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知財授業報告書「橋本市立信太小学校」

近畿支部知財授業担当  五郎丸 正巳


日  時 平成31年1月10日(木) 13:45-15:25
場  所 橋本市立信太小学校
名  称 「知的財産特別授業」
内  容 発明工作授業(回転台)
対  象 6年生1クラス3名
講  師 五郎丸 正巳
コメント  今回は、和歌山県の橋本市立信太(しのだ)小学校を訪問しました。信太小学校は、葛城山脈の山あいの信太地区にある小学校です。標高約240メートルに位置する信太小学校からは、紀の川流域の町並みを一望できます。緑豊かな静かな環境にあり、野鳥の鳴き声が響き渡ります。
 今回、弁理士会の「発明工作授業」を受けていただくのは、6年生の女子3名。明治9年開校の歴史と伝統を持った信太小学校ですが、近年の過疎化により、在籍児童数は6年生の3名のみ。彼女たちの卒業に伴って、信太小学校は今春閉校になります。
 5時間目および6時間目の2コマをフルに使って、ビー玉、厚紙および皿を使用した回転台作りに挑戦します。
 回転台の製作に先立って、「知的財産権」や「『弁理士』という仕事」についての講義があります。弁理士の仕事は発明品や発明家を守ることである、ということを学んだ後、3名の児童は、回転台作りに取り掛かります。今回は、児童数が少ないため、講師(本報告書作成者である五郎丸正巳)も、一緒に回転台作りに挑戦しました。過去約20回の発明工作授業の経験で初めてのチャレンジになります。
 外周部にレールを設けその外側にビー玉を環状に並べる児童、自身が所有するビー玉も活用して、多数のビー玉を皿一面に並べながら試行錯誤する児童、皿を4つの領域に分割する児童と、三者三様に工夫を重ねます。意見交換をしながら、手は動き続けています。
 6時間目の開始後、講師から、完成案がいくつか紹介されます。それを部分的に取り入れながらも、自分のやり方でゴールを目指します。3名のうち1名の児童は、「ほぼ完成」に至り、他の2名も「完成まであと一歩」のところでした。
 授業前、担任の先生は、3名の児童の「ややおとなしい」性格を気にかけておられました。外部の講師に萎縮してしまうのではないか、と。3名の児童は、最初こそ緊張の面持ちでしたが、一緒に回転台制作に取り組んでいるうちに打ち解けることができ、いろんな話をしてくれました。
 信太小学校の最後の1頁に「発明工作授業」が入りました。今回の回転台作製を通して、「やり方は一つではないこと」や、「失敗してもそこから成功が生まれること」を学んでいただけたと思います。これからの人生において、今回学んだことを活かしていただければ幸いです。


 

発想力豊かな児童達と工作を行う講師


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