「三会による大学生を対象とした専門家講座」 報告書(大阪工業大学)
日 時 | 2022年12月21日(水)午後1時30分~3時10分 |
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場 所 | 大阪工業大学 大宮キャンパス 133号教室 |
主 催 | 日本弁理士会関西会・日本公認会計士協会近畿会・大阪弁護士会(三会) |
テーマ | 財務・知財・法務から学ぶブランドの基本 ~ファッション業界の事例を参考に~ |
講 師 | 弁 理 士 豊岡 大志 氏 公認会計士 杉田 完二 氏 弁 護 士 矢倉 雄太 氏 |
対 象 | 知的財産学部学生 約120名 |
内 容 |
今回の実務家講座は、2017年より同大学の学生に向けて実施している講座を引き続き開催するもので、知的財産学部2年生向け通年科目「展開ゼミナールb」のうちの1コマとして、ブランドに係る知財の形成、活用、保護、収益構造などについて、弁理士、弁護士及び公認会計士の立場から解説を行った。 具体的には、ファッション業界の事例を取り上げ、ブランドについて①ビジネスモデル・ライフサイクルから見た考え方、②権利の取得、③権利の保護・対策について、弁理士、弁護士及び公認会計士の三士業がそれぞれの観点からその概要を説明した。 まず、公認会計士の杉田氏が、三士業の役割を簡単に説明したうえで、ビジネスにおける公認会計士の役割・仕事について解説した。次いで、財務諸表を概説するとともに、ファッションブランドを取り巻く経営環境を説明した。そして、営業とともにブランドも成長すること、他社ブランドを導入・展開するビジネスについてデサント、三陽商会などの具体例を挙げて説明があった。また、ブランド価値の維持について具体例に触れつつ公認会計士の視点から説明した。 続いて、弁理士の豊岡氏が、弁理士の役割、主要な知的財産法を概説した。また、ブランドについて解説を行い、ブランドに深く関わる商標法と意匠法に沿って出願から登録まで詳しく解説した。そして、商標権・意匠権を用いたファッション業界における保護戦略について、ルイヴィトン・エルメス(高級ブランド)、ZARA・GAP(ファストファッション)を例に商標登録、意匠登録の具体的データを示し保護戦略の違いを解説した。まとめとして、ファッション業界における商品の特徴に応じ、意匠登録と商標登録の必要性を説明した。 最後に、弁護士の矢倉氏が、ブランドに関しての弁護士の役割として、商標権・意匠権がある場合と無い場合について模倣品対策として取り得る法律による保護について説明するとともに、裁判例を用いた不正競争防止法によるブランドの保護、税関による差止め措置について解説を行った。 (報告者:知財普及・支援委員会 豊岡大志) |
(講義風景:上は弁理士、左下は弁護士、右下は公認会計士)