平成23年度 弁理士の日 記念講演会 報告書 知財活用の最前線
日 時 | 平成23年6月25日(土)午後1時~4時30分 | ||||||
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会 場 | 松下IMPホール | ||||||
テーマ | 「知財活用の最前線」 ~オープンイノベーション・技術標準と知財の取り組み~ | ||||||
講演概要 |
【講演1】 「地域活性化への新たなアプローチ ~地域経営と知財管理~」
「技術標準における知財戦略 ~企業における取り組み事例~」
「国際技術標準と特許戦略」
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聴講者数 | 330名 | ||||||
講演報告 | 本年度の講演会は、「知財活用の最前線」というテーマで開催されました。講演者として、金沢大学の吉国信雄氏、パナソニック株式会社の福岡則子氏、三好内外国特許事務所の伊東市太郎氏の3名をお迎えしました。また、パネルディスカッションのコーディネータとして、ユニアス国際特許事務所の梶崎弘一氏をお迎えしました。 弁理士会近畿支部支部長楠本高義氏の開会挨拶の後、1つ目の講演において、吉国氏に、金沢大学における知財活用の取り組み事例をご紹介いただきました。吉国氏の取り組みは、地域活性化の観点における新たな知財活用法であり、聴講者に新たな気づきを喚起させ、知財活用の幅を広げ得る内容でした。 2つ目の講演では、福岡氏に、パナソニック株式会社における知財活用の取り組み事例をご紹介いただきました。特に、技術標準に関する現状や課題、標準化団体の取り組み事例、規格必須特許ライセンスでの取り組み事例、オープンソースソフトウェアの最近の動向と課題について、企業の立場から具体的な事例に基づいてお話いただきました。企業における技術標準と知財との係わり等についての知識を深めることができる内容でした。 3つ目の講演では、伊藤氏に、特許事務所の立場から見た技術標準との関わりについてご紹介いただきました。技術標準といえば、これまでは携帯電話などの情報処理分野が中心でしたが、伊藤氏には、スマートグリッドなどの環境・エネルギー分野において拡大する技術標準についてもお話いただき、また、標準化特許を権利化する際の留意点等、特許事務所(弁理士)ならではのお話をしていただきました。 パネルディスカッションでは、「今後の知財活用と知財人材が果たすべき役割」というテーマで、吉国氏、福岡氏、伊藤氏の3名をパネリストとして、コーディネータ梶崎氏の下、討議が行われました。前半では、講演者のこれまでの知財活動を振り返りながら、最新の知財活用のトレンドを探り、後半では、その中での知財人材の関わり方について討議がなされました。 パネルディスカッションの終了後、弁理士会近畿支部副支部長五郎丸正巳氏の閉会挨拶があり、講演会は盛況のうちに終了いたしました。 今年の講演会は、弁理士や企業知財担当者等、知財人材が今後果していくべき役割を考えることの一端となり、参加者にとって有意義なものになったのではないかと考えます。 |
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(執筆者:知財制度普及委員会委員 道坂 伸一)