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セミナー報告書「令和5年度 第3回 知的財産権に関するセミナー in MOBIO-Café」

日  時 令和5年10月18日(水)午後3時30分~午後6時40分
場  所 クリエイション・コア東大阪南館2階 産学連携オフィス セミナールーム
主  催 日本弁理士会関西会、ものづくりビジネスセンター大阪(MOBIO)
テ ー マ 自社のアイデアや工夫を守る!
講  師 (株)大阪クリップ 企画開発部部長 糸井和生氏,弁理士 泉谷透氏
参加者 12名
内  容

 糸井氏より(株)大阪クリップ様の事業概要等を説明され、その後、文具業界及び(株)大阪クリップ様の特許、実用新案、意匠、及び商標の知財活用の方針について説明されました。特に、実用新案については、評価「6」を取得できるような出願を行うことで他者牽制を行っていることを説明されました。
 また、知財活用を取り組むきっかけとなった失敗談として、商談前の契約や自社での先行調査の甘さなども紹介され、場合によって特許事務所を活用することを推奨されました。さらに、(株)大阪クリップ様の実際の商品を用いて権利化された特許、実用新案、意匠について説明されました。
 糸井氏の説明の後、泉谷氏より、(株)大阪クリップ様の知財保護の取組の実例として、実用新案権を用いた模倣品排除、ECサイトでの侵害品排除の方法について具体的に説明されました。また、実用新案権を用いて差止請求等を行う場合に、評価「6」の実用新案権で権利行使を行う等の注意義務が必要であり、実用新案権に基づく権利行使にはリスクがあるため特許権取得が望ましいこと等を強調されました。
 続いて、ECサイトでの侵害排除の対応は主に商標権や著作権が対象であり、特許権はECサイト側が判断することが難しいこと、また、ECサイトで侵害品を見つけた場合は迅速にECサイトの侵害申告窓口へ申告することが重要であること等を説明されました。さらに、ECサイトの侵害申告窓口への申告からECサイト側の侵害品削除の対応、その後の侵害品出品者側から送られてくる共通したメール等、具体例を示して紹介されました。
 講義の後の質疑応答では3名の参加者からの質問を受け付けました。具体的には、自社の商標権が自社の販売サイトとよく似たサイトで使用されている場合の対応、著作権の定義、出願を依頼する場合の企業と弁理士とのやり取りについて質問され、これら各質問について泉谷氏より丁寧に回答されました。
 質疑応答の後は、モビオ内でコロナ後初めての交流会が1時間程度開かれ、講師の泉谷氏及び関西会弁理士2名を含む10名が参加しました。

コメント(所感・事業成果等)

  今回のセミナー参加者は12名とそれほど多くない人数でしたが、質疑応答では3名の参加者からセミナー内容に即した質問があり、参加者の関心の高い内容であったものと思います。交流会では、セミナー参加者同士、講師及び関西会弁理士と参加者同士が和やかに歓談しました。交流会の参加者の多くは知財部を持たない企業の方でしたが知財の活用について高い関心を持たれていると感じました。

以上
(執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 大塚 千秋)




【セミナー風景写真】

 

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