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パテントセミナー2009 兵庫(午前の部・午後の部)の報告

日  時 平成20年2月21日(土)
●午前の部: 午前10時~午後0時30分
●午後の部: 午後1時30分~4時00分
場  所 神戸市産業振興センター
テーマ ●午前の部
  模倣品を巡る判例と実務 ~裁判例から学ぶ模倣品対策を中心に~
●午後の部
  医療特許と最近の話題 ~iPSとその知財について~
講  師 ●午前の部  弁護士・弁理士 藤川 義人
●午後の部  弁理士 越智 豊
受講生 ●午前の部 49名
●午後の部 63名
コメント 午前の部は、日本弁理士会近畿支部知財制度普及委員による主催者挨拶に始まり、続いて「模倣品を巡る判例と実務」について藤川義人先生による講義がありました。この講義の前半では、「たまごっち事件」、「iMacパソコン仮処分事件」、「ギブソン・ギター事件」、「ヌーブラ事件」等の判例の分析を通じて、主に意匠権や不正競争防止法を用いた、形態模倣品への対応策についてお話しいだきました。このお話の中で、藤川先生は、ヒット商品の場合、模倣品に対する迅速な対応を行うことが重要である点や、事前に意匠権を取得しておくことが重要である点を強調されました。また、講義の後半では、商品形態の保護の関連制度に関するいくつかの論点について、説明していただきました。最後の質疑応答の時間には、企業の方々から多くの実務的な質問が出ました。日々模倣品に悩まされている企業の方々にとって非常に有用な講義であったと思います。
午後の部は、兵庫地区会会長(喜多秀樹会員)による挨拶の後、「医療特許と最近の話題」について、現役の医師でもある越智豊先生による講義がありました。越智先生は、講義の前半で、他の多能性(万能)幹細胞に対するiPS細胞の優位性について分かり易く説明された後、iPS関連の特許出願の流れと、現在の京大のiPS関連の基本特許(と言われるもの)についての見解を述べられました。講義の後半では、越智先生は、欧米と比較しながら、日本の医療特許における保護対象の範囲について説明された上で、医師が他人の特許発明を実施した場合における免責条項の必要性について力説されました。最後の質疑応答の時間には、多くの質問が出て、活発な質疑応答が展開されました。大変分かり易く、しかも興味深い講義内容であったため、2時間半の講義時間が非常に短く感じられました。
最後に、喜多地区会長をはじめ、兵庫地区会のご協力に大変感謝申し上げます。


講師:小倉 啓七 氏


会場の様子
   


講師:藤川 義人 氏


会場の様子

執筆者:近畿支部知財制度普及委員会 水田 愼一

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