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「三会による大学生を対象とした専門家講座」 報告書(大阪工業大学)

「三会による大学生を対象とした専門家講座」 報告書

報告者:知財普及・支援委員会 黒川 陽一



日  時 2024年12月11日(水)午後1時30分~3時10分
場  所 大阪工業大学 大宮キャンパス
主  催 日本公認会計士協会近畿会・大阪弁護士会・日本弁理士会関西会(三会)
テーマ 知財・財務・法務から学ぶブランドの基本 ~ファッション業界の事例を参考に~
講  師 公認会計士 杉田 完二 氏 
弁 護 士 佐々木 崇人 氏
弁 理 士 黒川 陽一 氏
対  象 知的財産学部学生 100名
内 容  本講座は、2017年より同大学の学生に向けて開催されているものである。知的財産学部2年生向け通年科目「展開ゼミナールb」のうちの1コマとして、ブランドに係る知財の形成、活用、保護、収益構造などについて、弁理士、公認会計士及び弁護士の立場から解説を行った。

 具体的には、ファッション業界の事例を取り上げ、ブランドについて、①ビジネスモデル・ライフサイクルから見た考え方、②権利の取得、③権利の保護・対策について、弁理士、弁護士及び公認会計士の三士業がそれぞれの観点からその概要を説明した。また、昨年度のアンケート結果から、三士業のキャリアについて学生の関心が高く、今年度も各士業を志望した理由等も説明した。

 まず、弁理士の黒川が、弁理士の業務内容や現状、企業知財部と事務所の役割の違い、企業知財部・弁理士を目指した理由、弁理士になって感じるメリットについて説明した。また、ブランドの定義と、ブランドに深く関わる商標法と意匠法に沿って出願から登録までの流れを解説した。そして、商標権・意匠権を用いたファッション業界における保護戦略について、ルイヴィトン・エルメス(高級ブランド)、ZARA・GAP(ファストファッション)を例に商標登録、意匠登録の具体的データを示し保護戦略の違いを解説した。まとめとして、ファッション業界における商品の特徴に応じ、意匠登録と商標登録の必要性を説明した。

 次に、公認会計士の杉田氏が、三士業の各専門領域と関係性、公認会計士の業務内容、財務諸表、会計を勉強するメリットについて解説した。また、公認会計士から見た無形資産(≒知的財産)の評価について、無形資産の分類や評価方法を説明し、過去の買収案件の事例を用いて、財務観点から詳しく解説した。

 最後に、弁護士の佐々木氏が、弁護士の業務内容、弁護士を目指した理由、弁護士になった所感について説明した。また、ブランドに関しての弁護士の役割として、商標権・意匠権がある場合と無い場合について模倣品対策として取り得る法律による保護について説明するとともに、裁判例を用いたブランドの保護について解説を行った。


(講義風景)


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