11名の参加者を得て開催された。講義では、導入部分で、泉谷氏により、本セミナーは、INPIT、経済産業省所管の独立行政法人工業所有権情報・研修館が作成した教材である「知財マネジメント人材育成教材」の一部を抜粋して作成したもので、この教材に記載されている「ケース」は、実在企業の実際の事案を題材にしたもので丁寧な解説が記載されているので、これから海外展開をお考えの会社については、本教材を参考にされたらいいと思いますと話された。
そして、泉谷氏により、これから5つのケースについてそれぞれ説明していくので、メモを取って戴き、その後わたし(泉谷氏)から皆さんの意見を聞く方式で行っていきたいと説明された。
「ケース1」は、韓国模倣品の事例で、泉谷氏からの事例の説明後に、泉谷氏により「このような事態を防ぐためにはどうすればよいか?」等について、3名の参加者に意見を聞いたところ、参加者から「模倣品が作れないように構造以外の特許も取得することが必要」という意見や「商標権も取得することが必要」という意見や「韓国販売前に、他社の特許権商標権の侵害にならないかの調査が必要」など多くの意見があり、その意見について、泉谷氏により丁寧に回答されるとともに、不正競争防止法違反についても解説された。
ケース2は、ドイツ展示会に出品した後にドイツ展示会出品物を改良した他社代物が出現した事例で、泉谷氏からの事例の説明後に、泉谷氏により「このような事態を防ぐためにはどうすればよいか?」等について、2名の参加者に意見を聞いたところ、参加者から「展示会では、当社では写真撮影やメモ取りを禁止し、同業者かどうかを判断して説明する内容を変えている」という意見や「他社が製造しそうな改良発明を検討し特許出願することも必要」という意見や「出品物の中身を見せず、特にアルゴリズムが推測されるような内容は説明しないことが必要」など多くの意見があり、その意見などについて、泉谷氏により丁寧に回答されました。
ケース3は、加藤テックとドイツ大手企業A社との共同開発契約に関する事例で、泉谷氏からの事例の説明後に、泉谷氏により、「このような事態を防ぐためにはどうすればよいか?」等について、2名の参加者に意見を聞いたところ、参加者から「1ミクロン単位の接合技術完成後に、加藤テックの寄与分相当額を、A社からもらう契約すればよい」という意見や「1ミクロン単位の接合技術完成後に、将来それ相当分の十分な収入が入ってくるような契約にした方がよかった」など多くの意見があり、その意見について、泉谷氏により丁寧に回答されるとともに、共同開発の注意点についても詳細にわかりやすく解説された。
次に、ケース4は、中国企業との独占契約に関する事例で、泉谷氏からの事例の説明後に、泉谷氏により、「このような事態を防ぐためにはどうすればよいか?」等について、1名の参加者に意見を聞いたところ、参加者から「契約書の内容を翻訳して、ちゃんと確認することが必要である」などの意見があり、その意見について、泉谷氏は丁寧に回答されるともに、契約書は極力自社で作成した方がよいと説明された。
次に、ケース5は、インド模倣品がA社やB社と次々に出現されたがインド商品売上げが逆に伸びてきたという事例で、泉谷氏からの事例の説明後に、残り時間が少なくなってきたがセミナー後の「MOBIO内での交流会」は中止になったことから10分間講義を延長させて戴くと説明され、そして、泉谷氏により「このような状態でどのように行動すればよいか?」等について、参加者1名に意見を聞いたところ、参加者から「A社B社と特許ライセンスすることも考えられる」等の意見があり、その意見について、泉谷氏は丁寧に回答されるとともに、模倣品発見時の対策についても丁寧に解説された。
以上
(執筆者:関西会 知財普及・支援委員会 前田 健壱)
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