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「三会による大学生を対象とした専門家講座」 報告書

日 時 平成30年12月19日(水)午後1時30分~3時10分
場 所 大阪工業大学 大宮キャンパス
主 催 日本弁理士会近畿支部・日本公認会計士協会近畿会・大阪弁護士会(三会)
テーマ 財務・知財・法務から学ぶブランドの基本
~ファッション業界の事例を参考に~
講 師 弁理士 田中 成幸 氏
公認会計士 豊田 孝二 氏
弁護士 清原 直巳 氏
対 象 知的財産学部学生他 125名
担 当 日本弁理士会近畿支部 知財普及・支援委員会
内 容  今回の実務家講座は、昨年より同大学の学生に向けて実施している講座を引き続き開催するもので、知財関連授業の1コマにて、ブランドに係る知財の形成、活用、保護、収益構造などについて、公認会計士、弁理士、弁護士の立場から解説を行った。
 具体的な内容としては、ファッション業界の事例を取り上げ、ブランドについて①ビジネスモデル・ライフサイクルから見た考え方、② 権利の取得、③ 権利の保護・対策について、弁理士、弁護士、公認会計士の三士業がそれぞれの観点からその概要を説明した。
 まず、豊田氏が、ビジネスにおける三士業の役割、公認会計士の役割・仕事について解説した。また、トヨタを例に財務諸表について概説するとともに、売上拡大、利益増大、企業価値の増加・維持にブランド保護の必要性を解説した。そして、高級ブランド(ルイ・ヴィトン)とファストファッションブランド(ZARA)は高収益性で共通し、商品ライフスタイルでは相違する比較分析を示し、商品ライフサイクルに応じた知財戦略と企業や商品のブランドの維持・棄損防止が重要・必要である等といった解説を行った。
 続いて、田中氏が、弁理士の役割、主要な知的財産法を概説した。また、ブランドについて解説を行い、ブランドに深く関わる商標法と意匠法に沿って出願から登録まで詳しく解説した。そして、商標権・意匠権を用いたファッション業界における保護戦略について、ルイヴィトン・エルメス(高級ブランド)、ZARA・GAP(ファストファッション)を例に商標登録、意匠登録の具体的データを示し保護戦略の違いを解説した。まとめとして、ファッション業界における商品の特徴に応じ、意匠登録と商標登録の必要性を説明した。
 最後に、清原氏が、ブランドに関しての弁護士の役割として、商標権・意匠権がある場合と無い場合について模倣品対策として取り得る法律による保護について説明するとともに、裁判例を用いた不正競争防止法によるブランドの保護、税関による差止め措置について解説を行った。

報告者:知財普及・支援委員会 外山 毅




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