パテントセミナー2023 第9回 報告書
日 時 | 令和5年12月2日(土)午前10時~11時40分 |
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テーマ | 第9回「ビジネスモデル特許の実務と戦略~『モノ』から『コト』へシフトする時代に適した特許の取得方法」 |
形 式 | Zoomによるオンラインセミナー |
講 師 | 弁理士 上羽 秀敏 氏 |
受講者 | 82名 |
内 容 |
まず技術の発展という観点から現在はSociety 4.0情報社会からSociety5.0への 移行期で第4次産業革命が進行しつつありそのコアとなる技術はAIやビッグデータの活用技術であることから説き起こし、ビジネスモデル特許とはビジネス関連発明の特許であり、ビジネス関連発明として特許が認められるのは、ビジネス方法とICT技術の組み合わせた発明であることが示された。 次いで特許戦略について単一の特許で保護される医薬と、数多くの特許で保護される電化製品の例が示され、「コト」の時代の特許戦略が提案された。次いでビジネスモデル特許の出願件数、査定率、AI関連発明の出願の日本及び世界における近年の推移が示された。 次いでビジネスモデル特許が特許査定を受ける条件としてビジネス方法の新規性と進 歩性およびそのビジネスモデルを具現化する情報処理方法の新規性と進歩性の組み合わせで判断されることが示された。そして、登録されたビジネスモデル特許の実例が4件紹介されその特許請求の範囲のポイントが解説された。すなわち、各請求項で端末やサーバなどの使用する機器、サーバ制御方法などの方法、プログラム、ネットワークコンピュータシステムなど多面的にクレームされている。 また、ビジネスモデル特許の実例を調査するためにFIを用いる方法が説明された。 さらに、ビジネスモデル特許の権利保護の難しい点として、ユーザは国内にいるがサ ーバが海外にある場合や、ユーザのネットワークの使用は業としての使用ではない場合などが挙げられ、侵害訴訟の実例が紹介された。侵害を防止し、侵害を証明しやすくするためにクレームは多面的にすることが望ましいこと、情報処理方法の細部にまで踏み込まないことが賢明であることが説かれた。最後にオープンクローズ戦略が紹介された。 質問は9件され、全部に明快な回答がなされた。 以上 |