①登録要件を満たさなければならない理由②3条1項3号及び4条1項16号③3条1項6号④4条1項11号とのことで、条文に沿って審決例を紹介されました。
①では、商標法第25条、第37条、36条の条文を提示しながら商標権の範囲は類似商標まで及ぶことや侵害を予防することができる強力な権利であることを述べられた。
②では、3条1項3号及び4条1項16号の条文を提示するとともに、拒絶理由通知において両条文が併せて適用される典型例として「近江チーズ」の紹介があった。また、拒絶査定不服審判における拒絶審決例として「きざみにんにく」、「北海道熊もなか」、「athleteChiffon」等の説明があった。さらに、両条文への対応策として、商標を造語にすることや取引者等の間で採用し得ないような表現を商標に加えることの提案があった。
③では、3条1項6号の条文を提示するとともに、拒絶査定不服審判における拒絶審決例として「鼻呼吸のススメ」等の説明があった。また、対応策として、商標を造語にすることや商標出願前に取引者間で使用されている事実にアクセス可能かを確認することの提案があった。さらに、事後的に識別力を失うリスクがあると述べられた。
④では、4条1項11号の条文を提示するとともに、拒絶査定不服審判において拒絶が維持された事例と拒絶が解消した事例の紹介があった。拒絶が維持された審決例として「百万石エビ」、「ExploreYourLife.」等の説明があった。一方、拒絶が解消した審決例として「小梅」等の説明があった。また、対応策として、商標出願前に先行調査を行うことや称呼同一の先行登録が見つかった場合には商標の変更を検討することの提案があった。さらに、称呼同一、称呼類似の商標について登録を受けた場合には、先行登録商標主との間でトラブルが発生するリスクがあると述べられた。
講義後の質疑応答では、受講者2名からの質問に対し回答された。
以上
(執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 寺薗 佳江)
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