パテントセミナー2018 兵庫 午前の部 報告書
日 時 | 平成30年12月1日(土)午前10時~12時30分 |
||
---|---|---|---|
場 所 | 三宮コンベンションセンター |
||
テーマ | 米国先進企業のAI特許を通じて学ぶ米国でのAI特許権利化のポイント | ||
講 師 | 弁理士 河野 英仁 氏 | ||
受講者 | 54名 |
||
コメント | パテントセミナー2018兵庫の午前の部は、弁理士の河野英仁氏に、「米国先進企業のAI特許を通じて学ぶ米国でのAI特許権利化のポイント」というテーマで講義いただきました。50名を超える受講者の方々にご参加いただき、AI特許についての関心の高さを改めて感じました。 河野弁理士は、講義の最初に、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク等のAI技術の基礎知識について、説明されました。 その後、河野弁理士は、各国のAI特許動向についての分析をされました。この分析において、河野弁理士は、米国や中国に比べて、日本におけるAI特許の登録件数がまだ少ない点と、日本における機械学習関連の特許出願の特許査定率が90%近い点について強調され、是非、権利化の確率が高い今のうちに、AI特許の出願をするべきであると力説されました。 次に、河野弁理士は、Google、Amazon、BioCatch、Zest Finance、Microsoft、NAUTO、GONG、IBM、GE等の多くの会社の特許の事例を参照して、AI特許発掘のコツについて、説明されました。その説明において、河野弁理士は、未だ具体的なネットワークが完成していなくても、入口と出口(入力と出力)の部分(特に、ユーザインタフェース)が確定したら、アイデア段階で、どんどん特許出願すべきであり、実装の際に考えた工夫は、周辺特許として追加で出願すべきであると述べられました。そして、入出力の部分(特に、ユーザインタフェースの部分)だけで、特許を取得することが望ましいという点を力説されました。 また、河野弁理士は、米国出願のビジネスモデル特許やソフトウェア特許において問題となっている101条(特許保護適格性)拒絶が、何故か、AI特許に対しては、発せられないという点を指摘した上で、「機械学習分類器」等のAI特許のキーワードを記載することで、101条拒絶を回避できる可能性が高いという見解を述べられました。 そして、最後に、河野弁理士は、まとめとして、「1.ビジネスモデルを競合(他社)より早く押さえること」、「2.実装段階での周辺特許を押さえること」、及び「3.発明者への啓蒙活動」が大事であるという見解を述べられました。 今回のセミナーは、AIベンダー等のIT業界の方は勿論、AIベンダーが開発したAIアルゴリズムを利用する側の業界(IT業界以外の業界)の方にとっても、AI関連発明の掘り起こしのコツを掴める有意義なセミナーであったと思います。 執筆者: 水田 愼一
セミナー風景 |