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令和7年度弁理士の日記念事業実施報告書


報告書担当:門田 康

主   催 日本弁理士会関西会奈良地区会
後   援 一般社団法人滋賀県発明協会
日   時 令和7年7月5日(土)
知的財産講演会午後2時~3時
知的財産相談午後4時~5時
場   所 ならまちセンター3F会議室3、4(奈良市東寺林町38)
テ ー マ 令和6年税関差止実績からみる侵害品の傾向
参 加 人 数 5名(無料相談0件)
内   容 (1)大阪税関の講演に先立ち、小野地区会長から、弁理士、日本弁理士会について紹介いただくとともに、知的財産制度による保護の概要について説明いただいた。特に商標については、個人使用であっても外国からの輸入行為が商標権侵害となる令和4年の法改正が紹介された。
(2)大阪税関の講演
講師:財務省 大阪税関 業務部 知的財産調査官
   上席調査官 井村 浩子氏
   上席調査官 宮本 泉氏
①知的財産保護の必要性
特許などの産業財産権のほか、薬剤による健康被害、暴力団の関与など犯罪組織への資金流入などを防止する観点で説明された。
②税関の申立制度
権利者(特許権、商標権など)が、侵害品の特徴などを税関に情報提供することにより輸出入差止の申し立てをする手続きについて説明があった。そのあと、認定手続き、侵害判断が行われて、侵害が認定されると没収、廃棄されるという処理の流れを説明いただいた。
侵害品は個人で使用する場合であっても輸入できず(商標法改正に対応)、税関で没収される等処分される旨の注意喚起があった。
③令和6年の差止実績
大阪税関で輸入を差し止めた件数はコロナ禍前に比べて大きく増加しており、令和6年では約1万件であった。
差止件数の内訳:仕出国別件数比率中国87%、ベトナム8%
        品目別件数比率衣類27%、バッグ類18%
商標権侵害で差し止めた件数が最も多く全体の95%を占める。
④クイズ
侵害物品の実例について、真正品と侵害品を並べて展示し、いずれが真正品かを当てるクイズ。ただし、手で直接触れるのは不可。ビニール手袋を着用。盗難紛失等の防止のため警備員1名が監視に当たった。
(展示品1)健康食品ロコモア(中に錠剤が100錠ほど入っている)
(展示品2)ダンヒルの財布

近年、インターネットを通じて自宅にいて簡単に商品を購入することができる。これに伴い、模倣品など知的財産権を侵害する物品を意図せずに購入するおそれも増えていると考えられる。今回、水際で差止める税関の業務を知ることは、知的財産の保護にかかわる弁理士として有意義であったと思う。
特に、上記の「(4)クイズ」で実際に展示された侵害品をみた講演会参加者のほぼ全員が、真正品/侵害品を自信をもって見分けることができなかった。細部まで忠実に再現されている模倣品の実態を見ることができたのはよい機会であったと思う。ただ、大阪税関の調査官からは、見分けるポイントについては守秘義務があって開示できないとのことであった。
また、当日は奈良新聞編集部の記者が来場し、翌日(7/8)の新聞に掲載された。



以 上



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