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パテントセミナー2022 第10回 報告書

日 時 令和4年12月3日(土)午後2時~3時40分
テーマ 第10回「知財関係契約の基礎と実務ポイント~秘密保持、共同開発における権利帰属の留意点~」
形 式 Zoomによるオンラインセミナー
講 師 弁理士 冨田 光治 氏
受講者 148名
内 容   パテントセミナー2022の第10回目は、冨田 光治弁理士をお招きして、表題のテーマでご講義いただきました。
前半では、最初に、契約の基礎についてお話いただきました。ここでは、契約の法的根拠および契約交渉から締結に至るまでの各段階における留意点について簡単にご説明頂きました。次に、秘密保持契約における留意点についてお話しいただきました。ここでは、他社との協業開始において締結される秘密保持契約の主要規定の解説と実務上の留意点についてご説明されました。秘密情報を目的外で使用されることを防ぐために、「目的」および「秘密情報の範囲」を明確に規定することが重要であるとのことでした。また、社内での秘密情報の拡散を防ぐためには、開示対象者を限定することおよび複写・複製については承諾なしにはできないように規定することが重要であるとのことでした。
後半では、共同開発契約についてお話しいただきました。ここでは、共同開発の「対象」および契約当事者の「役割分担」を明確に規定することが重要であるとのことでした。また、開発成果の発表は、新規性を失わせてしまう行為となりこれが特許取得の可否に影響を及ぼすので、勝手に発表されないように発表の際には事前に承諾を得るよう規定しておく必要があるとのことでした。なお、材料メーカーと完成品メーカーが完成品の製造技術に関する共同開発契約を行う事例を紹介され、開発成果を実施するために材料の購入や販売先を第三者と行うことを制限する規定を設ける際は、独占禁止法も頭に入れておく必要がある点についてご説明されました。

以上

(執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 謝 博超 )

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