックスの有効性について述べられた。次いでIoTにおける商標について、最初にGORE-TEX社のテクニカルブランディングについて特許と商標の巧みな組み合わせにより特許権消滅後も永くブランドの維持に成功した例が紹介された。最後にIoTにおける知財ミックスの活用の仕方についてまとめられた。たいへん興味深く分かりやすい講演であり、アンケートでもテクニカルブランディングの話は好評であった。
【第2講座 セミナー風景】
(3)第3講座 「特許?機能性表示?商標?知財を組み合わせて食品の差別化を図ろう!」
・参加者数:26名
・内容及びコメント:
食品業界の知財の現状から説き起こし、他業種に比べ特許は少なく商標が多いことが紹介された後、食品の機能性表示について特定健康食品制度ならびに機能性表示制度が紹介された。次いで機能性食品の知財事例を数例紹介され、食品の用途発明について登録が認められるものと認められないものの線引きがどこにあるかの説明があった。最後に知財ミックスが活用されている事例が紹介された。
機能性食品の知財についての講演は少なく、アンケートでは大変参考になったという記載が多かった。
【第3講座 セミナー風景】
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(執筆者:近畿支部知財普及・支援委員会 萩森 学)
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