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パテントセミナー2022 第5回 報告書

日 時 令和4年11月19日(土)午前10時~11時40分
テーマ 第5回「外国出願戦略
~米国・中国・欧州・アジアにおける外国特許出願・審査対応の実務~」
形 式 Zoomによるオンラインセミナー
講 師 弁理士 後 利彦 氏
受講者 125名
内 容   パテントセミナー2022の第5回は、後利彦弁理士をお招きして「外国出願戦略~米国・中国・欧州・アジアにおける外国特許出願・審査対応の実務~」というテーマでご講義いただきました。
  講義の前半は、知財の初心者を対象に、何故外国にも特許出願をする必要があるのかという内容で、特許権が属地主義であり、もしも日本にしか特許が無い場合にはどのような結果になるか事例を上げて説明され、そして、外国出願をする際にはどのような国に出願すべきかを先生の経験から解説をされました。外国出願の必要性やどのように保護すべきかを事例を上げながら分かりやすく解説され、受講者も理解が深まったのではないかと思います。
講義の中盤では、先ず日本から外国への出願の手続(PCTルート、パリルート)きを解説され、それぞれの手続きのメリット、デメリット及び注意しなければいけない国などを説明されました。その後、米国、中国、欧州などそれぞれの国に移行する際の注意事項(クレームの制限やクレーム数など)、優先権の活用方法、早期審査制度など詳細に説明されました。弁理士が聞いていても、再度確認できるほどまとまっており受講者も非常に勉強になったのではないかと思います。
講義の後半では、日本も含めた審査段階での各国の違いを説明され、その中でも米国、欧州、中国、インドでの審査段階の違いと注意すべき内容を詳細に説明されました。アメリカと日本の違いとして、アメリカは全出願審査であり、情報開示義務、限定要求、継続審査制度があり、各制度を事例を上げながら分かりやすく説明されました。欧州や中国に関しては、日本やアメリカと違い補正制限や自己衝突があることを解説されました。最後にインドで特許を取得する際の留意事項として、審査制度、分割出願、特許要件などが異なることを分かりやすく説明されました。各国の審査段階での必要な知識が網羅されており、受講者にとっては非常に有益な時間ではなかったかと思います。

以上

(執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 田中 信治)

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