令和4年度 中小企業向け知財支援セミナー 報告書
主 催 | 日本弁理士会関西会 |
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後 援 | 近畿経済産業局 (独)工業所有権情報・研修館 近畿統括本部 (独)中小企業基盤整備機構 近畿本部 (公財)大阪産業局 |
日 時 | 令和5年2月9日(木)午後1時~4時15分 |
形 式 | Zoomによるオンラインセミナー |
テーマ | 事業を守るために知っておくべき技術保護 |
講 師 | 第1講座 弁理士 原 晶子 氏 第2講座 弁理士・弁護士 三品 明生 氏 |
参加者 | 148名 |
内 容 |
令和4年度中小企業向け知財支援セミナーは、事業を守るために知っておくべき技術保護をテーマとして、第1講座に弁理士の原晶子先生をお招きして①『技術を守るためにやっておくべきこと』についてご講義いただき、第2講座に弁理士・弁護士の三品明生先生をお招きして②『特許権の行使の仕方と守り方』についてご講義いただきました。 ① 第1講座 講義前半は、「技術とは」「保護可能な技術」について、様々な事例・具体例を使って紹介してくださいました。世間一般によく知られたヒット商品を用いて説明してくださったので、知財に馴染みのない受講者にとっても理解しやすかったのではないかと思われます。 中盤・後半は、まず「保護すべき技術と保護の必要性」を解説された後、主題である実際の技術の保護の方法や、技術の管理体制、取得できる権利の対比、技術調査方法等について具体的に解説くださいました。技術保護として企業の知財部員が考慮しておきたい内容でした。特に、「権利取得にするかノウハウとするかの対比」「取得できる権利の使い分け」等は、中小企業の技術保護の観点からは押さえておきたいポイントだったと考えます。最後に、「技術は会社の財産(知的財産)であって保護を検討すべき」等、簡潔に要点をまとめてくださったので、非常に分かりやすかったです。 講義全体としては、技術保護に関しての知財戦略のエッセンスが網羅されており、受講者にとって有意義な内容であったと思われます。 ②第2講座 講義前半は、まず、「特許権を使ってできること」として、差止請求、損害賠償請求および刑事告訴が可能であることをご説明いただきました。また、「紛争の流れ」として、侵害品発見場面の具体例に続いて、その後の警告書送付に伴う当事者間のやりとり、訴訟提起に伴う裁判手続に分けてご説明いただきました。警告書に記載すべき内容、その警告書に対する回答書に記載すべき内容といった実務上の重要事項だけでなく、これらのやりとりにおける特許権者および被疑侵害者の思惑など当事者の心理的な側面もご紹介いただきました。裁判手続についても、訴状の送付から判決にいたるまでのフローを、三品先生の経験談を交えながらご説明いただきました。 講義後半においては、「被疑侵害者としての注意点」をご説明いただき、特に、紛争を避けるための行動として、事前調査の重要性、他社出願の動向調査、自社技術の出願、自社開発工程におけるタイムスタンプ管理など、重要ポイントをご紹介いただきました。また、「特許権者としての注意点」もご説明いただき、特に、安定した強い権利を取得するためのポイントをご紹介いただきました。 以上 |