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パテントセミナー2021 第8回 報告書

日  時 令和4年2月12日(土)午後2時~3時40分
場  所 オンライン形式(Zoomによるオンラインセミナー)
テーマ 意匠権による建築物、インテリア、画像の効果的な権利化
講  師 大阪工業大学大学院 教授 山田 繁和 氏
受講者 114名
コメント  山田氏は、特許庁の審査官、審判官、審判長として一貫して意匠の審査、審判に携わってこられ、意匠法の改正にも関与された方です(2017年から研究休職、大阪工業大学大学院教授として出向)。セミナーはまずわが国での模倣の現状について税関での知財侵害品の差し止め状況から始まりデザインの模倣品が特許侵害品よりもはるかに差し止めが容易であること、デザイン模倣の刑事事件の紹介と続きました。そして住宅や内装デザインおよびウェブサイト上の画像の模倣例が示されました。次いでビジネスマネジメントと知財マネジメントとして特にデザインマネジメントと意匠権の活用について事例を用いて説かれました。最後に2020年改正意匠法について、関連意匠の変更、建築物の意匠および物品を離れた画像が保護されるようになったことについて解説されました。関連意匠については関連意匠にのみ類似する意匠も関連意匠として認められるようになり本意匠の出願後10年まで関連意匠を出願できるようになったが、関連意匠にのみ類似する出願を繰り返せば却って本意匠の類似範囲を狭めることになることが指摘されました。また建築物の意匠や画像の意匠は外国では保護対象にはなっていないので、マドプロで海外でも権利取得を考えるのであれば従来通り組み立て家屋や物品に表示される画像としても登録しておくべきであり、国内のみの権利取得で足りるならば建築物や内装あるいは画像の登録も有効であるとのことでした。質問は4件あり、回答が終わったところで丁度終了時間となりました。条文を読むだけでは分からない注意点や意匠権の活用法を知ることができ有意義なセミナーでした。


執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 萩森 学


講師:山田 繁和 氏 会場の様子




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