知財授業報告書「兵庫県立尼崎工業高等学校」
近畿支部知財授業担当 後 利彦
日 時 | 平成31年1月23日(水) 9:45-11:15 |
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場 所 | 兵庫県立尼崎工業高等学校 |
名 称 | 「知的財産特別授業」 |
内 容 | 高校・高専知財授業(寸劇) |
対 象 | 3年生1クラス35名 |
講 師 | 後 利彦、吉岡 亜紀子 |
コメント |
今回は、JR尼崎駅から徒歩5分ほどのところにある兵庫県立尼崎工業高等学校に訪問し、知財授業を行わせて頂きました。就職や進学を控えた建築科の生徒に向けて、将来仕事をしていく上で知的財産権のことを知っておいて欲しいという学校側からのご希望があり、初めて知財授業をご依頼頂きました。 この学校の生徒の中に、平成29年デザインパテントコンテストに応募し、優秀賞を受賞された方がおられ、実際に弁理士からの支援を受けて時計に関する意匠登録出願を行い、意匠登録されているとのことでした。そして、この受賞をきっかけに知的財産権の重要性を意識され、もっと他の生徒にも知的財産権について知ってもらいたいと思い、今回実施することになったとご担当の先生から伺いました。 教室で待っていると、「こんにちは!」とハキハキと挨拶をしながら生徒達が入ってきました。そのおかげもあり、とても気持ちよく授業をスタートすることができました。 さて、授業では、最初に知的財産権の種類、弁理士の仕事、最近の知財訴訟の事例を紹介した後、おにぎりパック特許権物語のコンテンツを使用して行いました。メイン講師を務めて頂いた吉岡弁理士と事前に打ち合わせを行い、台本には沿うものの、私との間でアドリブの掛け合いも交えて授業を進行しました。吉岡弁理士のトークは、メリハリが利き分かりやすく、、長時間の授業にも関わらず生徒達は全員最後まで集中してくれていたように思いました。 物語が転換する途中で、ご担当の先生の機転でこの学校の生徒が取得した意匠登録証とその内容を説明する資料を持ってきて下さったため、それについても紹介しました。これにより、知的財産権をよりいっそう身近に感じてもらえたように思いました。 その後、質問時間を設けました。すると早速手が挙がり、朝のニュースで報道されていた海外で有名なティラミス店が日本で商標権を他人に取られていたためロゴが使用できないことが問題になっている事件について質問が出ました。知的財産権は国ごとに取得しておかなければいけないことや、不正に取得した場合、その権利は無効になる可能性があることなどを説明しました。また、建築科の生徒ということもあり、建物に関する意匠権の取得可能性に関する質問も出ました。少しだけ時間がありましたので、J-PlatPatで他人の知的財産権を検索することが自分でもできるので、新しい商品を製造販売する前に他人の権利をしっかり調べておくこと、自分のアイデア等は権利をしっかり取得しておくこと、知的財産に関することは弁理士に相談するとよいことなどを紹介して授業を終えました。 この授業を通じて、今後仕事に就く上で、知的財産権の重要性や弁理士の役割について、生徒達に伝わったのではないかと思いました。最後に、担当の先生から、「とても良かったし、勉強になりました。来年も是非お願いします。」と言って頂き、大変ありがたいと思いつつ、学校をあとにしました。 |


興味津々の生徒達に授業を行う講師