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パテントセミナー2019 滋賀 午後の部 報告書

日  時 令和元年11月30日(土)午後2時~4時30分
場  所 コラボしが21
テーマ 特許侵害訴訟への対応と戦略
講  師 弁護士・弁理士 辻村 和彦 氏
受講者 42名
コメント  パテントセミナー2019の滋賀午後の部は、弁護士・弁理士の辻村和彦氏をお招きして「特許侵害訴訟への対応と戦略」というテーマでご講義いただきました。講義は、最近あった大阪地裁の裁判例を題材にして、実際よりも争点をシンプルにし、デフォルメした内容での特許侵害訴訟シミュレーションという形で進められました。
 講義では、まずは、原告からの相談の概要について説明された後、対象特許の内容、被告製品の構成、特許発明の構成要件と被告製品の構成の対応関係、対象特許と公知資料との対比検討、被告製品の販売態様、損害額の概算検討等、訴訟提起前に検討すべき一連の事項について、具体的な技術内容を示しながら説明されました。
 そして、いざ訴訟提起すると決断した場合には、主張立証に障害がある可能性について十分な検討をすることが大事であり、このような否定的検討を行うことで、侵害論のターゲットを明確に定めることができるとのお話がありました。特に、今回の事例では、特許の対象が表示器とそれに用いるソフトウェアに関係してくることから、直接侵害ルートと間接侵害ルートの双方から検討することが必要であること、その上で、最も有効と考えられる主張を採用すべきことを説明されました。
最後に、訴訟提起後の進行見通しについて、審理モデルに沿って、準備書面の作成から弁論準備手続き、裁判上の和解、損害論の審理までご説明いただきました。
今回の講義は、様々な論点を含む非常に内容の濃い講義であったにもかかわらず、実際の事件を題材にして時系列で進められたことから、受講者の皆さんは引き込まれるようにして聞き入っていたように思われました。

執筆者:関西会知財普及・支援委員会 成田 謙也







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