パテントセミナー2018 大阪応用編 第1回 報告書
日 時 | 平成30年10月13日(土)午後2時~4時30分 |
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場 所 | TKPガーデンシティPREMIUM大阪駅前 |
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テーマ | これまでと、どこが違う?人工知能・IoT技術のビジネスを守る知的財産とは? | ||
講 師 | 弁理士 酒井 將行 氏 | ||
受講者 | 115名 |
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コメント | パテントセミナー2018の応用編第1回目は、弁理士であり、人工知能の研究所で知財を担当しておられる酒井將行氏をお招きして「人工知能・IoT技術のビジネスを守る知的財産」というテーマでご講義いただきました。受講者も115名を超える大勢の方々にご参加いただきました。 講義はまず、酒井氏のバックグラウンドに基づき、日本におけるこれまでの技術標準化を主とした知財戦略と現状について解説され、ハードウェアを得るビジネスから、データを用いたサービスを主体とするビジネスへの大きな変化を、具体例を含む特集番組の映像を交えて印象付けられておられました。 講義では次に、データを用いたサービスの成功例を挙げ、サービス全てについて保護した場合にはサービスの普及が妨げられるところ保護すべき部分が巧く守られている点を説明いただきました。具体的には、スマートフォンのOSを無料で提供してエンドユーザの増大を図りつつOS上で動作するアプリ開発のために必須となる一部のソフトウェア技術を強固に守ることで継続的に利益を確保できるビジネス手法を挙げられました。IoTにおけるセンサデータの取得の難しさを、センサを搭載した部品の製造業者が製品を買い取り、顧客へリースするビジネスによって解決する例も挙げて説明されました。また、2016~2017年にかけて行なわれて注目を浴びたフィンテックに関する裁判における原告の特許、双方の主張を紹介しながら、どのように権利化すべきかのヒントを提示されておられました。具体的且つ身近で興味を惹かれる内容でした。 知財による保護の方法の答えを提示するのではなく問題を提起するという応用編らしい講義内容となりました。受講者の方々は、酒井氏のお話によって有意義な時間を過ごされ、また提起された問題に対し、今後の知財による保護の方法について夫々考えを巡らせながら帰途に着かれたのではないかと思います。 執筆者: 八木 まゆ
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