パテントセミナー2022 第12回 報告書
日 時 | 令和4年12月10日(土)午後2時~3時40分 |
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テーマ | 第12回「事例から学ぶ著作権(実践入門編)こんな相談があったら法務部としてどう回答する?」 |
形 式 | Zoomによるオンラインセミナー |
講 師 | 弁理士 松下 正 氏 |
受講者 | 137名 |
内 容 |
パテントセミナー2022の第12回は、ソフトウェア特許や著作権を特にご専門とされている松下正弁理士をお招きして、「事例から学ぶ著作権(実践入門編)こんな相談があったら法務部としてどう回答する?」というテーマでご講義いただきました。 講義の最初に、聴講者のレベルを確かめるアンケートを取られました。講義では法務部員が困ることという観点で実例を通じて説明されました。 前半はまず、デッドコピー品について時計のデザインの訴訟を例にお話しされました。著作権に関しての判断の仕方として「濾過テスト」と「二段階テスト」の説明がありました。この訴訟の裁判所の認定を説明され、具体例を通じて著作物性と著作権違反となる類否の考え方を説明されました。次に、写真の著作物の著作物性についてお話をされました。訴訟になったいくつかの例を挙げられ、被写体の平面か立体かの違い、写真のそのまま使用と自己撮影の違い、被写体と撮影条件の扱いなど、色々な判断要素の組み合わせたケースをご紹介されました。 後半では、まずカラオケ法理について説明がありました。これはカラオケスナックの著作権侵害についての事例判決が、その後多くの事件に適用されているというものです。侵害の主体の認定によって要件や例外適用が変わり、これで侵害かどうかが変わります。適用事例として自炊事件、ロクラク2事件、そして最高裁判決で話題となった音楽教室事件についてご説明されました。つづいて平成30年改正によって包括的規定ができた例外規定についてのお話がありました。最後に法務部員としての対応姿勢について述べられました。 具体的な例をとり、考え方まで丁寧にお話しいただけましたので、聴講者にとって理解しやすく深いところまでよく分かる有益なご講義だったと思います。質問も全てに答えられないほどたくさん寄せられました。 |
以上
(執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 今井 寛二)